アインテル王国
円卓を囲んで座る6人
各々が違う表情している、ある者は笑顔、ある者は険しい顔、ある者は悲しい顔、ある者は感情がない顔、ある者は怒りに満ちた顔、ある者は真面目な顔
そこで1人の男が立ち上がり怒鳴りたてる
「では!あのシュルメ大森林で起きた爆発をどう説明する!あれは明らかに魔族の仕業だ!即刻魔族に戦争を仕掛けるべきだ!」
「静かにしないかマイン殿、私の隊で調査した結果あれは人間の魔法だと判明した。魔族ではない」
「あぁ、あぁ、酷いなぁ...悲しいなぁ...森の動物達が死んじゃったぁ...」
「だっはっはっ!そう泣くでないシュルツ君!あれは魔物だ魔物!死んで当然なのだ!がーはっはっ!」
「魔物が死んだ?そうか、人が死んでないならいいだろう。まぁ人が死んでもどうでもいいけど」
「ふん、話は変わらない。人間でも魔族でも壊滅級魔法の使用を確認したのだ、使用者を見つけださなくてはならない、これは変わらない。ライツ魔法騎士隊長殿?貴殿は調査したと言ったな?手を抜いているのではないのか?使用者を見つけ出さないで何が調査か!前々から思っていたのだ貴殿はだらしな」
「がっはっは!いいではないかそんな険しい顔するなシュメール君!ライツ君も頑張ったじゃないか!それでいいんだ!だーはっはっ!」
「私の発言遮らないでいただきたいクルツ剣聖!貴殿は声の大きさを抑えられないのかね!」
「....わかりましたよ。再び私の隊に調査させます」
「ならん!貴殿も同行したまえ!」
「えぇ、はい、わかりましたよ」
真面目な顔をした者、ライツはため息混じりにそう言うと、円卓を後にした。
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「グゥゥウ!ガァァ!」
「ハッ!よし!食料ゲット!」
あれから1ヶ月
魔法の制御、力の加減を訓練し
上手いこと動けるようになった。
能力も大幅に変わったな
(アビリティ)
名前:クサカベ・シンヤ
年齢/種族/性別 : 19/不明/男
レベル:2487\∞
HP:測定不能
MP:測定不能
STR:測定不能
INT:測定不能
AGI:測定不能
DEX:測定不能
スキル:器用(極)・鑑定(極)・体術(極)
成長力促進(極)・経験値50倍・剣術(極)
異世界人・五大元素魔法(極)・縮地(極)
苦痛耐性(極)・限界突破(極)・料理(極)
隠密(極)・魔法耐性(極)・疲労体制(極)
毒耐性(極)状態異常無効・魔力感知(極)
威圧(極)生活魔法(極)気配察知(極)
回復魔法(極)魔力制御(極)
この世界に来て退屈がない
毎日が楽しくて仕方がない
だけど...そろそろ人と話したいな...
【気配察知に反応あり】
魔物か?血の匂いに誘われたか...今日は腹いっぱい食えるな...!?人!?
「キャッ!じぃじ!」
「アンナお嬢様!逃げるのです!」
「嫌です!じぃじは置いていきません!なんで...なんでこんな所にオーガが...!」
助け...なきゃいけないよな
「グウォアアア!」
「じぃじ!」
火魔法でいいか、被害を最小限に...初級魔法で!
「グ、グォアアァァア!?」
「大丈夫?」
「えっ?はっ!はい!でもじぃじが!」
これは酷いな、肺が潰れてる
神級回復魔法を使うか
「うっ...これは...オールケア...!?」
これで一安心だな
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「助けて頂きありがとうございます!私はアンナ・オリテーゼと申します!」
「助けて頂き感謝致します。私はアンナお嬢様に使える執事、セバル・リューテルと申します。」
「無事で何よりだ。俺はシンヤだ、所でなんでこんな所に?」
老人と女の子がこの森に来るなんて危なすぎる
なにか理由があるはずだ
「私のワガママなのです...魔法学校に通っているのですが、成績が悪くて...修行をしたく魔の森に来ました。」
ほう、魔法学校...それは興味深い
この世界にも学校というものはあるのようだ
「それにしてもシンヤ殿、貴方は相当な手練と見ました。王宮魔法士様なのですかな?」
「いや、ただの...えっとただの旅人だよ」
「ほう...神級回復魔法を使う旅人ですか...これまた珍妙」
「いやいや、ちょっと魔法が得意なんだよ」
【スキル【詐術】を獲得】
【スキル【成長力促進】により【詐術】のスキルレベルが最高値へ到達】
「なるほど、魔法が得意なのですな」
【詐術】...なんか罪悪感を覚えるな
「シンヤ様!でしたらアインテル王国に来ませんか?旅をしているのなら寝るところも必要でしょう!」
「いや、それはえんりょ...よし、ついて行こう」
そうだ、もう力の加減も覚えた
魔法の制御も効くようになった
なら、今後の目標を変えなきゃいけないな
「良かったです!ではついてきてください」
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ここがアインテル王国...凄い城壁だ
東京タワーぐらいか?
「身分証を」
持ってないぞ...?どうすれば...
「アンナ、実は身分証を落としてしまってね、どうすればいいかな」
【スキル【詐術】の使用を確認】
いちいち言わなくなっていいじゃないか
これを使う度に嫌な思いをしなきゃ行けないのか
「でしたら冒険者カードで大丈夫ですよ!」
冒険者カード?ギルドがあるのか
「いや、俺は冒険者ギルドに入ってないんだ」
「えぇ!?あんなお強いのに!?」
「あ、あぁ。どうすればいい」
「でしたら仮身分証を発行しましょう。シンヤ殿、こちらへ」
「助かるよ」
思いのほかしっかりしているんだな
身分証があれば身分を証明できるのは当然だが
異世界に身分証の概念があったのが驚きだ
それほど進んでいるってことだな
「私の友人だ、身分証をなくしたらしい、仮身分証を発行してくれんか」
「こ、これはセバル様!ただいま発行致します!この水晶に手をかざしてください」
セバル様...身分が高いのか?
兵士が嫌に緊張している...それほどの人なのか?
「これは?」
「これはラプラスの眼と言われています。人を殺したり盗みをしていたら赤に、何もしていない場合は青に光ります」
「魔法具...?」
「よくご存知で」
手をかざすと青に光った。
当然で盗みも人も殺してないのだから
「名前はシンヤ・クサカベ様でよろしいですね?」
!?
名前もわかるのか!
アビリティは見られて...ないようだな
俺のアビリティを見たら驚くはずだ
だが兵士は平然としている。どうやら能力は分からないらしい
「ネーム持ち...シンヤ殿は貴族なのですか?」
ネーム持ち?苗字のことか?
「いや、俺の故郷ではみんなネーム持ちなんだ貴族でもなんでもない。強いていえば平民だ」
「なるほど、そんな国があるのですね。羨ましいですな」
「羨ましい....とは?」
「私たちアインテル王国では貴族呑みがネーム持ちなのです。ネーム持ちは言わばブランド、それをかざして私利私欲に動く貴族が多いのですよ」
「なるほど、だから羨ましいと」
「えぇ、さぞかし平和な国なのですな」
「そうでも無いですよ、争い事は多い所です」
「これが仮身分証になります。商業ギルドか冒険者ギルドにて登録をすると身分証として扱われます」
「ありがとう、助かったよ」
「アインテル王国へようこそ!」