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ノエルという女⑭

「そうですね、それでは二人きりで落ち着いてお話しましょう。

 それでは、お二人方、さようなら。

 辺りも暗くなってますし、お気をつけてお帰り下さい」


 バタン。


 ノエルは開けていたドアを勢いよく閉めた。

 そして、入り口のドアの内側に付いている金具みたいなので、内側からロックした。

 このドア自体に鍵は付いてないんだけど、内側からドアをロック出来るのか。

 鍵と呼べるほどの代物ではないかもしれないが、効能としては鍵に近いものがある。

 内側からしかロックできないけど。


 やはりこの村の人達でも、寝てる時ぐらいは施錠しておきたいと思ったのだろうか。

 それか、この家に泊まる客の為に後から付けられたのかもしれない。


 ドンドンドン。


 外からドアを開けようとした後に、ドアを叩くような音が鳴り響く。


「ちょっと!

 あけなさい!」


 レインの怒声がドア越しに聞こえる。


「どけ!レイン!

 私の魔法で扉ごとぶち破る」


 サラが、ぼそっと凄い事を呟いたような。


「ノエル!セイヤ!

 はやくここを開けなさい!

 じゃないと、サラがこのドアごとぶち壊すわよ!」


 レインの怒声が、室内まで響いて来るのを聞きながら、ノエルは家の入り口のドアを背にこちらを向いて苦笑していた。


「ほんと、野蛮な人達ですよね。

 困った時は、暴力に頼ればいいと思っている。

 セイヤさん、私が理不尽な暴力に身を晒されようとしていますよ?

 ちゃんと私を守ってくださいね」


 そう言って、俺に微笑みかけるノエル。

 いや、今のは二人を煽って、一方的に対話を遮断したノエルにも非はあるような。


 俺はノエルの傍まで、近付き、ノエルを真正面に見据える。


「避けられる争いは、極力避けるべきだよ。

 それに、彼女達は君の敵というわけじゃない。

 さっきまで一緒に同じ食事をしていた仲間じゃないか。

 君が困ったとき、俺と同じように命の危険を侵してでも助けてくれる仲間達に、冗談でもそんな事は言っちゃダメだよ」


 ノエルをそう諭して、ノエルをドアの前から移動させる。

 元から抵抗する気も無かったのか、素直にドアの前から移動するノエル。

 俺は、ドアの内側に掛けられていたロックを外して、ドアを開ける。


「はやくあけなさい!

 あけないと酷いわよ!」


 ドアを引っ張って、こじ開けようとしていたレイン。

 俺が急にドアを開けたことで、バランスを崩したのか、後ろに向かって吹っ飛ばされるような形で、こけてしまった。


 ちなみに今のレインの服装は、ミニの黒いスカートに、上は黒いジャケット。

 ミニのスカートを履いたレインが、その太ももとスカートの中身をこちらに見せる形で転げている。


 しかし、辺りは薄暗く、家の中のランプと、サラ達が持ってきているランプの薄暗い光で照らされている状態。

 しかもレインは黒のスカートだったので、スカートの中までは窺い知れる事が出来なかった。


 その後、すぐにレインは自分の状態を察したのか、股を閉じながら手で隠し、恥ずかしげな表情で動転した様子でこっちを見ながらすぐに立ち上がった。


 うん、俺は見てないよ、暗くて見えなかったからね。


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