ネット小説大賞短編を悪役令嬢的に総括するエッセイ
悪役令嬢モードのドロシアさん、みたびエッセイに降臨。
ほほほほほ。
みなさま、ご機嫌よう。この文章は3/7に書いた活動報告を加筆・編集して投稿したものですわ。内容は重複していますので、そちらを読んでいる方はわざわざ読まなくても結構ですの。
ああ、ブラウザバックする前に下の応援だけやっておいて下さいまし。★5のところをクリックするだけの簡単な作業ですわ。ふふ、楽になったものですわね。
さて、ネット小説大賞短編企画賞の最終発表がありましたわね。
わたくしのパトロンは一作品を投稿されていましたわ。まあ、落選なわけですけども。
結果がこちら。
グランプリ
該当なし
準グランプリ
『親友が異世界召喚からのTS勇者で魔王倒して帰って来たけど体が女のままだから恋愛対象どっちにするか迷ってるらしいが知った事じゃねぇ!』
peep奨励賞
『異世界転生したら素敵な彼氏が出来ました!――ただし彼の周囲でよく人が死にます――』
お二方、おめでとうございますわ!
今回、パトロンの作品も含めて50/870作品が一次通過、10%以内に残っているあたりはパトロンも頑張っているのでしょうか?
そしてそのうちの2作品が賞を得た形ですか。
第1回の企画でありながらグランプリが出ていないのは残念ですわね。
わたくし、短編作品を読むのが好きですの。当然、一次通過の50作品は目を通しておりますわ。
身も蓋もないことを言ってしまうと、個人的な嗜好としては準グランプリの作品は好きではありませんわ。
申し訳ありませんけど。
まあ、わたくしはドタバタコント系のコメディへの評価が低いので仕方ない側面はありますの。例えば先日のゲラゲラ大賞も投稿作はほとんど読んでおりませんし、パトロンがゲラゲラ大賞に書かなかったのもそれが理由ですの。
もちろん、好きな人にとっては面白い作品なのでしょうけどね。
奨励賞の作品は投稿された頃から読んでいて、好きな作品ですわ。
さて、ちなみにパトロンの作品、『TS転生悪役令嬢侠客伝!』と申しますの。
……あら!
準グランプリの方と同じ、TSネタじゃないですの!
パトロンったら同じネタ使って負けるとか恥ずかしくないのかしら!
まあ、ネタが悪いわけではないと思いますのよ。パトロンの文章が下手だとも思いませんしね。
ではなぜ負けるのかしら?
次の戦いのために考察ですわね。
総評より抜粋。
『
ただ、応募作品全体に言えることなのですが、前提となる世界観の理解度を読者に委ねている作品が多数見受けられました。
短編ということで、世界観を書き表すのに皆さん苦労しているのかなという印象を受けましたが、
中でも「ファンタジー」での定番やお約束事を読者が理解しているという前提で物語を書いている方が多く、
自身の手で書かれている物語であるにも関わらず、
キャラクターや世界観をエピソード化せずにお話が進行してしまう作品が多かった印象です。
略
「peep」というアプリで物語を読んでもらう特性上、如何に早い段階で読者の心を掴めるかということも重要視しております。
』
なるほど。仰ることは間違いないですわね。
その面で言うとパトロンの『TS転生悪役令嬢侠客伝!』は読者想定がなろうユーザーであり、その外側では無いですわ。
パトロンはなぜそのあたりちゃんと修正しなかったんですの?
……え?そもそも賞に応募する目的の作品では無く、応募したのも忘れていた?
どうしようもないですわ!
本来であればそのあたりは修正して応募すべきだったのは間違いないですわね。
peepというアプリの特性や作品傾向をそもそも知らないでしょう。ちゃんと調べませんと。恐らく短編応募者もほとんどがそこを考えてはいないでしょう。
peepというアプリは、『ホラー・恋愛・スリラーの小説をチャットノベルで!』なんですの。
それに合った作品、主催者側が欲しい作品が評価されるのは、ある意味では当然ではありますわ。
準グランプリの作品はチャットノベル向き、奨励賞の作品はジャンルの合致と言えますね。
それを保守的でダメというか、ブランドの方向性を構築していると見るかは人によるでしょう。
『TS転生悪役令嬢侠客伝!』は例えば準グランプリの作品よりもなろうにおいて高いポイントを得ている作品ですが、チャットノベルにどちらが向いているかと言えば明らかに賞を取った作品でしょうね。
一次通過50作品の中でわたくしが最もすぐれた短編であると思うのはたびーさんの『フルサトRadio』ですわ。
でも、あれもチャットノベル系統のものを集めているとしたら、また作品のジャンルとしても、まるで向いてないですの。
少なくとも最近のなろうはガンガンやゲラゲラ、今回のpeepなど、いわゆるなろう的傾向から広げていこうという意図が見えます。
わたくし、先日ゲラゲラの批判をしましたが、それはイベントの杜撰さの批判であり、その広げようという意図は素晴らしいと思っていますの。
その中で作者としては賞に合った形の作品を書く、あるいは改稿するという工夫は必要となると考えますわ。
なろうのテンプレの先鋭化については別途エッセイで書いたこともありますが、なろう受けを狙うのか、なろう外にも通用する作品を書くのかは考えるべき時期でしょう。
特に中華系に関してはJinkeも来てますしね。
アレもちょっと難しい賞でしたが、ビジネスとして中国という巨大市場を狙っていくのは当然であろうかと。
Jinkeは初めからこう言う作品と書いてたのはユーザーフレンドリーでしたね。異世界転生ダメとか二十万字程度完結前提とか、なろうで募集するには難しい賞ですけど。
パトロンは今上海舞台の作品を書きはじめたとのことですので、来年もあるなら意欲的ですわ。
peepはネット小説大賞の一環として募集していたので、なろうファンタジー系の投稿が多いのは当然かなと思うんですよね。
総評でそれを示す前に、事前に傾向を説明すべきだったようには感じます。
なろうテンプレ的異世界モノをなろう外で、かつ地の文での説明を増やさずに面白い短編を書くというのはなかなか難しい話ではありますね。
地の文での説明を増やすとテンポダウンしてしまいますし。
今やチャットノベル系統やゲラゲラのコントのように会話だけの文章というのが人権を得ています。
こんなもの小説じゃないですわ!という向きもあるでしょうけどね。
なろうテンプレも地の文が減っています。
一人称で地の文でも大半は心情を書いていて描写は最小限というものは多いですわ。本文読んでいてもキャラクターの容姿が分からなかったり、舞台がどこか分からないもの多いですもの。
ただ、これを進化と取るか退化と取るかは別として。
パトロンはTRPGのリプレイに古くから慣れていますし、2chのssとやらも読まれていたので、そこまで違和感は無いとのことですわ。
どちらにしろ、そういう文、いわゆる美しい文とは真逆を行くもの『も』書ける必要性はあるのかなと。
こぴーらいたー@風倉さんのこの言葉を引用させていただきましょう。
・会話文だけ読む(かいわぶんだけよむ)
こういう読者もいるらしい。あるいは流し読みに入ってるとこうなりやすい。あるプロはこれを見越して「会話だけ拾っても話が分かる」ようにしてるらしい。
「会話」は目に止まりやすいから。その人の作品はすごく読みやすかった。
最後にもうひとつ。
今回の短編大賞、2弾があったのご存じかしら?
こちらは運営批判になってしまうのですが、意図的なのか分からないですが、そもそも告知に気づかないという話ですの。
応募作品が146作品しかないとかちょっと情けないですわね。
告知が弱いんですのよね。
ネット小説大賞、公式サイトのレイアウトが今回から変わりましたわよね。
昨年のモノが良いデザインであるのですが、あれはパソコン用のデザインですの。スマホで閲覧していると誤クリックとかたくさんしてしまいますし、今回のデザイン、スマホ向けのデザインにするのは時代の流れとして当然そうあるべきだと思いますわ。
ただ、今回のは見たい記事がどこにあるのかわかりづらい。
トップページのトピックに短編大賞2弾の応募要項が追加されたことをしるしてくれれば良かったのですが、それをしませんでしたからね。
ちなみに、イラスト企画の方も運営さんったら最初トピックスにリンクを作らなかったんですわよ。
それをパトロンがツイッターで要求しましたの。
『@NovelNarou
ヽξ˚⊿˚)ξノありがとうございますのー!
公式さん公式さん!
ホームのトピックスからイラスト企画ページにとぶリンクが欲しいです!
作者的には!』
まあ、運営さんちょっと抜けてるところがあるかとは思いますわ。チャームポイントですね、ふふふ。
でも、これに対してちゃんと翌日にはリンクを作ってくれましたし、ちゃんと動いてくれる方でもありますの。
みなさまもただ不平不満を募らせるのではなく、こうしたらより良くなるのでは?という提案はしていくべきではと思いますのよ。
この短編賞に関しては、『次回も多分開催する予定です!』とあるので、それは素晴らしいところ。
次はより素晴らしい形で盛り上がることを期待していますわ。
感想返しはしないつもりですの!