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魔法パック開封と決意

 サラとレインは手続きがあるらしく、見張りに連れられて建物の中に入っていった。

 俺はどうするか聞かれたけど、冒険者登録もしてないし、ここで待っておくと言ったら、二人ともその方がいいとすんなり受け入れてくれた。


「セイヤ、念の為に言っておくが、セイヤが転生者であることは他の人間に言わないほうがいい。

 役人とかには尚更の事」


「そうよね……。

 ただの転生者ならいざ知らず、セイヤはマスタークラスの才能の持ち主だもの。

 それも飛び切りの……。

 役人に知られたら面倒な事になるわよ、きっと」


 こんな感じで二人には、俺が転生者であることは他言しないように念を押された。

 確かに、国にバレても良いヴィジョンは全く無いんだよな。

 身体能力が無く、魔法の才能だけはあるとか、監禁されて人体実験の被験者にされるまである。

 ギルザバードの国情がどうなのかは分からないけど、慎重に行動するに越したことはないだろう。

 どんなところでも組織が大きいと悪いやつや怪しいやつも出てくるものだし、今の俺じゃそんなやつに目を付けられただけでアウトだ。


 さて、ここまで一時間近く歩いてきたわけだし、そろそろMPをDPに変換しておかないとな。

 少し道から逸れて、建物からの視界外に出てから携帯端末を取り出して画面を開く。

 時間は12:42か。

 MPは38/49でDPは346。

 MPの最大値が1だけ上がったか。


 とりあえず、いつものようにMPが5だけ残るようにしてDPに変えておくか。

 MPを端末に注ぎ込み、MP33をDP330に変換する。

 MPの残量が5になった事で、かなり精神的な疲労感を覚える。

 今日の朝が濃密だっただけに、かなり精神的にきついな。

 一時間ちょい前にサラの前で変換した時よりも断然辛いぞ。

 早く寝て休みたい気分で一杯になる。


 しかし、これでDP676、魔法パックが一個買えるな。

 これから戦闘に入るんだろうし、何が起こるか分からないから魔法パックに変換しておこう。


[> 簡易型魔法カードパックvol.1 (全40種) 500DP


 購入確定。

 具現化して開封。 


水の球(ウォーターボール)

土の矢(アースアロー)

落とし穴(アースホール)

小解毒呪文(ライトアンチポイズン)

神聖小光弾(ホーリーボム)


 お、Bランクカード2枚か、そこそこだな。

 落とし穴(アースホール)神聖小光弾(ホーリーボム)が初めてのBランクカードだ。

 二枚とも効果は文字の通り、落とし穴を作る魔法と、光属性の攻撃魔法みたいだ。


 なんか眠気がするな。

 やばい、かなり眠い。

 MPが枯渇しかけると、眠くなるのかもしれない。

 MP5まで大丈夫だったから、今回もMP5まで減らしてしまったけど、精神的な疲れに応じてMPは残しておいたほうがいいのかもしれない。

 ずっと気を張り詰めてたけど、一時間のんびり歩いて完全に気が抜けてしまったというのもあるのかもしれない。

 魔物も出てこなかったし、サラとレインが隣にいるという安心感があったからなぁ。

 俺は大きく口をあけて欠伸をしつつ、携帯端末をポケットにしまい、建物からの視界に入る位置で二人が建物から出てくるのを待った。

 時間がかかりそうだし、そこらへんに座って待っておくか、丁度いい具合に大きな石があるし、あそこに座って待とう。


 しかし、遅いな。

 何分経った。

 端末の時計を見ると、12:58。

 20分近く待たされてるぞ!


 いかんな、眠気でストレスも溜まっているのかもしれない。

 落ち着こう。

 そうだ、あんな美人と一緒にいるんだ、それだけで幸せなはずじゃないか。

 あんな美人二人と一緒にいれるだけで喜ぶべき、少しぐらい待たされたって何だっていうんだ。

 けど、明日はセイの村を出て行くことになるわけだし、あの二人ともお別れか。

 会ってまだそれほど経ってないけど、別れるとなると寂しいものがあるな。

 けど、相手はC級冒険者、俺の才能はまだしも現時点での実力は最底辺のFだろう。


 強くなろう。

 そして、強くなって俺がC級冒険者になる時がきたら、その時は改めて俺の方から二人のパーティに入れて貰えるように頼もう。

 サラやレインのように固定PTというわけじゃなくて、実力の近い人間が組んで一緒に戦うという意味のパーティでさ。


 レインのあの誘いは本気じゃなく、冗談交じりの勧誘だったのかもしれないけど、日本でずっと『ぼっち』だった俺にとってはとても嬉しい言葉だった。

 二人の足を引っ張る関係でも無く、アイテムボックス持ちとか実力に関係無い要素で求められるのじゃじゃなくて、あの二人の関係のようにお互いに肩を並べて戦える本当の仲間という意味で。

 

 今じゃ二人と肩を並べて戦うなんておこがましいレベルの弱さだけど、いつの日か二人に絶対に追いつく!

 その日まで、ずっと地道に鍛錬しよう。

 そして強くなるんだ!

 

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