罪深き人生の過去と現在
初心者なので暖かく見守ってくださると光栄です。
アドバイスや感想などあれば気軽にコメントお願いします(´・ω・`)
「ねぇ、私なんて必要ないよね」
「私がいても誰も喜ばないよね」
「...消えてなくなりたい」
__高校一年生の夏
__夏休み一日目
__昨日は終業式
私は母に勇気を出して言ってみた。
「学校を辞めたい」って...
だけど母は許してくれるはずもなかった。
泣きながら話しても本当のことが言えなかった。
昨日の私までは...
日付が変わり夏休みが始まった。
その頃、私は一人部屋で泣き崩れた。
そんな私を見て母は優しく話しかける。
「他に学校辞めたい理由があるんじゃないの?」って...
私はそれでもなかなか言い出せなかった。
人が怖いって...
誰かに裏切られるのが怖いって。
小学校二年生の春のこと。
私は知らない地にやってきた。
「違う学校からやってきたカナデちゃんです。皆さん仲良くしてあげてくださいね」
小学校一年生のとき、私は上級生からいじめを受けてきた。
暗いところにあった何かを私は誤って蹴飛ばしてしまったことが原因だ。
それは、一匹のクワガタが入った虫カゴだった。
私は木の上に乗らされ周りの注目を浴びながら泥を染みこませた茄を食べさせられた。
そのことがきっかけで私は転校した。
案内された席で呆然としていると
前の席の子が振り向いて笑顔で話しかけてきた。
「私はサキ。よろしくね」
素直に笑顔で「よろしく」と返した。
そしてサキは初めての友達になった。
私はここで人生をやり直せると確信していた。
時が経ち、私は小学校四年生になった。
その年の夏までは楽しく過ごしてきた。
全てが壊れるまでは...
私が小さいときに両親は離婚し、母に引き取られた。
私には父もいなければ、兄弟もいない。
だから頼れるのは母しかいなかった。
なのに...
母は男を作り家に帰ることが少なくなった。
いつしか家には私と母以外に男が住み着くようになった。
所謂...居候。
私はその男の名前を知っていたがあえて名前で呼ばなかったし、話かけなかった。
名前で呼べば家族の一員だと自分の中で決めつけてしまいそうで怖かったから、「アイツ」と心の中で呼んでいた。
いつしか母はアイツにしか興味がないように感じてきた。
「私を独りにしないで...」
そんな気持ちが芽生えた。
人の物を盗んで問題を起こしたり、平気で嘘をついたりして学校の先生に迷惑をかけた。
その度に先生は母に電話をかける。
それで気づいて欲しかった。
「寂しい」ってことを気づいてほしかった。
だけど母は私を叱るだけ。
「そんなに欲しいなら買ってあげるのに...」で話は済まされるだけだった。
何度も何度も繰り返し悪いことを故意的にやってみたけど
私の思いは当然のように打ち消された。
小学校五年生になり私は気がついた。
「アイツさえいなくなればいいんだ」
殺意が芽生え夜な夜な独り部屋で泣きながら「殺害計画」を立てた。
でも殺すことはできなかった。
母はアイツといると笑顔になっている。
アイツを殺したところで私が笑顔になっても母は笑顔になれない。
殺害計画はやめて私が「死ぬ」ことを考え出した。
何度も包丁を自分に向けてみた。
でも私が死んでもアイツが消えないことには変わりがないと思うとアイツが憎くて、私はなかなか自分の腹に向かって刃物を同化させることができなかった。
__ある日...
「お母さんね、あの人と結婚したいと思うの」
母の口からそんな言葉が出るとは考えもしなかった。
「経済的にも...」と言われても小学生の脳には理解するのが難しい。
母の意図など理解できずひたすら「嫌だ」としか言えない。
気づいたら私は過呼吸になるほど泣き崩れていた。
それをみた母も少しは私の気持ちに気付いてくれたと思う。
小学六年生になったとき...
アイツは姿を消した。
そのときから私には平和が訪れた。
その年の冬までは...
いつしか私の周りには友達がいなくなってしまった。
盗みや人を騙してきた罪を背負うこととなったのだ。
影では悪口を言われ隣の席の子には机を離された。
話しかけも無視されるようになり、完全に孤立してしまった。
掃除をしいても私以外みんな楽しそうに話している。
黙々と掃除をすることしかできなかった。
私と同じ掃除場所の人らは先生に掃除をしなさいと注意された。
その日から私の名前はカナデではなく「チクリ魔」となった。
美化委員の委員長として私は頑張ってきた。
そのせいかよく分からないが、私が先生にメンバーが掃除してないと言ったと疑われるようになった。
それから事あるごとに先生に注意されたクラスメイトは「またチクリ魔か」と言って私を睨みつける。
「言っていない...私は一言も言っていない」
そんな気持ちを持っていてもクラスメイトにぶつけるのが怖くてできなかった。
変なものを食べされられるより、ひどいことをされそうだったから...
そんなことが学校で起きていることを知った母は担任に相談した。
だけど担任はそれを流した。
校長にも相談したものの放置された。
私は卒業するまでいじめを受けてきたのだ。
それから中学生になった...
中学は小学校の隣にある公立中学校に行った。
公立とあるだけ同じ小学校の人も多い。
その中には初めて友達になった「サキ」もいた。
サキも周りと同じように私をいじめている一人だった。
初めての友達裏切られてそこから本当に友達といえる友達は作らなかった。
だけどそこでは三年間まともに過ごせた。
部活動もし、彼氏ができたこともあった。
中学三年生の夏。
私には高校一年生の彼氏ができた。
その彼は私を変えようとしてくれた。
なにかあればすぐに「どうした?」って聞いてくれる。
鬱陶しいと思うときもあるけど大好きだった。
一緒にいると落ち着くし、これが本当の愛だと気づいた。
彼とは手をつないだこともないけどこんな私を支えてくれるだけで十分だった。
夏休みになり、私の部活では三年間の集大成を他人に評価してもらう大事な時期でピリピリしていた。
家では受験生として勉強漬けの毎日。
携帯を触る時間もなければ、誰かとどこかに出かける余裕もなく
ちょっとしたことでもすぐに怒る短気になっていた私は彼の一言一言にイライラしていた。
夏休み後半、意を決して彼に別れを告げた。
「受験勉強に集中したいから」っていう理由で...
本当は彼の一言一言に対してイライラが抑えきれなくなっただけ。
別に受験勉強もそこまでしなかった。
どこでもいいから、とりあえず公立高校に入学できればいいと思っていた。
そして明るいキャラとしてみんなと笑顔で中学を卒業できた。
なんとか市内で一番頭の悪い公立高校に合格し、現在高校一年生をやっている。
そして...初めての友達だったサキも同じ高校を入学した。
今日、夏休み一日目。
成績まぁまぁ。
出席率もまぁまぁ。
先生からの評判がいい私だけども...
入学してから一ヶ月ぐらい経ったときから学校を「辞めたい」と思うようになった。
言い方が悪いけども成績が悪い人たちの集まりである私が通っている高校は勉強の取り組みが浅い人が多い。
今までの私はそうだった。
だから授業にならないほど騒がしくてもなんとも思わなかった。
だがしかし、私には一つの夢がある。
それを目指すためには大学の工学部に進まなくてはならない。
だから高校二年生からの類型選択では「理系」をとることにした。
夏休みは大嫌いな勉強に嫌でも立ち向かうことを決意した日から徐々に騒がしい授業に嫌気がさした。
授業ならまだしも、人間関係でも周りに嫌気がさしていた。
入学仕立ての頃にオリエンテーション合宿というのがあった。
そこでクラスメイトの一人が問題を引き起こしてしまった。
その問題に直接関係していたのは二人だけ。
当然それ以外の人は全く関係していなかった。
だけど私は問題を起こした本人が関係ない人に任せてその場を乗り切ろうとしているのと知って
「関係人まで巻き込むのはやめなよ?」と言った。
それに対して「勝手に入ってきたから...」って言い訳したことにキレた。
しばらく、その言い訳に怒っていたけども
ずっと怒っていても仕方ないと思うと怒りが自然と消えた。
だけど全く関係していない人がずっと悪口を言っていた。
それに対して同情している人も「めっちゃウザイんだけど」って口々に言っている。
人の悪口を言っている人の顔って本当に醜いなと感じた日でもあった。
そして同情してなくてもクラスの一員というだけで気が悪くなる。
ついでに小学生からの記憶が全て蘇るきっかけにもなった。
これが一番学校を辞めたい理由。
これを全て話そうと一学期の終業式の日に勇気を出して声にしてみた。
母にあっけなく流されたけど...
日付が変わり今日の午前0時頃、母から話しかけてくれた。
少しずつ話ていくうちに投げやりになってしまったけど今までの過去について自分はどんな思いをしてきたのか吐き捨てた。
「本当にカナデは優しい子だから」
母のその言葉に中学三年生のとき愛していた彼のことを思い出した。
カレンダーを見ると7月19日...
今日は彼の17歳の誕生日。
今の気持ち...
「もう一度人生をやり直したい」
「必要とされる人間になりたい」