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器用という物は凄いんです。  作者: ユニコーン
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プロローグ

『中学生に戻りてぇなぁ!』

『いや、俺は高校生に戻りたいわ』


駅のホーム、改札口から出るとそんな会話が聞こえる。そんな会話に俺は哀れみを覚える。

学生なんていい事ない。まぁそりゃごく一部の人なんだがな。俺は人生に飽きていた。努力をしたことがなかった。


『なぁ日下部、テニスの相手してくれよ』

『え?いいけど、俺初心者だよ』

『いいよいいよ、ちょっと腕暖めるだけだし』


本当に初心者だった。

テニスなんてやった事もなかった。


『は?お前初心者じゃねーの?』

『え?うんそうだけど?』

『なんで...俺よりうめえんだよ』

『お、おい?木村?』

『うるせぇ!もういい失せろ!』


訳が分からなかった。

お前が相手してくれって言ったんじゃないか

なんで怒られるんだ?


人より上手いとダメなのか...?



俺は幼い頃から器用だった。

成長する事にその器用さは増した。

サッカー、卓球、バスケ、陸上、水泳、etc


その度に嫌われ、親にも相談した。

親は気付かせてくれた。


どうやら俺は何をするにもすぐに上手くできてしまうらしい。


だから俺は本気を出さないことにした。

それでも高校生になると自分の意図しない内に他人を追い越してしまうようになった。


その度に罵倒され、その度に嫌われ、疲れた、飽きた。


『おめぇなんか死ねばいいんだ』


そうだ...死ねばいいんだ。

死ねばこの気持ちは楽になる


俺はバスにのり、廃ビルに向かった。


高い。怖い。


「だけどもう」


『死ね』『気持ち悪い』『馬鹿にしやがって』


「飽きた。」



落ちる。



これが走馬灯...?ろくなもんじゃないな

嫌な思い出ばっかじゃないか

なんでこんな世界に生まれちまったんだろう





『つまり君は.....生まれる世界を間違えたわけだ』


「え?」

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