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ファンシーエゴイスト

作者: 紗々イズム

私は生まれたときから部屋に幽閉されて、一度も外へ出たことがなかった。

父上から聞いた話によると、なんでも外の世界はタイキオセンとかスイシツオダクが酷いらしい。

私にはそれがなんなのか全くわからないけど、外の世界が荒んだところなんだなということは分かった。

きっと父上はそんな薄汚れた世界から守るために、私のことをこんな狭い部屋に閉じ込めているのだろう。


ある日、私は文献で「うみ」という存在を知る。

外の世界にあるというそれは、何とも楽しげな水の集合体であるらしかった。

私は水が大嫌い。浴びるのは嫌いじゃないけど、飲むことに関して嫌い。全然美味しくない。

だから、いつも母上に水でめろんそーだを作ってもらう。めろんそーだは美味しい。

そんな私だけど、うみにはどうしてか魅かれる。気になる。


ふと素敵なことを思いつく。うみでめろんそーだを作ろう。

思い立ったがすぐ、父上に無茶を言ってうみを持ってきてもらった。

父上はボトルたっぷりにうみを入れてきてくれた。

うみのブルーの素敵なこと。私は10分くらい見とれていたと思う。

心行くまで眺めた後、母上にうみでめろんそーだを作ってもらった。

きっと素敵な味がするに違いない。私は蛍光グリーンのそれを期待して飲んだ。

しかし楽しみにしためろんそーだは、意外にも美味しくなかった。

私はうみをめろんそーだにしてしまったことを酷く後悔した。

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