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魔の森④

 マゼンが魔除け魔法を張りながら馬車は何事も無く走り続ける。


 魔除けの魔法で魔物に襲われにくい状況とはいえ、魔物の少ない街道などとは違い、魔物が沢山いる森、魔の森を進んでいるので、いつ魔物に襲われてもおかしない状況だ。

 

 馬車の中の張り詰めた空気が、更に緊迫感を増している感じがする。


 ブゼンとレインは武器を片手に、何かあればすぐにでも飛び出せるよう身構えている。

 

 サラはフードを深く被ったまま俯いている。

 サラの体勢は今までと同じだけど、魔の森に入ってから違う所が一つある。

 それは、ゆったりとしたローブの生地の上に、黒い箱状のものを置いて、それを手で握り締めているという点。


 小さな箱状の長方形状の黒い物体。

 六面体というべき立体物。

 俺は、それが何なのか良く知っている。


 こう説明した方が分かりやすいだろうか。

 あれはカードケースである。

 

 セイの村で、魔力を通しにくい素材で加工して作ってもらったものだ。

 俺も同じものを腰のベルトに固定して取り付けている。

 黒いカードケースの中には、使い捨ての魔法カードが入っている。

 アイアンカードと呼んでいる魔法カードだ。


 この世界の魔法を学んで、鍛錬を積んで分かったことがある。

 魔法カードの性能は、この世界で破格であるということ。


 MP50で、アイアンカードの魔法カード5枚と交換する事が出来る。

 つまり、MP5で、使い捨ての魔法カード一枚を手に入れる事が出来るという事だ。


 この世界の魔法でもMP5あれば攻撃魔法は使える。

 しかし、詠唱魔法じゃないと魔法が完璧に発動するわけじゃないし、燃費も威力も術者の腕、ひっくるめて言えば魔力に影響される。


 魔法カードを使えば、無詠唱で確実に魔法が発動するし、威力や射程なども詠唱魔法と違い操作し易い上、使い手の魔力に応じて魔法の効果も増す。

 また、Aランク以上のカードも結構な確率で出るので、MP5で、この世界のMP500や1000以上使うような大魔法を使うことが可能なのだ。


 セイの村で、ひたすら最大MPを上げる修行や、最大MPを上げる為に必要な事を模索し試し続けた結果、今の俺の最大MPは2000を超えている。

 全てのMPをアイアンカードに変えれば、400枚枚分。

 つまり、Sランクを含むかもしれない400回の魔法を撃てる計算になる。

 カードは事前に交換しておけるので、正直一回の戦闘で魔力切れで魔法が撃てないという心配はまず無い。


 修行サイクルで、昼間や起きている間に闘気術や、この世界の魔法、主に回復魔法や探査などの補助魔法にMPを費やし、所用などで修行をせずにMPが溢れそうな時や、寝る前に余ったMPを魔法カードに変えまくっていた結果、自分でも枚数が分からないくらい魔法カードのストックが出来てしまった。


 魔力が上がったせいか、vol.1の魔法カードをコンプリートしたせいか、それとも規定の交換回数を超えたせいか、理由は確定しないけど、魔法カードを交換しまくった結果、今ではvol.3までのパックを引くことが出来る。


 vol.1の魔法パックは攻撃主体の魔法カードだったけど、他の弾では様々な種類の魔法カードが入っていた。

 その中でも特筆すべきは、防御系の魔法カードだろう。

 

 防御系の魔法カード。

 これは、この世界においてチートとしか思えないような性能を持っている。


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