第五編・その3 真偽
ツバサは言い訳通り、木々に囲まれたトイレを見つけて訪れた。
入るなり洗面台の蛇口を捻り、顔にすくった冷水を擦りつける。
これで心身が締まればと思っていたツバサだが、その心はまだモヤモヤとまるで薄い膜で覆われているようにハッキリしない。
洗面台に両手をついて、ツバサは独りうなだれた。
「まったく……何が何やら」
そう言うツバサの顔は険しかった。
さっきからずっと考えていた。この世界が現実かどうかを。
けれど世界が現実かどうかなんて壮大な議題、どうすれば証明できるか分からなかった。
「おかしいところもあるわけじゃない……。平和な世界だ」
賑やかな外を眺めながらツバサは言った。
こうやって見ている限りでは、この世界と現実に相違があると思えなかった、むしろ同じに思える。
ただ、どうしても違和感がある。
「……本当に、あいつアオイなのかな」
その違和感の根本にして大部分占めるのが、走り、よく喋り、そして笑う妹であった。非情だが、あり得ないことと認識している。
ツバサは目をつぶり、綻び探しの旅に短い思い出へと赴く。今会ってきたアオイが本人かどうかの。
だが巡り巡った旅の、その結論は結局、本人としか思えない――であった
「…………駄目だ分からん」
堂々巡りに苛立ったツバサは舌打ちした。
全くもってスッキリしない。しないが、そろそろ戻らないとアオイが心配し出すろうからそうしようと、濡れた顔を腕で拭って踵を返したその時、気配がした。誰かに見られているような。
ツバサは俊敏に体を回して、気配の方を向いた。
感覚に誤りなし、トイレの小便器と、個室の間の空間。そこにはツバサ以上に黒い人影があった。
そしてツバサは向けられた薄気味悪い笑顔と目が合った。
しかしおかしい。このトイレに最初、人はいなかった。そして洗面台は入口の方にあり、出入口は1つしかない。誰かが通ったなら気づくはずだったのに、ツバサは気づけなかった。
「お前……何者だ」
ただ者でない佇まいを感じ取り、ツバサは警戒心を募らせた。
その"彼"には、顔や姿見では男か女かも分からない中性さがあった。
ツバサが出会った人の中なら、印象的にはリョウキと似ていた。
ただ"彼"の醸す雰囲気、圧は、殺人鬼のそれとはまた種類の違う、別ベクトルのものであるようだった。
「おい答えろ! お前は誰だ!」
臆せずツバサは、ちょうど溜まってた鬱憤払しも多少あって、ピエロのお面みたいに表情の変わらない"彼"に強気の口調でぶつかる。
すると"彼"の表情は変わる。ますます笑顔を極めて、腹から聞こえる高笑いした。
「冴えないなぁ人間君」
また落ち着いた笑顔に戻ると、"彼"は真っ直ぐ歩いてツバサの横に立った。肩越しに互いに目が合う。
「せっかくこんな楽しい所に来たんだ。君には、もっともっと楽しんでもらわないと張り合いがない」
と、その声をよくよく聞いて、ツバサは気づく。
それに気づいた瞬間、ツバサの脳内を駆けたのは、最後の病室での記憶であった。
「お前まさか……"黒い手"か?!」
"彼"は否定も肯定もせず、左手で額を抑えてもう一度高笑いする、大層愉快に。
「そうなんだろ。お前、俺に何をした」
ツバサが"彼"の肩に手を置いて詰め寄る。だが"彼"は壊れたように高笑いを繰り返す。
「笑ってないで答えろ!」
服を掴んで引っ張り上げても"彼"はまだ笑っていた。しかし口を開くとき、その笑顔は他の感情と共に消え失せた。
「やれやれ、この世界の何が気に入らないのか。そんなに前の世界が恋しいかい。夢も希望も無い不完全な世界がぁ」
"彼"がツバサの肩をポンと押し返す。
だが軽く押されただけなはずなのに、ツバサは自分でも驚くほど簡単に尻をついてしまった。
そして見上げた時、"彼"の視線からツバサは軽蔑が伝わってきた気がした。ムカつくが同時に、分かったことも。
「この世界に、前の世界か……。よく分からんがつまりここは、俺が生きてきた世界とは違うんだな」
そう言いながら、ツバサは立ち上がった。
「それで、お前は何者なんだ。俺たちのように、閻魔様のゲーム参加者じゃないんだろ」
「ああ、君達のゲームなんて私は知らないし、そんな他人のゲームに興味もない。面白みがないからね」
「……お前もしや、人間じゃないな」
つまり、黒い手の力は自前ってことだと理解し、それと妙に達観した態度からあたりをつけてツバサが尋ねると、"彼"は黒目がちの目を見開いた。
「いかにも! 私はしがない神だ。夢を叶えるしか能のないね」
「! まさか自分を神だなんて言うとはな」
「仕方のないことさ。君が人間であるのが当然なように、私は神であるのが当然なんだから」
無駄に左手の指を弄ばせながら、自称・神はそう言った。
「……それで、神様が俺に何の用なんだ。何故こんなところに連れてきた」
「because!! 君が望んだからだ」
神が顔を近づけながらそう言うと、ツバサは強張った表情で思わず固まった。
しかし神が笑うと硬直は解け、ツバサは恋人同士だってそうそうしない至近距離にたまらず後ずさりした。その時、神は諸手を広げた。
「私は次元を巡り、叶わない夢を追い続ける者の下に現れ、その夢が叶った世界を創成し導く。それ以下でも以上でもない。私が現れ導いたということは、君が願ったからというわけさ」
と、神はツバサに背を向けて、両手をそのまま外の方に伸ばしてみせた
「ここは君の幸せを凝縮した君だけの世界。何の不自由もなく、欲しいものが手に入る完全な世界。だから君は遠慮なんかせず……存分に身も心も委ねて良いんだよ。これはご褒美さ、今まで散々苦労されられてきた君に対する、私なりの労いの形なんだよ」
首を回した神は、ツバサに笑いかけた。
「……ふざけんな」
ゾッとするほど底冷えする声だった。神はその反応にすら満足そうだったが。
「俺は嬉しくなんかない……こんな、偽物の世界に連れ込まれて、お気楽に手を叩けると思うか?」
少しでもこれが現実なら良かったのにと思っていた心も踏みにじられ、ツバサは憤った。
「元いた世界に戻してくれ。本当に俺のためだと言うなら、俺を元いた世界に帰せ」
「おいおい、何を血迷う」
神は両手をツバサの肩にかけた。
「確かにこの世界は君が生きた世界じゃない。でもね、世界の真偽なんて誰にも分かりはしない。今まで夢を見ていて、ようやく目覚めたことを否定は出来ないはずだ。現実が本物で、夢が偽物だなんて単なる固定観念さ。だったら幸せな世界で生きた方が、お得じゃあないかい?」
しかしツバサは受け入れられず、というよりか聞くてやる心のゆとりもなく
「待ってるんだよ! 妹が! お前の言う通りなら、俺がずっと目覚めてくれと願い続けてきたアオイは、今も独りでずっと眠ったままなんだろ」
肩を揺らして手を振り払った。神を自称しているのだからある面で仕方ないが、半ば人を嵌めておいてその不遜は許し難く、さらに憤った。
「世界のどうこうなんてどうだっていい。だが、アイツだけ残して俺が幸せになれると思うな。思い上がるなよ貴様!」
激昂するツバサだったが、神は目を見開くとお偉方のようにゆったり手を叩いた。
「これはこれは、素晴らしい家族愛。いやはやお見それ致したなぁ」
「黙れ……。それよりお前が連れてきたんなら、帰すことだって出来るはずだ。早く俺を帰せ。それとも出来ないのか? 神のくせに」
「そんな喧嘩腰は止めたまえよ。もちろん帰りたいなら方法はある」
その方法を教えるため、神は狭い便所からツバサを外につれて出た。
ツバサがこの世界に来たばかりの頃、呆れるほど青かった空には、灰色の雲がのさばり始めていた。
「帰り方はとても簡単です。君が最も大切に想うあの子を……殺してしまえ」
神が気だるげに指さす、その先にはアオイがいた……。
⭐︎
神が指さす先を目で追ったツバサは衝撃を隠せず、平静に戻れぬまま神の横顔を見やった。
「アオイを……殺すだと……。馬鹿な、それで何で元の世界に戻れる。ふざけたことをッ」
掴みかかろうとしたが、神は身を翻して一瞬で消えた。かと思えばツバサの背後を取っていた。
「いやいや、私はいつだって大真面目だよ」
いつもの様子なんて知らないが、少なくとも今は真面目ではないだろうと、ツバサは一層険悪な顔になった。
「よく考えてみたまえ、人間は思考が足りない」
神は人差し指で自分の頭をトントン叩いてツバサを嘲る、ツバサの沈黙が続くと今度は鼻で笑う。
「私は君の願いを叶えるために来たし、この世界は君にとっての幸せを凝縮した世界、君だけの楽園なんだ」
そう言うと神は薄ら笑い浮かべてツバサを見つめる。
「私を呼んだのも、ここに縛り付けるのも、君自身の幸せだ。その杭さえ失われれば、君がこの世界に留まる理由もなくなる。解放され、元の世界へ帰れるというわけさ。そして君にとっての杭こそあの子だよ」
アオイが、どんどんと近づいて来る。ツバサたちに気づくのも時間の問題だろう。
「まったく私は人が良いな。全部教えてあげちゃったよ」
どの口でと思い、ツバサは神を睨み返した。
絶対に親切で教えたわけじゃないことは、分かっていた。
「さぁ殺っておいで。帰りたいんだろ? 元いた世界に」
「く……」
ツバサは唇を噛んだ。
もちろんこの神の言うことは、正直何一つ信用ならなかった。だが、たとえこの神が全知全能で全てにおいて正しかったとしても、ツバサは同じように唇を噛んだだろう。
模造品だとしても、妹を手にかけるなんて、出来るわけなかったから。
「どうした? 気にすることはない。君はさっきこの世界は偽物だと言ったじゃないか」
神はツバサの心内を見透かして、ニヤニヤと目を細める。さっきからずっと、喜の感情ばかりだ。
「あの子も、姿形と心が同じだけの偽物、君の妹なんかじゃない。なら何を躊躇う? それとも、この世界で生きてみたくなったかい?」
「誰が?!」
「なら殺れよ、さっとさ」
神が耳元で囁き、そして黒い手でツバサの背中を押した。
段差から押し降ろされて、けれど舞台に立たされた。
演出は神、キャストは兄と妹。演目は悲劇であった。フィクションかもしれないしそうでないかもしれない。感情に関しては嘘ではない。
「あ、お兄ちゃん」
「……」
呼びかけに対してツバサは黙って、露骨に目を逸らす。
「? どうしたの?」
あまりに露骨だったからアオイにもすぐバレた、避けようとしていることを。
「い、いや……」
そう言うとツバサは、チラッと後方の神を確認した。神はニヤニヤと、控えめに言って殴りたくなる顔をしていた。
「……顔、怖いよ」
悪感情が正直に、顔に出てしまっていたようだ。
しかもツバサにとって不幸なことに、反射的にハッとされられたがために、つい逸らし続けていた視線をアオイに向けてしまった。
「ええ、ああ、すまん…………。もう子熊は良いのか?」
「もう堪能した、大満足」
「そうか……なら良い」
不思議なもので、目を合わせるのは気が進まなかったのに、いざ目を合わせてしまうと今度はもう離せなくなる。これが最後かもしれないと思えばなおさらに。
話し始めてみると、ツバサはセミの声がやたらに大きく聞こえて、満面のアオイが何を言ってるか分からなかった。
聞こえないというより、聞き取れていない。まるで雑音として処理されているかのように。
そんな中、唯一聞き取れたのは……
「帰ろっか」
小豆色の空を見てアオイが言った、その一言であった。
別にアオイは声の大きさなんて変えていないのに、そこだけは2人きり個室にいるように、ツバサは問題なく聞き取れた。
「……」
帰ると言ってもどこに帰れば良いのか。
神に切った啖呵は本心だ。この世界に留まる気なんて無かった。
けれどそのために、目の前の妹を殺すというのも……手が止まった。
しかしおかしい……。
神の言う通り、目の前の妹が偽物なら、結局異常に似ているだけで他人である。
殺し自体は別に……嫌では無かったはずだ。自分のために、他人を蹴落とすのに抵抗無かったはずた。
なんで今、躊躇い、戸惑うのか……。
その答えをツバサは、この世界で彼女に出会った時には、既に見つけていたのかもしれない、下手したらもっと前から……。例えば19年前とか……。
「……待ってくれ」
衝動的な呼び止めであった。
先行くアオイは足を止め、不思議そうな顔で兄を見た。
「なに?」
「……1つだけ、聞いて欲しい」
そう言うと、ツバサは手招きした。
首を傾げながらも、アオイは何も考えず兄の仕草に従った。
そして気づいた時には、彼女は喉元に何か突きつけられていた。
「え? え?」
アオイは目をパチクリさせた。
突きつけられていたのは硬くて先の尖った何か。しっかり見れば、手の甲から生える異形だ。
うっかりしたら死ぬ。突然何故か大ピンチであるが、どういうわけか周りの人は気にもかけない。
神は笑っていた。
「……えぇっっと……話とは?」
アオイは両手を挙げて、大人しく降参の意を示しながら聞く。
「……」
そして、ツバサは意を決した。
「…………俺は、お前のお兄ちゃんなんかじゃない」
そう言うと、右腕を妹の首から引いた。
「……な、何それ。どんな手品?」
アオイの興味を引いたのは、分かりづらいカミングアウトよりも、見てすぐ分かる異形である。
危機が去って、改めてよく観察すると、何となく「鹿とかの角っぽいなー」と彼女は密かに思った。
「……これはな、お前を救うために得た力だ」
穏やかな顔で生やした角を撫で、ツバサは語る。
自分が別の世界から来たこと。その世界では未だアオイは意識を失ったままであること。その彼女を救うために命を落としてしまったこと。紆余曲折あって閻魔様から仮初めの命を与えられ、勝てば願いを叶えられるゲームに参加していること。そのゲームの最中、ここに連れ去らわれたことを。
最初はそんなに面白くない冗談だと思って聞いていたアオイだったが、次第に兄の真剣な様子は伝心し、困惑から来る不安で唇に触れた。
「ちょっと……何言ってるか分かんない」
「……だろうな。こんなこと素直に受け入れられたらそれはそれで不安だ」
ツバサはため息をつき、黙った。
「…………本当に……お兄ちゃんじゃないんだ……」
沈黙の中に、兄妹だけに通じる何かがあったのか、アオイはうつむいた。兄が言っていることが、本当のことだと理解してしまい……。
「……残念ながらな」
うつむく妹の姿に、ツバサは眉を下げた。
だがその心は決して悲しみ一辺倒ではなかった。微かだがあった、喜びと嬉しさが。
「……そう……じゃあ一緒には帰れないんだ……」
「俺の帰るべき場所は……そうなるな」
「…………盗るの? 私の命」
帰り方も聞いていたアオイは、怯えて背中を丸めた。
けれどもうツバサの心は決まっていた。妹の姿を見て、その心はますます強固に、揺るぎないものへと。
「……俺はお前のお兄ちゃんじゃない。だが――」
と、ツバサは妹の頭をポンと撫でた。アオイは条件反射で顔を上げ、兄の顔を見た。
愛のある微笑みを浮かべ、そしてツバサは口を開いた。
「それでも俺たちは兄妹なんだよ」
支離滅裂な兄の言葉にアオイはポカンとしていたが、そのうちにツバサの顔が引き締まる。
「だからお前を、傷つけられやしない!」
ツバサは不意に駆け出す。敵意のこもった鋭い眼光と共に。
妹思いの兄がその矛先を向けたのは…………人を堕とすことにばかり熱心になる、悪趣味な神であった。
「分からないな。この世界が偽物だとするなら、あの子も含めて全て偽物なはずだろう。どんな理屈で偽物と本物を同列で語る」
「理屈じゃないんだよ、兄妹ってのは」
「へぇ……。で? これはどういう意図だい」
ツバサが剣の代わりにする営利な角を、神は片手で押さえつけていた。
「お前が考えろと言ったから考えた。この世界を創ったのがお前なら、お前を殺ればこの世界も消えるんじゃないかってな」
「考えが足らないなぁ。芸術家が死んだからって、その作品も消えてなくなるかい?」
神は重力を感じさせずに飛び退いて、ツバサと間合いを取る。
「まぁ私の場合、私が死ねばこの世界が消えるは正解なんだけどね」
そう言うと、汚れを落とすように両手を叩いた。
「しかしその子だけを殺すのと、この世界ごとその子も消すのじゃ変わりないと私は思うのだが、どうやら君はそうは思わないらしい。直接的なのが嫌だからボヤかすのかな? ……まぁどちらにせよ」
また片手で角を掴んで攻撃を封じると、神はツバサを赤い爪で切り裂く。死にはしない威力には調整されていたが、身悶えする威力だ。
さらにまだ離していなかった角を引っ張って引き寄せると膝蹴りを腹にお見舞いし、衝撃で僅か3ミリ浮いたツバサを、足の裏で蹴って押し飛ばす。
追い打ちに、突き出した拳と拳を垂直に合わせ放つ雷球も忘れずに。威力は雷にも匹敵する。
「お兄ちゃん!?」
たまらずアオイは駆け寄る。
「お兄ちゃん! しっかり!」
「心配するな……。これくらいなら、耐え……られる……」
しかしツバサは立てなかった。まるで生まれたての子鹿のように。
そんな兄の姿に心痛め、兄をズタボロした神にアオイは無言で非難の目を送った。
「多少特別なだけで所詮人間が、神に勝とうだなんて勘違いも甚だしい」
神はあっという間に、大して労せずツバサを地に伏せさせた。
ツバサの攻撃は何一つ通用せず、加減したはずの神の攻撃は一切対応できず。
まさに圧倒的完勝であった。
「ただ……これじゃ私も面白くないんだよ。ただただ圧倒的な力でねじ伏せるだけだなんて芸のない真似は、私にはそぐわない」
神は己の人差し指にキスすると、その指を空に掲げた。
生暖かい風が吹き渡り、木々がバサバサッと揺れる。小豆色をした空からは、稲妻轟く暗雲が降りてくる。
暗雲は神の息がかかったプレゼントを包むラッピングのようなもの。
ただし、神がプレゼントを決めるに当たっての選定基準はだいぶ変わっている。
「さぁお遊びはここからだ」
自分が与えたら面白いを思ったものを神は与える。すなわち不幸の種である。
<ワンポイント解説>
アオイが兄妹同士で通じる何かを感じてたように、ツバサも兄妹同士で通じる何かを感じてたから、理論に反してようが本物だと断じたのでしょう。