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剣の稽古⑦

 そういえば、実戦形式で剣の稽古をするという話はどうなったんだろうか。

 闘気術の話を切り出して、脱線させてしまった俺が言うのもなんなんだけども。

 

 少し元気が無いレインに、積極的に話しかけているノエル。


 俺もレインに話しかけて、元気が無いレインを励ましてあげたいという気持ちはあるんだけど、レインの元気が無くなった理由を察するに、俺が何か言うのは完全に逆効果な気がするんだよな。

 当の本人からじゃ何を言われても嫌味にしか聞こえない時ってあると思うし、俺がレインの立場だったらと思うと、俺から何を言われても素直に受け取れないと思うし。


 そんな事を考えれば考えるほど、レインにかける言葉が思い浮かばない。

 どうしようか、今日の剣の稽古はこれで切り上げた方がいいんだろうか。

 

「次は実践形式で、っていう話だったけど、どうする?

 今日はもう辞めておく?」


 ずっと待ってても仕方ないので、勇気を出してレインに話しかけてみた。

 

「そうね、こういう時こそ身体を動かした方がいいのかも。

 それにいくら闘気術を会得したからって、剣の腕までいきなり上達するわけでもないし。

 いいわ、私が稽古をつけてあげる」


 そう言うと、レインはノエルから離れて、俺の方を向いて木剣を構えた。

 レインの構える姿を見ながら、俺も木剣を構える。


「あ、セイヤ、もちろん闘気は使っちゃダメ……」


「もちろん、闘気を使って戦う練習をしないとダメですね。

 だって実践で闘気を使わない事なんてありませんし。

 レインさん、実戦形式で練習されるってお話でしたよね?」


 レインが『闘気無しの練習』と提案しようとしたところに、ノエルが『闘気を使う練習』という提案を被せてきた。


「そうね、セイヤは闘気ありでいいわよ。

 私は闘気無しでやるから。

 これで丁度いいハンデになるでしょ」


 剣を握って闘志が沸いてきたのか、少し元気が出てきたように見えるレイン。

 

「そうですね。

 剣の才能が無いらしいセイヤさんが、剣の才能のあるレインさんとどこまでやれるのか楽しみです。

 まさかレインさんが、素振りをしとかなきゃいけないレベルの素人に苦戦するハズありませんよね?」


 にっこりと笑うノエル。


 うん、今だから少しサラの気持ちが分かる気がする。

 ノエルさん、腹黒い所があるような気がするよ。

 俺とギルバードさんの前では全然そんな素振りを見せなかったから分からなかったけど。


 サラとかレインがいる前では、隠しきれていない部分が見え隠れしているような気がする。

 

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