31章:日常に終わりはない
魔王軍の襲来から1週間が過ぎた。結果から言うと、魔王軍との戦いは辛くも勝利した、らしい。
あの避難所で寝て起きた時には全てが終わっていた。目が覚めた時に最初に目に入ったのが喜び叫ぶ人たち。
それからすぐに地上に戻され寮に帰らされた。その時にまだ危険だからと集団で下校する事になった。
この年になって集団下校を経験するとは思わなかった。ま、親しい人はいないからひとり静かに帰ったんだけど。
そんな事はさておき。戦いの結果をもう少し詳しく言うと、魔王軍は首領及び幹部数名を失い壊滅した。
こちら側の被害は、国軍から数え切れないほどの戦死者が出た。他にはSクラスからも死者が出ている。
その事もあって学校は1週間の休校となった。そもそも学園武闘祭が終わった後に数日の休みが予定されていた。それが早まっただけだ。
休みの間は普通に過ごしていた。ギルドで依頼を受けたり、寮でのんびり過ごしたり。
魔王軍が現れたのは国外の開けた場所だった為に国内に被害はほとんどない。運が悪い所は屋根が少しへこんでたりしたけど。数えるほどだ。
そして、休みも終わり今日から学校だ。登校するにはまだ早い。これから日課の素振りをしようとしていたところだ。
鉄刀を握りしめ素振りを始める。10回も振らない内に部屋にベルが鳴り響いた。
この音、昔のドラマを見ていた時に聞いたことがある。確か、これは黒電話の着信音だ。
廊下に目を向けた。ソレはこの部屋に来た時からあった。廊下の一部を占拠する古めかしい電話機が。
その電話機が自己主張するように鳴っている。ったく、こんな朝早くに誰だよ。俺は受話器を取った。




