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21章:夏休みの出来事⑤―1

ピンポーン。


朝食を食べ終わりのんびりお茶を飲んでいると、インターホンが鳴り来客を知らせた。


湯呑を机に置いて玄関に向かう。俺を訪ねてくる可能性がある人は片手で数えられるほどしかいない。


嫌な予感がしつつものぞき穴から外の様子を伺う。ドアの前には見知った人が立っていた。


開けたくない。正直言って開けたくない。が、開けないと帰ってくれそうにない。


ドアチェーンをかけてドアを少しだけ開けた。


「何か御用でしょうか?」


「よっ、マコト君。海行かねぇか?」


四方が俺の声に被せて話しかけてきた。しかも、有無も言わさぬ物言いだ。これだから開けたくなかったのに。


「私は五十嵐麟児ですよ、いい加減覚えてください。それと、海には行きません」


出来るだけ心を落ち着かせて訂正と拒否をする。これで引き下がってくれると助かるのだが…どうだ。


「ほら、言ったでしょ。誘ってもこないって。ごめんね、突然押しかけちゃって」


ちょうど死角になる場所にいたサユリさんが目の前まできて謝ってきた。


「いえ、気にしないでください。それでは」


ドアを閉めようとしたが、途中で止まり閉められなかった。下を見ると四方が足を挟み込んでいた。


「まぁ、待てって。…ここだけの話しな、サユリの奴が来て欲しがってるんだ」


四方が顔を近づけ声を潜めて言ってきた。ただ、哀しいかな。その情報は何もプラスにならない。


顔を少し動かして四方の顔越しにサユリさんの様子を見た。サユリさんは所在無げに立っていた。


「そうなのですか。大変喜ばしい事ではありますが、やはり行けません。この夏が稼ぎ時なので」


ドアノブを握る手に力を入れて閉めようとした。が、ドアはびくともしない。


閉める事に必死になっていると、四方が手を間に入れて無理やり開けた。


「稼ぎ時って金に困っているのか?だったら、マコト君の一週間を言い値で買おう」


「はぁ~~~……何でもお金で解決できると思わないでください。それと、人の名前を覚える気もない人とは一緒に過ごしたくありません」


俺の言葉に怯んだ隙を見逃さず勢いよくドアを閉めた。朝から気分が悪くなった。


クロ達に癒してもらおう。ドアに背を向けた所でまたインターホンが鳴った。


また四方だろう。今日はもう顔も見たくない。無視してリビングに戻る。


クロ達は各々のんびりとしていた。俺は一番近くにいたウサ子を抱き上げて、ウサ子の背中に顔を埋めた。


一通りみんなをモフモフしてから着替えた。どんなに気分が落ち込んでいても稼がない訳にはいかない。


最後にコートを羽織って玄関のドアを開けた。ドアは途中でゴンッと音をたてて止まった。


チェーンはちゃんと外した。ならば何かにぶつかったかと、目線を下げた。そこには土下座をしている四方がいた。


頭にドアをぶつけてもなお微動だにしない。勢いが強くて気絶でもしてしまったか。


「あの、大丈夫ですか?」


「すまなかった!いくら知り合いに似ているからって失礼な事をしてしまった!」


四方は頭を床に擦り付けながら謝った。突然の事に面食らった。四方でも素直に謝る事があるんだな。


「あぁ~~…反省しているようですし、もういいですよ。頭を上げてください」


そしてそのまま帰ってくれるとありがたい。が、俺の思いとは裏腹に四方は動こうとしない。


「俺が頼める立場じゃないなのはよく分かってる。でも!一緒に海に行ってくれないか?サユリが本当に笑顔になるのは五十嵐君の話をしている時なんだ!頼む!」


「あぁ、もう、分かりましたよ。海でもどこでも行きますから。早く立ち上がって帰ってください」


「本当か!ありがとう!じゃあ、3日後にまた来るから。1週間分の用意をしておいてくれ。あ、水着も忘れずにな。それじゃ」


四方は早口で言うとさっさと帰って行った。もう、どうでもいいや。


四方の訪問から3日が経った。つまり、今日は海に連れて行かれる日だ。これだけの為に買わされた水着を思うと腹が立つ。


だが、今更行かないと言うのも色々な所に迷惑がかかるだろうから言えない。


四方はまだ来ないようだから、ボックスの中に入れた荷物を確認する。


着替えの他に万が一の事を考えて非常食をひと月分入れておいた。連れて行かれるのが絶海の孤島である可能性は否定できない為だ。


不備がない事を確認し終わると、丁度いいタイミングでインターホンがなった。


寝ていたトラを起こして玄関に向かった。相手を確認しないでドアを開けた。


「うおっ」


ドアの近くに居たらしい四方が驚愕の声を上げた。


「あぁ、すみません。お怪我はありませんか」


「大丈夫。それよりも、準備はいいか?」


「はい」


「じゃあ行こうか」


先を歩く四方に無言でついて行く。クロはいつもの位置でだらけていて、ウサ子は俺の隣を歩くトラの背に乗っている。


ごく自然に連れてきたけどクロ達も一緒に行っても良いのだろうか。ダメだったら帰りたいのだけど。


四方は何も言ってこない。コレは連れて行っても良いと言う事だろうか。それとも、ただ単に気づいていないだけなのか。


気づいていないのであれば好都合だ。こちらからは特に言うことなく寮を出た。


寮の前にはすでに人が集まっていた。顔ぶれは四方とよくいる人たち、の中に1人だけ知らない人がいた。


その人は真夏だと言うのに長袖のメイド服を着ていた。四方は普通に輪の中に入っていた。


「わりぃ、待たせたな。みんな知っているとは思うが、五十嵐君が参加してくれる事になった。…って、エイダは知らなかったな」


四方がメイド服の人に向かって言った。エイダと呼ばれた人は輪の中から抜け出して俺の方に歩いてきた。


そこで初めてその人の顔をしっかりと見た。最初に、肌の色がこげ茶色だった事に驚いた。この場合は褐色と言った方がより的確か。


次に耳も尖がっているのに気づいた。エルフだ。いや、肌が褐色だからダークエルフか?


「ひさしぶり。わたしはエイダ・メイブ。気軽にエイダと呼べばいい」


エイダさんが自己紹介をしてきた。最初におかしな事を言っていた気がしないでもないけど。


「ぇえっっと…初めまして、五十嵐麟児です。よろしくお願いします」


聞かなかったことにして俺も名乗った。俺の自己紹介を聞いたエイダさんは渋い顔をしていた。


「初めてじゃない。あったことがある。それも最近」


そんな事を言われても思い当たる節がない。一体どういう事だ…


【ファミチキください】


【こいつ直接脳内に・・・!……じゃなくて、どう言う事だってばよ】


クロが突然念話をしてきた。クロなら知っているだろうとエイダさんの事について聞いてみる。


【この人は、この前奴隷市場の向かい側の檻に一人だけ収容されていた人です。私達が帰った後、マスターが奴隷市場を気にされるかと思い、四方を入れ替わりで送っておきました】


あぁ…そう言えばいたな、よく見えなかったけど。アレがこの人だったのか。


で、この人がここにいるのは四方に助けられたから、と。


【それは分かったけど、どうして俺がいたって知ってるんだ】


【エルフは夜目が利きますから】


クロは端的に答えた。夜目が利くって、暗くてもものが見えるとかそんな意味だったよな。なるほどね。


「う~~ん……思い出せないですねぇ…すみません。もしかして、街ですれ違ったことがあるとかでしょうか?」


取り敢えずは恍ける。面倒臭い事は嫌いなんだ。諦めて元の輪に戻れ。


「ちがう。そっちが覚えてないのも分からないでもない。暗かったし。でも、助けられたのは事実。礼を言う」


「私がメイブさんを助けたと言う事でしょうか?やはり間違いでは?あまり大きな声では言えないのですが、最近人助けをしていないので」


エイダさんの顔が一層不機嫌なものになった。が、何かを言ってくる様子はない。


「おし、じゃあ行くか」


俺とエイダさんの間に微妙な空気が流れる中、四方が大きな声で言った。助かった。


俺はすぐさまエイダさんから離れて四方達について行く。やっぱり来なければ良かったかなぁ…


早くも来たことに後悔しつつも目的の場所へと進んでいった。


着いたのは馬車屋だった。てっきり転移で行くのだとばかり思っていたが、意外にも原始的な方法で行く様だ。


四方が御者と一言二言会話すると、並んでいる馬車の中でひと際大きな馬車に乗る様に言ってきた。


金があるやつは乗り物も違うねぇ。みんなが乗り終わるのを待ってから俺も馬車に乗った。


中は見た目以上に広かった。俺を除いて既に8人乗っているのにまだ余裕があった。


それも、椅子だけの質素な造りではなく、ソファーやテーブルだけに留まらず、ティーセットまで用意されていた。


昔テレビで金持ちが乗っているリムジンにドリンクサーバーが備え付けられているのを見た事がある。


雰囲気としてはソレに似ているが、広さはこっちの方が断然広い。飲み物は紅茶かコーヒーしかない様だが。


この広さは全て魔法のなせる業なのだろうか。改めて魔法の反則的な力に驚かされた。


全員が乗り終わりしばらくすると馬車が動き出した。みんな思い思いにくつろいでいる。


俺も窓の近くのソファーに座って外を眺める。馬車はそれほど速くなく、景色がゆっくりと後ろに流れていく。


いつも忙しなく生きているから、たまにのんびりと過ごすのも悪くないと思える。『1人』だったらな。


「フゥーー…フゥーー…ハハハ!これはいいトレーニングになるな!!」


「あ!それはボクが食べようとしてたお菓子じゃないか。返せ!」

「いやだね。ボクが先にとったんだからコレはボクのだ」


「ゴホ、ゴホ……ギボヂワルイ…ウェ…」


「はぁ~~…トラが増えてるぅ…頼んだら触らせてくれないかなぁ…」


「サユリ、紅茶を淹れたんだが飲まないか?」


「いらない」


うるさい。やっぱり旅は1人で静かに楽しむのが一番だな。仲がいいやつだったら何人いても楽しいだろうが。


トラを撫でながら外の景色を楽しむ。四方達の声を気にしないように努めながら。


馬車の揺れと窓から差し込む暖かな光、それからさっきまで煩わしかった四方達の声。


全てが眠気を誘ってきた。睡眠時間はちゃんと確保したんだけどなぁ…


そう思っても、下がってくる瞼を押し上げるほどの力は残っていなかった。


「―――きて、起きて、五十嵐君!」


身体を揺さぶられて意識が浮上する。寝ていたのか。頭を上げると近くにサユリさんがいた。


起こしてくれたのはサユリさんのようだ。俺が起きたのを確認すると先に馬車を降りてしまった。


俺は立ち上がって身体の凝りをほぐす。変な体勢で寝ていたから身体の節々が痛む。


腰を捻りながら周りを確認した。馬車の中は俺とクロ達だけだった。


サユリさんも降りていたし目的地に着いたのかな。寝起きで働かない頭で考えながら馬車を降りた。


外は平原だった。海は近くにない。どう言う事だ。少し離れた場所で四方達が集まって座っていた。


サユリさんが俺の方を向いて手を振っている。近くまで行くと美味しそうな匂いが漂ってきた。


みんなが円になる様に座っている中央には色々な料理が並んでいた。あぁ、昼食休憩か。


納得したところで空いていた場所に腰を下ろした。料理から目を離して前を向いた所で1人増えている事に気づいた。


ブロンドの短髪の上に浮かぶ輪っかや、背中に生えている翼から天使だと言う事は分かる。


そして、この場にいる可能性がある奴も俺は知っている。ソイツは表向きは四方の使い魔となっている奴。


山田だ。


「ん?どうした?……あぁ、こちらはセラフィム様だ。一応俺の使い魔をしてくださっている」


俺の視線に気づいた四方が紹介してくれた。言葉遣いが気持ち悪い事になっていたが。様ってなんだよ…


「……セラフィム…」


「ああ、凄いだろ。あの天使の中で一番偉いと言われるセラフィム様が使い魔なんだぜ」


四方が俺の呟きに耳聡く反応して自慢してきた。セラフィムは階級で、本名がちゃんとある上に苗字が山田だと言う事すら知らないくせに。


横にいる山田も露骨に嫌そうな顔をして四方を見ている。四方はその様子に全く気づいていない。


そんな四方に呆れた山田が前に向き直した。必然的に山田を見ていた俺と目が合う。


「あ、初めまして、五十嵐麟児です。よろしくお願いします」


「っ!!ああ!よろしくな!」


さっきまでの不機嫌そうな雰囲気が吹き飛び、満面の笑みを浮かべ応えてくれた。


態度が明らかに違った。この態度の差は流石に四方も分かった様で、山田を目を見開いて固まっている。


普通にあいさつしただけなのだけど。俺としては山田は今のまま四方の使い魔でいてほしい。


どう考えても面倒臭い事しか起こらなさそうだし。


山田を無視して料理に目を戻す。料理と言っても凝ったものではなく、サンドイッチ、唐揚げやサラダ等だ。


サンドイッチを1つ手に取って食べる。具はハムとレタスのありきたりなものだ。


からしマヨネーズがちょうど良い辛さで、ご飯派の俺でも幾つも食べられる。


「どう?」


「美味しいですよ、とても」


隣にいたサユリさんが味の感想を求めてきたから、素直な気持ちを伝えた。答えながらも2つ目に手を伸ばす。


「ほんと!?ソレ私が作ったの。良かったぁ…口に合って」


サユリさんが安心したように息を漏らした。しまった、好感度を上げてしまったか。


でも、今更なかった事にはできない。実際美味しかったのだからいいか。うん、うまい、うまい。


「なぁ、うまい米が炊けたんだが食べないか?」


山田が突然話しかけてきた。山田の腕の中には炊飯器があり、蓋に空いた穴からは蒸気が出ている。


どこから出したんだそんなもの。ちゃっかりお椀と箸を2セット用意している。


「あぁ、じゃあ、いただきます」


「おお!そうか、ちょっと待ってろ」


山田がお椀にご飯を盛っていく。比喩でなく実際に山の様になっていた。白米だけだときついものがあるなぁ…


そう思っていると、山田がお盆を差し出してきた。お盆の上には小鉢が幾つも載っている。


小鉢は全てご飯のおともと言われるものが盛られていた。キムチ、ノリの佃煮、イカの塩辛等など。


ご飯と一緒にお盆を受け取る。取り敢えず、お盆を置いて白米だけで食べてみる。


うん、うまい。米の違いなんてよく分からないし、コメンテーターみたいに洒落た事も言えないけど、うまいのは分かる。


ノリの佃煮を少しご飯に乗せて一緒に食べた。ご飯と佃煮のうまさが合わさり、口いっぱいに広がった。あぁ、幸せだ。


幸せを噛みしめていると、顔にクロの爪が突き刺さった。痛みにお椀を落としそうになるが、何とか掴みお盆の上に置いた。


クロを頭から下ろすと恨めしそうに俺を睨んできた。何を怒っているのか一瞬考え、クロ達にエサをあげるのを忘れていた。


自分たちを差し置いて、何おいしそうなものを食べているんだ、と言う事だろう。


ボックスから3匹分のエサ皿を出して、お詫びの意味を込めていつもより少し多めに用意して、地面に置いた。


そうとうお腹が減っていたようで、すぐに食べ始めた。うん、うん。これでいい。


前に向き直ってご飯を食べる。あぁ…やっぱりうまいなぁ…


黙々とご飯を食べた。山の様に盛られたご飯を食べ終わる頃には料理がなくなっていた。


残っていない事を残念に思う反面、ご飯だけでお腹がいっぱいになったので、良かったとも思う。


食器などを片づけるとのんびりとする暇もなく、馬車に乗せられ出発した。


先ほどまでは眠気を誘っていた馬車の揺れだったが、はち切れんばかり食べた後では吐き気を誘うものに変わった。


幸いな事と言っていいのか分からないが、吐き気を堪えるのには慣れている。なんでだろうなぁ…


口元を手で押さえて遠くの方を見ながら、早く着いてくれ、と祈り馬車の旅路を過ごした。


数時間後、日が沈み始めた頃、磯の香りがしてきた。海が近い証拠だ。やっと目的地に着いたのか。


それから馬車はしばらく進み、ある建物の前で止まった。それは旅館のような建物だった。


ここに泊まるのか。旅館を見ているとみんな馬車を降りていく。俺も続いて降りた。


辺りを見渡してみても建物が見当たらない。なんだここ。俺が呆然としている間にみんなは旅館の中へ入っていった。


慌てて後を追いかける。あ、今更だけど俺ってここに泊まれるのか?宿泊費を払った記憶がないんだけど…


不安になりつつ玄関に屯していると、奥から着物姿の女性が駆け足気味にやってきた。


着物は綺麗だし、女性も美人だと思う。でも、その女性と着物の組み合わせには違和感しか感じない。


あれか、髪の色が深緑色だからなのか。そう言えば、メンバーの中に緑系統の髪色の奴がいたような。


考えているとちょうど輪の中から黄緑色の髪をした奴が出た。アイツは確かよくクロに熱い視線を送っていた奴だ。


「ジルちゃん、いらっしゃい。他の皆様も、ようこそ」


「おばさん、こんにちは」


黄緑髪がおばさんと呼んでいることから、ここはあの黄緑髪の親戚がやっている旅館なのだろう。


黄緑髪に続いて俺たちも挨拶をする。これから暫くの間世話になるのだから良好な関係を作っておかないとな。


一通り挨拶が終わると部屋に案内してくれた。当然の事ながら、男子と女子の部屋は別だった。


晩ご飯は部屋ではなく、食堂がありそこで食べるらしく、時間になるまで自由と言う事で女子と分かれて男子部屋に入る。


前にさっき渡された雑巾でクロ達の足を拭いた。まぁ、部屋を汚す訳にはいかないからな。


念入りに拭いて、今度こそ部屋の中に入った。部屋は外観から想像できるほど普通な和室だった。


「風呂いかねぇか?」


部屋に入りしばらく物色した後、くつろぐ暇もなく四方が言い出した。


それに二つ返事で双子と熱血が応える。俺は何も言わなかったが、『お前も来るだろ』的な四方の視線を無視できずついて行く。


風呂には入りたかったからちょうどよかったと思おう。本当は一人で静かに入りたかったが。


俺たちが部屋を出ると、同じタイミングで女子組も出てきた。女子組も風呂に入るらしい。


黄緑髪に風呂場を案内してもらう。廊下を奥へ進んでいくと、廊下が左右に分かれている場所についた。


右に行くと女子風呂で、左に行くと男子風呂になっているらしい。これなら混浴でしたなんて事は起こらないだろう。


四方たちは女子たちに別れを告げてから左に行った。左の廊下の最後には青色ののれんが掛かっていた。


のれんを潜るとその先は脱衣所となっていた。部屋の中央にはロッカーが2列並んでいた。


浴場に繋がっているであろう扉は入り口の対角線上にある。


他には入り口の右横には鏡とテーブル、ドライヤーが用意してあり、浴場への扉の傍には体重計と自販機が置いてある。


脱衣所の雰囲気にテンションが上がっている熱血と双子を無視して、近くのロッカーに服を脱いで入れていく。


浴場に一番乗りで入る。入り口近くに積まれた風呂桶と椅子を持って1つの鏡の前に陣取る。


ここまできて逃げようとするクロとトラを捕まえて、俺の前に座らせる。隅々まで洗ってやるからな。


最初にシャワーで汚れを軽く流して、それからボックスの中から出したクロ達専用の石鹸で身体を洗っていく。


クロ達を洗い終わると、自分の体を適当に洗い、湯船に浸かる。あぁ…気持ちいいぃ…


湯船は結構広くて泳ぎたくなるが、四方達の眼があるため自重する。


一日中馬車に乗るってのも案外疲れるもので。目を閉じて力を抜いた。このままお湯に溶けてなくなってしまいそう。


風呂を堪能している俺のすぐ隣に誰かが入ってきた。目を少しだけ開けて横を見た。


隣には頭にタオルを乗せた金髪のイケメンがいた。うぜ。


名残惜しいが湯船から出る。こいつがいたんじゃ疲れが取れない。むしろ疲れてしまう。


「おいおい、逃げなくてもいいんじゃないか?」


すぐに山田が突っかかってきた。めんどくさいなぁ…もぅ…


「いえいえ、逃げていませんよ。十分浸かって疲れも取れましたから。上がろうかと」


適当にあしらって浴場を出て行く。あとでまた1人で入りに来ようかな。


「そうか。じゃあ、あとでいいから話をしよう」


「……はい」


嫌な予感がしつつもそう答えるしかなかった。どう考えても使い魔の話だ。


正直したくないけど、ここではっきりと断っておかないと、これからも言い寄って来そうで面倒臭い。


脱衣所に戻ると、手早く着替えて外に出る。晩ご飯までまだまだ時間があるし、どうしたものか。


部屋に戻る途中で中庭に出られるようになっていた。暇だし、中庭を散歩するのも良いか。


中庭へと進行方向を変えて歩く。中庭はそれなりに大きく、中ほどには池があり小さな橋が架かっていた。


橋の上から池を覗くと、鯉が水面に出てきて、口をパクパクと動かしている。


鯉は鰓呼吸だったはずだから、酸素を求めている訳ではなく、エサを求めているのだろう。


悪いな何も持ってないんだ。食パンでもあれば良かったんだけどな。


しばらくしてエサが貰えない事に気づいたようで、数匹が橋の下から離れて行った。未だにパクパクしている奴もいるが。


その泳いでいる姿は、鯉ながらに美しいものがあり、見惚れてしまう。


クロは別の意味で鯉に見惚れている様だ。欄干の上に座って鯉を見つめる瞳は完全にハンターのものだ。


クロの様子に苦笑しながら池に目を落とす。池には冴えない顔をした男が映っていた。俺なんだけど。


帰りたい。これから数日特に親しくもない人と過ごさないといけないとか何の苦行だよ。


ため息が自然と出てきた。俺が憂鬱な気分になっていても、鯉たちは優雅に泳ぎ続ける。


俺もいっそのこと鯉にでもなって何も考えず泳いでいたい。どうしようもない事を考えていると、砂利の上を歩く音が聞こえてきた。


その音は俺の方に近づいてくる。山田が来たのかな。今は会話をしたい気分じゃないんだけどなぁ…


音がする方に顔を向けた。そこには想像していなかった人物が立っていた。


サユリさんだ。


風呂上がりのようで、旅館が用意していた浴衣を着ていた。サユリさんの黒い髪が浴衣姿に映える。


「あ、こんばんは。何見てるの?」


「こんばんは。ちょっと鯉を見ていました」


サユリさんは俺の隣まできて池を覗いた。鯉を見つけると指差して、満面の笑みで俺に報告してきた。


その顔に不覚にも鼓動が早くなった。女子に笑顔を向けられたからだ。


決して、サユリさんを好きになったとかではない。そう自分に言い聞かせながらサユリさんの報告に相槌を打った。


最初こそはしゃいでいたサユリさんだったが、次第に静かになり池をじっと見つめるようになった。


その横顔が少し寂しそうに見えたのは俺の気のせいだったのだろうか。


特に会話する事もなくいると、不意に廊下の方が騒がしくなった。頭を上げて廊下の方を見ると四方達が廊下を歩いていた。


「そろそろ行こっか」


サユリさんはそう言うと、俺の返事も聞かず四方達の方へ向かって歩いて行った。


サユリさんを追い、四方達に近づくと、向こうも気づいたようで、こちらに手を振ってきた。


「おぉ、こんなところにいたのか。ちょうどいい時間だし、このまま食堂に行こうって話していたところなんだ」


四方達に合流し食堂へと向かう。サユリさんはさっきまでの雰囲気は嘘の様に消え、楽しそうに女子同士で話し合っていた。


やっぱり、寂しそうにしていたのは勘違いだったのかな。晩ご飯について思いを巡らせていたのかもしれない。


そう言えば、今日の晩ご飯は何だろうな。海が近いから海産物とかかな、やっぱり。


あぁ、そう思うと気分が上がってきた。サザエの壺焼きとか出ないかな。あれ、昔一回食べたっきりだから、久しぶりに食べてみたいなぁ…


晩ご飯は予想通り海産物だった。流石にサザエの壺焼きはなかったが、一人一人に小さな船盛が用意されていたから良しとしよう。


食べ終わった後、明日は朝早くから海に行く為に早く寝る事に決まった。


それぞれの部屋に戻り、騒ぐ暇もなく布団を用意すると、みんなすぐに寝始めた。一日中馬車での移動だったから疲れていたのだろう。


ただ、俺はと言うと、馬車の中で寝てしまったので、今はまだ眠たくない。


暫く布団の中で横になっていたが眠れそうにないので、布団から出て部屋を出た。


出たはいいもののこの近くの地理を知らない。そうなると当然足が向かうのは中庭だ。


中庭は月明かりに照らされ、夕方に来た時とは違う印象を受けた。縁側に腰かけて中庭を眺めた。


どこかで鈴虫が鳴いている。その静かな音色と景色に心が浄化される気がした。


縁側でぼんやりと過ごしていると、突然池の方で何かが飛び込んだような水音がした。


鯉でも跳ねたのだろうか。呆然としていた意識を戻したところで、後ろの方で床が軋む音がした。


振り返るとそこには山田が立っていた。山田は出来るだけ音をたてないように歩き、俺の傍まで来ると、隣に腰かけた。


山田は隣に座ったが特に話し出す様子はない。俺からも話しかけることなく中庭を眺め続けた。


鈴虫の鳴き声や池で鯉が水面を叩く音だけが中庭に響く。あ、今なら気持ちよく眠れそう。


「あのさ」


「…はい」


部屋に戻ろうかと考え始めた丁度その時、山田が沈黙を破った。無視する訳にもいかず返事をした。


「単刀直入に聞くけど、お前、使い魔召喚で俺を召喚しただろ」


「していません」


山田の質問に食い気味で答える。まっすぐ中庭を見ているために、山田の表情は伺えないけど、呆れているのが伝わってきた。


「嘘をつくな。もう分かってるんだぞ」


完全にばれてしまったようだ。ここまで言うには証拠か何かがあるのだろう。


「だったらどうなんですか。まさか、使い魔にしろとは言いませんよね」


「そのまさかだ」


開き直り聞くと想像通りの返答が待っていた。サユリさんと言い、山田と言い、どうして俺に来るかなぁ…


四方がいるだろ。四方と親睦を深めていろよ。俺を巻き込むな、めんどくさい。


俺は長い溜息をついた。それから、横で寝転んでいるトラの背中を撫でながら、山田にきっぱりと宣言してやった。


「お断りします」


山田はすぐには反応しなかった。すぐに理由を聞いてくると思っていただけに、その行動は意外だった。


「……そうか」


ようやく口を開いたかと思えば、そう短く言ってまた黙ってしまった。いや、何か言ってくれないとこっちが居心地悪いんですけど。


そう思ってみても山田がまた話す様子はない。嫌な沈黙だけが漂う。どうしよう、部屋に戻ってもいいのかな。


埒が明かないので戻る事にした。戻ろうと腰を上げた所で、急に強風が吹き、耐えられず腰を元の位置に落ち着かせた。


いつの間にか鈴虫は鳴き止み、風によって揺れた中庭の木々のガサガサという音だけがした。


風が収まりしばらくするとまた鈴虫が鳴きだした。


「じゃあ俺がここに留まる理由はないな…」


山田はそう言うと立ち上がり、少し歩くと振り返った。月明かりを背に受ける山田の表情は悲しげだった。


「一応ヨモに『使い魔契約は破棄だ』って伝えておいてくれると助かる。……じゃあな」


山田はぎこちない笑顔を浮かべながら、足元から光の粒子となって消えた。


消える最後の一瞬に見えた山田の顔は、ぎこちない笑顔が完全に消え去り、ぐちゃぐちゃに崩れ、泣いていた。


えぇ…罪悪感が半端ないんですけど。マジパネェ……はぁ…


あんな顔になるほど使い魔になりたかったのか。拘束されるわけだから良い事なんてある様に思えない。


それに、泣くくらいなら必死になって懇願したらよかったのに。それでも俺は使い魔にしなかっただろうけど。


でも、やれるだけの事をやり尽した後なら、スッキリした気持ちで別れられたんじゃないかな。


さっきから山田のあの顔が頭から離れない。不格好な笑顔、気丈に振る舞おうとする態度、最後の泣き顔。


鈴虫の鳴き声が嫌に耳についた。


「…うるせぇ……うるせえ!!!」


俺の声に驚いたのか鈴虫は鳴き止んだが、すぐに何事もなかった様に鳴き出した。


腹が立つ。何に対してか全く分からないが、とにかく腹が立った。


立ち上がり部屋へと戻る。部屋では四方達が幸せそうに寝ていた。


俺は空いていた2つの布団の内の1つに潜り込んだ。


中庭を眺めて安らいでいた心も、気が立ってすぐには眠れそうにない。


それでも無理矢理にでも眠る為に目を閉じた。目を閉じると、また山田の泣き顔が浮かんできた。


「……くそっ…」


頭を振り、思い出さないようにして、布団を頭の上まで被った。


目覚めると最悪だった。全く深い眠りに入らず疲れが取れてないし、起きると四方が騒いでいるし。


頭が痛い。頭を押さえていると、四方が俺に気づき近づいて来た。


「なぁ、セラフィム様を知らないか?起きたらいなくなってたんだ」


四方が近づいた途端に頭痛がひどくなったような気がする。あぁ…こいつは何にも知らないんだな…


「それなら、使い魔契約は破棄だって言って消えましたよ」


「はぁ!?ウソだろ!?……ホントだ…」


昨日、山田が伝えてほしいと言っていた事をそのまま四方に伝えた。最後の頼みくらいは聞いてやらないとあいつも報われない気がしたから。


四方は服を脱いで自分の体を確かめると膝から崩れ落ちていた。伝える事は伝えた。


俺は四方を無視して立ち上がった。頭痛はいくらかマシになっていた。


部屋を出ると廊下にみんなが集まっていた。これから食堂に向かう所のようだ。


「あれ?ヨモ君は?」


「そっとしておいてあげてください」


黄緑髪の質問に適当に答え、食堂に向かう。みんなも不思議そうな顔をしていたが、どうしてかを聞く事無く歩き出した。


四方が食堂に姿を見せたのは、ほとんどの人が食べ終わった頃だった。


見るからに元気がなくなっている四方を待つことなく部屋に戻る。他の人は四方に声をかけてから部屋に戻っていった。


部屋に戻るとすぐに水着に着替えた。泳ぐつもりはないけど、着替えないとノリが悪いと思われるからな。


着替え終わり少しのんびり足を投げ出して四方達が戻ってくるのを待った。


する事がなく何も考えないでいると山田の顔がまた浮かんできた。


「なぁ、使い魔ってあんなに思い詰めるほどなりたいものなのか?」


あの時から考えていた事だけど、どうにも答えが見つからなかった。ならば、とクロに聞いてみる事にした。


クロは何でも知っているし、使い魔でもあるから、有意義な意見が聞けることだろう。


「使い魔になると言う事は一種のステータスの様に扱われるので、使い魔になりたがるものは多いです。ただ、山田の場合は別の思いもあるようですが」


ステータスか。今回の場合は強さとかの集合体とかの方じゃなくて、『高い社会的地位』の方なんだろうな。


一般的な理由はそんなものなのか。山田の理由も気になるが、それをクロから聞くのは躊躇われた。


泣くほどの重い理由なのは容易に想像できる。想像できるが、やっぱり使い魔にはできないな。


だって、あいつに癒し要素が欠片も感じられないし……


四方達が戻ってきた。俺は入れ替われるように、部屋を出ようとしたが、四方に呼び止められた。


「あ、マコ…じゃなくて、麟児君、先に行くならコレ持って行ってくれないか?」


「あ、はい。分かりました」


四方が渡してきたのは、シートとパラソルだった。自分で持って行けと思わなくもないが、断る正当な理由が思いつかず、仕方なく受け取った。


海へは玄関を出て、旅館の裏に回ると行ける、と昨日の内に聞かされていた。


言われていた通りに進むと、強い磯の香りとともに海岸に降りる階段が見えた。


海岸には誰もいない。いくら朝早いと言っても人1人いないのはおかしい。


コレがプライベートビーチと言うやつなのだろうか。となると、この海岸の所有者はあの旅館と言う事になる。他に近くに建物がないからな。


ただ、こんなものを持っているにも拘らず、旅館が繁盛している様子はない。


採算度外視の経営か、そもそも経営をしていないか、のどっちかだろうな。


階段を下りきり、少し離れた所にパラソルを砂浜に突き刺した。


パラソルは水色と白の縞々模様と定番のものだった。こんなものを今日だけの為に買ったのかと思うと驚くしかない。


シートを広げていると、四方達がやってきた。女子はまだのようだ。


「う・み・だ~~~!!!」


「うぉぉぉぉ!!海だぁぁぁぁぁ!!」


「海、うみ、うみ!!」

「うみ、うみ、海!!」


リア充って本当に海に向かって叫ぶんだなぁ。シートを砂浜に敷いて、飛んでいかないようその上に座った。


ひとしきり叫び、満足した様で四方がこっちを見てきた。俺に気づくと手を上げながら近づいて来た。


左肩に浮き輪をかけ、ボールを小脇に抱えている。浮かれポンチ過ぎる。山田がいなくなった悲しみはどこに行ったのやら。


「アイツらは?」


「まだ来ていません」


四方はボックスの中からクーラーボックスを出してシートの端に乗せた。飛ばないようにしてくれたのか。


「てか、なんで服着てんだ?」


「…あぁ…気にしないでください」


「ん?ん~~…まぁいいか」


下は水着に着替えたが、上にはシャツを着ていた。四方達みたいに人様に見せられるような身体じゃないから。貧弱モヤシだから。


くそ、やっぱりもう少し胸板を厚くしてから来た方が良かったか。


四方も同じくらいだと思っていたのに、腹筋が六つに割れていて、細マッチョと言うに相応しい体付きだ。裏切り者め。


四方の綺麗に割れた腹筋がつるつるになるよう呪いをかけるつもりで睨みつける。


四方は俺の視線に気づいていないようで、クーラーボックスを置き終えると準備運動を始めた。真面目か。


「おまたせ~~」


「ゴホ…ゴホ…」


女子たちの着替えがようやく終わったらしい。声が聞こえたから自然と顔がそちらを向いた。


まず初めに視界に入ってきたのは黄緑髪だった。自己主張の激しい山を抱えている。着痩せするタイプだったか。


隣に立っている咳女子は大きくもなく小さくもなく中くらいの丘だ。


エイダさんは服を着ていた時から薄々分かっていたがビッグマウンテン。


その3人に隠れる様に胸元を隠し、前屈みになっているサユリさんはフリルに邪魔されてよく分からない。が、その下に膨らみは伺えない。


「おぉ、みんな似合ってんじゃん。準備運動が終わったら早速泳ぎに行くか」


さらっと似合ってるなんて言える四方に畏怖の念を抱かずにはいられない。くそ、イケメンは何言っても許されるから得だよな。


俺なんかが、似合ってるね、なんて言った日には、キモイ死ね、と罵倒されること請け合いだ。


イケメンなんてみんな滅べばいい。


目線を海に移すと、ものすごい飛沫をたてて海を左右に移動し続ける何かがそこにはいた。


あれはたぶん熱血野郎だ。海辺では双子が協力して砂の城を造っているから、消去法的に考えるとすぐに分かった。


そこに四方と黄緑髪が加わった。あれ、2人だけか。咳女子は俺から少し離れた場所に座っていた。


後ろに気配を感じて振り返ると、エイダさんが直立不動の姿勢をとっていた。こえぇ…


今度は前に誰かが立ったので、身体を戻して前に向き直った。分かっていた事だが、サユリさんが堂々と足を軽く広げて立っていた。


「…どう?」


短く聞いてきた。恐らくは水着に対する感想を求めているのだろう。なぜ、俺に聞く。


「…あぁ…その、いろいろと誤魔化せて良いですね」


「なっ!?……もう、いい」


サユリさんは怒って四方たちの方に行ってしまった。コンプレックスを突けば怒ると考えたのが当たったようだ。


「ゴホ…わざと怒らせた…ゴホ…のはなんで?…ゴホ」


「怒らせるつもりはなかったのですが。何がいけなかったのでしょう」


「そういうところだと思う」


予想外の人からの糾弾を受け、内心戸惑いながらも嘘をついた。咳女子との初絡みがこんなのでいいのか。

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