表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦え勇者、そして撲滅せよリア充!  作者: ryure
第一章:テンプレギルドは厨二でした。
5/45

様々な人の思惑。とかとか顔がイケメンで爆発して欲しい啓太とか。マジで爆発希望。


 ギルドで俺は結城を待っていた。

 するとそこの受付嬢は不審に思ったのか(ギルドに入っていないからな)こっちに話しかけてきた。

 不審者扱いと言うより、なんか前にもされた気がする話しかけ方だが。

 …………媚を売られている? 何にもしていないが? そう取れる気も、する。ちょっとひねくれているかな? いや…………どうだろう。結城は、結構顔を歪めてこういうのを見ていた。


 ……正直群れるのは大嫌いだ。俺は、一人で生きて行きたい。ぼっちでなく。ぼっちでなく!


 前でも俺は結城以外の友達が居なかったし、寂しくもなかった、無論悲しくとも。


 だから適当にあしらい、ただひたすらに結城を待つ。


 暇なので「検索」の魔法を展開して周りの地図を覚えておく。

 と、そのとき聞いたことのある笑い声が響いた。結城だ。


「あははははっ! あははっ! はははははっ! 」


 随分楽しそうだけどどうしたんだ? 結城はあんまり暗いわけでもないけどあんなに笑うのは初めて見た。いつも、結城はみんなに中心だったから、…………というより、結城はあんまり人を信頼しないぁら、見なかった。俺は、多分…………信頼されていると、思いたい。


「ちゅ、厨二だっ! あははははっ! 」


 厨二?

 どこに厨二要素が……。

 ギルドがか? たまたま、それっぽい人物に会ったのか? 疑問が耐えない。俺は頭が悪いからそういうのはわからないしな。


 とりあえず結城のそばに近づくと声をかける。


「結城、やっと解放されたか」

「あ、啓太?

いやぁ、お偉いさんの話は長かったよ」


 やっと笑いが止まったのか普通に対応してはくれたが。

 結城の目線の先にはギルドの看板。すなわち名前。

 その名前を見てまた結城は笑いそうになっている。顔がひきつって、変な顔になった。目が三日月形にきゅっと曲がる。不気味じゃなく、無邪気な笑顔だ。邪神に言うのはおかしい気もするけれど、そう思ったからしかたがないよな。


 そしてギルドの名前を見てやっと理解する。

 ギルド名の厨二さを、だ。

 これに結城が笑っていたのだ。なるほど、分かってみれば簡単だ。そして意識すると笑いがこみ上げてくるが、笑っている場合ではない。

 結城の服装が悪目立ちしている。早く何か着替えさせないと面倒だ。


 俺はまたもや笑い始めた結城をとりあえずギルドの中に引っ張り込んだ。


・・・・

・・・

・・


 ギルド名の厨二さにまた笑ってたら啓太にギルドの中に引っ張り込まれちゃった。

 流石にギルドの前で笑い転げる非常識なことをしちゃったから僕は大人しく従う。うん、僕営業妨害だったね。迷惑なことをしちゃったけど、くっ………「勇者の剣」…………! そんな名前のところにいるなんて…………!


「結城……」

「ん? 」


 啓太は僕を見て少し考えているみたいだ。何を、って言われても僕には分からないけどね。記憶を読むほど悪趣味じゃないよ。


 ……くそっ、考える姿までイケメン、だと……? 圧倒的、劣等感がする…………。くそう…………。


「その服装は目立ちすぎる。後で『創造魔法』で服作れよ、出来るだろう? 」

「あ、了解」


 服、かぁ。

 確かに学校の制服、僕の場合は学ランってめちゃくちゃ目立つね。

 せめてブレザーならさっき学生らしき人が着てたからまだマシだったかもね。

 まぁ、どっちでも造るけど。あ、ここで造るような非常識な真似は流石にしないよ。とかいいながら作ったけども。上から羽織ったけども! 啓太は準備が早いな…………時間があって羨ましい。


「じゃ、登録するか」


 啓太の言葉に従って、受付嬢のところにいく。

 年齢的には学生だからいろいろ面倒だろうけど、勇者なんだからきっとそういうところは姫サマにまるなげしても大丈夫! よし、異世界生活、頑張っていくぞ!


・・・・

・・・

・・


 ギルドに見たことのないとってもカッコいい男の子が来たの。

 ちょっと気だるげで、目つきはキリッと鋭くて。茶髪に黒目の中等生ぐらいの男の子。

 私とはまぁまぁ年が離れているから、手は出す気ないけど、せめて「お姉さん」なポジションには居たいなあ。そう、つい思っちゃうぐらい格好いい。


 あ、いくらかっこいいからって私も受付としての仕事はちゃんとするわよ。

 あの子は見たことはないし、このあたりには別のギルドはないから多分未登録者ね。仮に別のギルドの人かもしれないけど、だいたい黒目の人は珍しいから違うと思うの。

 黒目と言えば闇のダークラン家でしょう?

 ダークラン家には双子の兄妹がいたはずだけど、まだ10歳。年齢からして違うものね。


「どうしたの、学生さん? ここはギルドだから部外者はあんまり入ってきてほしくないの。結構気性の荒い人もいるから安全の保証ができないからね」

「…………あぁ、ごめんなさい。

でももう少ししたら友達がくるんで。その時に登録するつもりですから。あと、俺は学生ではありません」


 友達、ね。

 それが女だったらちょっと殺気を送ってやろうかしら。

 でもギルド登録だから多分男の子ね。…………女の子だったらこんなところに連れて来る時には大人とくると思うわ。


 って、その年齢で学生じゃないのね…………。

 まあ人には人の事情はあるけど、旅人かしらね。じゃなかったらこの国に住んでる人には義務教育の年齢よ。まあ、多分だけど。………………、ちょっと不吉な予感もしたけれど、気のせいよね。不法侵入者な、わけないよね。ちっちゃいんだから。成人もしていないような、学生ぐらいの男の子なんだし。


「そうなの。じゃ、登録待ってるわね」

「はい」


 その子はそう軽く返事するとドアをじっと見て待ち続けるよう。まぁ、仲がいいのね。席に座ってても怒られやしないのに。


 次の瞬間のこと。


「あははははっ! あははっ! はははははっ! 」


 外から少年らしき笑い声が聞こえてきた。

 その声を聞いて、あの子はギルドから出ていく。

 きっとその友達ね。ずいぶん楽しそうに笑うのね…………。幼い声だけど、なんか羨ましくなってくるようなお友達ね。無邪気な子って少ないもの。


「ちゅ、厨二だっ! あははははっ! 」


 チュウニ? 中等二年生ってことかしら。たしかにあの子の年齢は中等二年生にも見えるけど、雰囲気が大人っぽいし…………。読みがあってたのかしら?


「結城、やっと解放されたか」

「あ、啓太?

いやぁ、お偉いさんの話は長かったよ」


 ユウキ、ケイタ。

 声からして、さっきの子がケイタくん、笑ってたのがユウキくんね。

 そうか、ケイタくんっていうのか…………。

 変わっている…………っと言うよりも東国の名前かしら。あ、東国なら黒髪とか黒目とかの人の割合が若干多いらしいからそれでかしら。


 って、お偉いさん?

 貴族の子なのかしらね…………?でもそれにしたら、服装が質素だし。

 あぁ、従者の子かもしれないわね。

 にしても不敬罪には問われないのかしら。あ、名前が出てないから大丈夫ね。ちょっと安心しちゃった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ