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亡者よ、明日をつかめ  作者: イシハラブルー
第1章 ゲームスタート
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第二編・その1 コピーライト




「ハァハァハァ……」


 凍え死にそうなほど寒い真冬の夜。新月の下を、佐野ヒカルは息を切らしながら全力で駆けていた。


「ちきしょう、どこだ?」


 前回の戦いからまだ30時間足らず、再び霊獣の気配を察知したヒカルは、その現場に駆けつけようとしていた。

 有名な教師が歩いていた荒川の河川敷。土手沿いに住宅が立ち並ぶ中、彼方からは時折サイレンが聞こえてくる。


「まずい……」


 元警官のヒカルには、それがパトカーのものだとすぐ分かる。ということは、既に良からぬことが起こっているらしい。


「こっちか。うおっとっと」


 土手を滑り降りると、ヒカルは住宅街への入り口に立った。


「うん、こっちだな……」


 そしてヒカルは迷うことなく、夜の薄暗い住宅街へ足を踏み入れる。

 霊獣は人間を食うのを目的にしているため、やはり人口が多い場所に現れる傾向があるのかもしれない。


「ハァハァ……どこにいるッ!?」


 住宅街の入り組んだ路で、ヒカルは瞬発的に右へ、左へ、迷いなく歩を進める。

 決して霊獣の居場所が分かるわけではなく、半ば闇雲に走っている。

 だが閻魔曰く、ゲーム参加者と霊獣は半死者同士、互いに引きつけ合う性質があるらしい。そのため直感的に動いた方が、あれこれ考えるよりも手っ取り早く見つけ出すことにつながるのだ。


「それにしても……。前の時よりも気配が強いような」


 前回の霊獣の気配が『イエロー』とするなら今回のは『レッド』だった。

 気配の強さが何を意味するかまでは聞いていないが……


「なんか嫌な予感がする」


とヒカルはこれまた直感で感じ取っていた。

 もしや前回の奴よりも強い個体なのかと、ヒカルは内心警戒した。しつつも立ち止まることなく直感に従って走り続けていた。むしろ霊獣が危険なら危険なほどスピードが要求される、無力な市民のためにも。

 そんな最中、ヒカルは前方にうつ伏せに倒れたおじさんを発見した。


「あれ? 大丈夫d…………ッ!?」


 介抱しようと手を触れた瞬間、ヒカルはその異常を察する。


「何だよ……これ……」


 何というか、そのおじさんの体には弾力が無かった。スーツ越しに背中を押すと、大して力は入れていないのに手が勝手に沈み込んでいく。

 呼びかけても応答はない……。なんとなく、嫌な予感がビシビシするが、とりあえず仰向けにして詳しい状態を確認しようと、ヒカルはその人の胸と地面の間に腕を通した。


「うわ……軽」


 力を入れた瞬間に分かるその異常な軽さ。せいぜい米袋くらいの重さしかない。そしてその理由は裏返してすぐに分かった。


「うわぁ……」


 一目見て分かる。これは死体だと。

 だが今まで刑事として何度か死体を見た上で、この死体のグロテスクさを超えるものはない。

 ガイシャの眼球は飛び出し、頬には一切の肉がついておらず酷く骨張っていて、そして額に開いた大穴からは、空洞になった頭蓋骨の中をのぞき込める。死の間際まで助けを求めていたからか、あるいは恐怖からか、口は開いたままになっていた。


「スカスカだ……。中身だけ食われたのか」


 弾力の無い体、極限まで痩せこけた顔、木の枝のように細くなった指。おそらく霊獣は被害者の頭に開けられた穴から内臓器官だけをスープのように吸い取った、そうヒカルは見立てを立てた。


「なんだっけ、確か蜘蛛がそんな生態をしてるんだっけ」


 そんなことをテレビで見たことある気がする……。となると今回の霊獣は蜘蛛型か……。


「夜に人間大の蜘蛛とか絶対ビビるわ……」


とヒカルは思う。

 さらに今日は新月、おまけにちょうどこのあたりには街灯もないときているから、蜘蛛にとってはこれ以上無い絶好の狩り場、狩り時だろう。

 音も立てずに忍び寄られたらまずその存在には気づけない。仮に気づけたとしても恐怖で足が動かなくなるだろう。そうこうしているウチに捕らえられ、ジワジワと料理されてしまう。


「オエ……」


 想像するだけで恐ろしい。

 だがそんな想像をしている時だ。 突然、あたりの木々が騒々しく揺れ出した。


「!?」


 慌ててヒカルは身構えた。だが、何も出ては来ない。


「……なんだ、ただの風か?」


 だがヒカルが警戒を解いた。その瞬間のことだーー


「あぁぁぁぁぁああああ!!」


「!? 今の声は……」


 突如響き渡る断末魔のような叫び。

 ヒカルはさっきしていた嫌な想像を思い出した。


「くっ、あっちか!」


 すぐそこにあるT字路に躍り出ると、それの右へ行く路の先にヒカルは目を凝らす。

 こっちだーー

 ヒカルの勘はそう告げている。


「よし。…………?」


 現場へ向かおうとした矢先、ヒカルはさっき揺れた木々のうち一本にもう1度目をやった。


「……なんかいるか? いるんなら返事をしてくれ」


 暗くて何もはっきりとは見えないのだが、どうも引っかかる。と言うかむしろこっちが見られているようにヒカルは感じた。

 気配も霊獣のそれが強いせいで分かりづらいが、ヒカルにはそれとは別に、もう1つ気配がそこから漂ってる気がした。

 しかし特に返答があるわけでもない。


「お助けをぉぉおお!」


「……気のせいだなッ!」


 ヒカルは駆けだした。

 今は目の前の危機を未然に防ぐことが何よりも最優先だ。


「チッ、余計なことに気を取られちまった。頼むッ! どうか間に合ってくれ!」


 全力で駆け、そして曲がり角を曲がって見たものは。


「!? 蜘蛛だ!」


 憶測通り蜘蛛だった。

 だが、その蜘蛛が極めて人間に近いフォルムをしていて、赤い8つの目を剥きだしにしてジャージ姿の若い男に迫る場面が待っているのは予想外だった。


「ウワァァァァァァァァァァ!!」


 若い男のビブラートの効いた悲鳴が夜道を駆ける。


「まずい!」


 --バッッ--


「変身!」


 --キラッッ--


 即座にヒカルは能力を発動、光の壁を潜り纏う。


「うるぅぅらぁぁあああ!」


 そうして光闘士ブリリアンに変身し、蜘蛛型の霊獣を殴り飛ばした。

 霊獣が吹っ飛んだので、ヒカルは背後にある男の方を向いて言った。


「ハァハァ……。おい、大丈夫か」


「は……はい、なんとか」


「立てるか?」


「で、出来たら手を……」


「よし」


 ヒカルはへたり込んだ男性に手を伸ばす。

 目の前のヒーローを不思議そうに見つめながら、男は差し出された手を、右手で掴んで立ち上がった。


「なんとか走れるか?」


「えっと……」


 ヒカルが尋ねると、男はその場で駆け足する。


「はい、走れそうです」


「そうか。……じゃあすぐに逃げるんだ」


 ヒカルは男性にそう告げると背後で蠢く霊獣に再び向き直った。


「さぁ霊獣……。俺が超新星にしてやる!」


 立ち上がった霊獣が唾液を滴らせた。その瞬間—白い牙が闇を走る。


「ッ!」


 凄まじい瞬発力で霊獣はヒカルの懐に飛び込むと、鋭利な爪を振りかぶる。


「まずいっ!」


 ヒカルはとっさに飛び抜いた。振り下ろされた爪は空を切り、アスファルトに突き刺さった。

 霊獣は強引に爪を引き抜き、ヒカルの胸に風穴を開けようと流れるように突きを繰り出す。


「はっ!」


 ヒカルは拳で突きを払い除けると、お返しとばかりに胸にパンチを打ち込みにかかった。

 ガンッ!!


「……ッ!」


 ヒカルの顔が苦痛に歪む。

 返しのパンチを爪でガードされた。アスファルトも貫く硬度の爪、それを思い切り殴った激痛は色々な補正を持ってしても防ぎきれない。


「いってぇ~。コイツぅ」


 痛む手をさすりながらヒカルはハイキックを繰り出すが霊獣はまたも余裕のガード。


「ならば!」


 今度は回し蹴り、ただし普通の回し蹴りではない。

 相手の動きを見て上段か下段、より有効な方に攻撃を切り替えられる、つまりガードを避けて攻撃を与えられる高難度の回し蹴り。しかし鳴ったのは鈍い音だった。


「おい……腕が多いのはズルじゃねぇか!」


 ヒカルはたまらず抗議する。

 人間ならば、この蹴りをガード出来るのはそう多くはない。何しろ寸前まで攻撃部位が分からないのだから。

 しかし腕が6本あるこの霊獣だと、上段、下段への攻撃も同時に対応が可能。

 そのため、とっておきの回し蹴りもいとも簡単にガードされてしまう。


「自転蹴り!」


 ならばガードを上からぶち破ろうというパワープレイ。

 しかし必殺級の回し蹴りを放つも、霊獣は2本の腕できっちりガード。のけぞりこそするも危なげない。

 

「クッ……なんて硬い」


 防がれたその瞬間にはヒカルは跳び退く。

 思考はしても動きは止めない、止めたら最期、爪の餌食にさせられる。


「強いな……。カエルなんかよりずっと手強い。姿も全然違うし、同族とは思えないな。……生前の差でも反映されてるのかな?

 ……いや、今はそんなこと考えるよりも、どう倒すかの方が大事だな。一筋縄じゃいかなそうだ」


 観察すると、この霊獣の戦闘スタイルは至ってシンプル。6本ある腕のうち2本でガンガン攻撃を仕掛け、残りで手堅くガードとカウンターに徹する。意外にも蜘蛛らしい糸を使った搦手も使わず、特殊能力は貧相。

 だが、このシンプルな格闘スタイルがかなり凶悪。


「うぉおお!!」


 クロスカウンター。

 ゴッッ!!


「うわっ!」


 しかし相手の方がリーチが長い。吹っ飛ぶのはヒカルだけだ。


「ぐ……俺の腕があと15センチ長けりゃ! ……いやダメだ、向こうはガードしながら攻撃してるんだ。相打ちにはならない」


 ガッ!! ゴッ!!


「クソッ、まるで片手と両手でジャンケンさせられてる気分だ。勝てないことはないけど分が悪すぎる」


 マスクの下で歯を食いしばるヒカル。


「どうする? あんまり時間もかけられない」


 実は光闘士ブリリアンには弱点がある。その1つが、変身していられる時間には限りがある、だ。

 その時間は約14分。ただし、これは光エネルギーの十分な供給がある場合。

 だから曇りの日や、夜などの、光量が著しく低い状況下の場合、変身時間は相応に減少する。

 今回の場合は夜、新月、街灯すらない路地と、供給される光量が最低レベルで低い。そのため、変身時間は3分にも満たない。


「とはいえ、今大技で決めに行くのはいくらなんでもな……」


 不利局面での必殺技は大概負けフラグである。回避、吸収、反射……大体ろくなことにならない。


「むぅ……」


 どうするか……? 間合いを取りつつヒカルは霊獣を観察する。


「……そうだ」


 ヒカルは走り出す。釣られて霊獣も走り出す。両者がみるみる近づく。


「はっ!」


 そしてヒカルは前方宙返り。


「見えた! ガラ空きだ!」


 その合間に霊獣に蹴りを入れる。

 ガードも無く、その蹴りは霊獣にクリーンヒットした。


「やっぱり虫は背中側から攻めるのが1番だな」


 大抵の虫は、背中側に手が回らない。どうやらこの霊獣もそうらしい。


「やっと隙が出来たな!」


 着地して素早く振り返ると、ヒカルは二撃目を与える。続け様に三、四と畳み掛け、おまけに五を与えようとしたが、それは爪で防がれ不発。

 しかも不運にも、そのガードでペースを戻した霊獣は、文字通り圧倒的な手数で逆にヒカルを圧倒。

 暗闇の路に8筋の火花が散り、ヒカルは外壁まで跳ね飛ばされた。


「ぐ……」


 ヒカルは身をかがめた。

 惜しいところまでは追い込めたがトドメを刺すには至らない。むしろ痛手を被った。


「せめて俺に、あと2本くらい腕があれば……」


 そう言ってヒカルは自分の腕を見やる。

 光の粒子が溢れ出す。


「まずい、タイムリミットが……」


 まもなく変身は解除される。そうなればもはやヒカルに勝ち目はない。しかもおそらく逃亡もできない。

「どうする……」


 最悪の事態が訪れる前に、今のうちに逃げたほうがいいのか?

 そんなことをヒカル考えて始めていた時、突如声が響いた。


「待て!」


 暗闇の中から1人男が現れた。


「これ以上好き勝手させるか!」


「お前……さっきの。なんで戻ってきた!」


 ヒカルが尋ねると、その男はヒカルの方を向いて毅然として言った。


「助けてもらったんです! 僕にはその恩を返す義務がある! それにーー」


 ジャージの男は右手を天に掲げた。


「この化け物を倒すのは、僕の使命でもある!」


 --スッッ--


 男はその手を顔を覆うように回す。


 --copy--


「!? その姿は!?」


 ヒカルは驚愕した。

 なんと、その男の姿もまた、寸分の狂いもなくブリリアンへと変わったのだ。


「どうして……?」


 困惑するヒカルをよそに、新たにブリリアンに変身した男は蜘蛛型の霊獣に殴りかかった。


「たぁぁああ!」


 威勢はいい。だが動きはぎこちない。

 どうやらヒカルと違って武術の心得はないらしく、せっかくの変身能力を十分に生かし切れていない。


「うっ……うわあ!」


 パンチを軽くあしらわれ、逆に向こうのパンチで情けなく吹っ飛ばされる。

 しかしそれでも霊獣の注意を引くには十分すぎた。


「ぬおお!」


 その隙に、ヒカルが霊獣の背後から手痛い一撃をお見舞いする。


「大丈夫か!?」


「これくらいどうってこと」


「……お前も参加者だったのか」


「ええ、一応」


 ヒカルに差し出された手を掴みながら男は答えた。


「マジか」


 ここでこんなにも早く他の参加者に出会うとは、ちょっと予想外だった。


「それにしてもコイツ強いですね」


「そうだなぁ、でもこれで手数は同じになった。もう条件は五分五分だ。

 まぁ……そっちが協力してくれる、ってのが前提だけど」


「しますとも。役に立てるかは怪しいですけど、たはは」


 頭をかきながら、男は申し訳なさそうに言った。


「大丈夫、さっきみたいにしてくれればそれで十分だから」


「了解です」


「……本当は囮作戦なんてやりたくないんだけど、いかんせん時間が……」


「いいんです。その代わり、約束してください」


「約束?」


「絶対勝ってください!」


「……いやお前も勝つんだよ! さぁ行くぞ!」


「はい!」


 2人は霊獣に向けて走り出す。


「たぁ!」


 先陣を切ってまずは男の方が殴りかかる。


「伏せろ!」


 呼びかけに応じ、男は素直に背中を丸める。

 ヒカルはその背中に手をついて、霊獣を揃えた両足で蹴った。さらに着地してからの後ろ回し蹴りも打ち込む。


「お前も使え!」


 ヒカルも背中を丸めた。

 男はそれを踏み台にして跳ぶと、霊獣の頭を蹴り飛ばした。

 霊獣は突きを繰り出すが、前に出たヒカルはそれを受け流して裏拳を打ち込む。さらに続けて男が1、2、3とパンチを打つ。

 そしてヒカルは後ろから霊獣を掴んだ。


「軽いな」


 力任せに霊獣を持ち上げる。そして地面に叩きつける。全身を強打した霊獣は、のたうちまわることも出来ず、符節をピクつかせる。衝撃は外骨格の弱点である。


「やりましたね」


「あぁ、あとはトドメを刺すだけだ」


 しかしちょうどその時。


「あ、変身が……」


 ヒカルの変身はリミットを迎え、光の粒子を散らしながらブリリアンから元の人間の姿へと戻った。


「あと一押しだったのに、間の悪い」


「どうするんです?」


「そうだな。よし、トドメはお前が刺せ」


「えぇっ、僕が! いいんですか? 僕が倒して?」


「うん。手を貸してくれてありがとう。俺1人じゃ勝てなかったし、勝てたのはお前のおかげだ。だから構わない」


 2人は霊獣に目をやる。


「わかりました。では僭越(せんえつ)ながら僕が……どうすればいいですか?」


「何が出来るかは知らんのか。そうだな、とりあえず右手を掲げて」


 ヒカルの指示通り、男は右手を掲げる。すると


「あ、なんか力というものを感じます」


「なら上手くいってるな。それで跳んで、思いっきり殴ってやれ!」


「はい」


 右手を構えると男は走り出し、夜空に跳んだ。

 そして落下しながら拳を振り下ろす。その拳が霊獣にめり込んだ。

 バコォォッ!!

 そして一瞬のうちに、その破片が飛び散った。


「…‥やりました。やりましたよ」


「フフ、これぞトワイライトドロップ。決まったな」


「はい」


 ヒカルが肩に手を置くと、男はマスクをしていても分かるほど喜んだ。


「これで撃破数1です」


「ハハ、それは良かったな」


「いやー、危うく脱落するところでしたけど、助かりました。まさか勝てるとは思いませんでした」


「うん……よく勝てた」


 素直に褒めると、男は照れくさいのか話題を変えた。


「それにしても疲れましたね」


 男は変身を解除し、ついでに伸びをした。


「……どうしました?」


 ヒカルがずっも見ていたものだから、男はキョトンとして尋ねた。


「俺は佐野ヒカル」


「あ、そう言えば自己紹介はまだでしたね。僕は上里テツリ、よろしくお願いします」


 男、改めてテツリはそう名乗ると、礼儀正しくペコリとお辞儀をした。

 そして顔を上げると、テツリは思いついたように言った。


「そうだ。こんなところで立ち話もなんですし、僕の家行きません?」


「家か……」


 悩ましいところだ。ついていくのも悪くないが、少し申し訳ない。


 しかしそんな風にヒカルが悩んでいると、テツリが付け加えた。


「ご飯もベットもありますよ」


「よし行こう」


 それは強い。

 ご飯とベットの魔力魅入られ、ヒカルは付いていくことに心を決めた。


「では行きましょう、ヒカル君。多分歩いて10分ないですから」


「へいよ」


 やがて2人の男は、笑いながら夜の闇へと消えていった。これもいつか思い出に変わる時が来る。決して忘れられなくなる思い出に……。





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