使い魔ゲット4 やっとのことで使い魔召喚だよ!啓太のを楽しみにしてるんだ!
「ともかくだよ、クロウは魔族っていう括りでは敵だけどさ、個人で見れば敵じゃないよね。だからいいんじゃないかなって」
「まぁ……いい。変わりないのを知れたからな。
さて! 使い魔召喚と行くか! カイト、使い魔召喚について知っていることを全部言ってみろ」
デリク先生は放心しているカイトをビッと指差した。カイトはぼんやりしながらクロウをぼけーーっと眺めていたけど、不意に覚醒した。
「ひゃ、ひゃい!
使い魔召喚は人生のパートナーとなる者を召喚することです! 上手くいけば使い魔召喚と契約出来ます! 」
「そうだな。方法は? 」
「専用の魔法陣を使います! 」
カイトは自分なりに勉強してきたのか、先生が前にでっかく書いてある魔法陣を見た。
「これに魔力を込めて、呼びます! それで使い魔が…………」
「…………どうやって呼ぶんだ? 」
「………………えっ」
「カイト、呼ぶ方法は合ってるが、呪文で呼び出すんだ。知ってるか? 」
冷や汗をかいたカイトは首を振る。あーー、知らないのか。でも。カイトは勉強したね。良かった。
「…………出てこーーい! 」
「よしカイト、お前は単位なしだ」
魔法陣に向かって叫ぶカイトを可哀想なものを見る目で見たデリク先生は今度はエリアスくんに話を振る。
「ではエリアス。呪文は? 」
「一般的には『我召喚す。我が生を共に歩むものよ、来たれ』ですが、正直魔力がこもっていて呼んでいれば来るという例もあります。カイトは馬鹿ですが、間違っては居ないわけですね」
「そうだな。カイト、単位は成績にかかってるぞ」
無表情無感動なエリアスくんの目に、カイトに対する蔑みと哀れみ………………というか、頭の軽さをかわいそうに思っているみたいだね。もっと頭が軽くなればいいのに。
「では、最初にみんなの前でやってみせる奴、居るか? 複数人でやると、『邪神が召喚されて命を奪いにくるから一人ずつだ』」
「じゃあ僕やるね! 」
邪神が召喚されるのか………………多分レイタの方が来るけどね。
「召喚! 我が使い魔よ! 」
「いきなり呪文を改造する奴がぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」
先生の嘆きの叫びと、轟々と唸りをあげる魔法陣が光るのは同時だった。
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「はじめまして、我が主様。私は破壊の精霊、カタストロフィーと申します」
「やぁ、はじめまして。僕は勇者の結城だよ。契約いい? 」
破壊の精霊、ね。レイタあたりが来るかなぁってワクワクドキドキしてたんだけど、まぁ………………邪神同士は召喚されないか。なら啓太に期待だなぁ。レイタ、世界に降りたがってたもの。
「勿論でございます。勇者様に召喚されて、私、破壊の精霊神も感謝しております」
「あはは、精霊さんは堅苦しいね」
「いえいえ。私には貴方様の宿命も存じております故。魔王を倒すということの重要性も重々承知しておりますわ」
つまり、この精霊神さんは魔王を倒すことが一種もキーになってることに気付いてるのかぁ。そうか、下手したら邪神ってことにも気づいているかもね。
「カタストロフィー、長いからフィーちゃんね」
「承知致しました」
………………結構フィーちゃんについては本気で好きだったから、未だに引きずっているって、悲しい、ね。
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「勇者のくせに破壊の精霊神を召喚して、魔王の息子を使い魔にしているユウキが信じられない奴、挙手! 」
「破壊の精霊神様、綺麗だった! でも人外だから除外! ということで問題ありません、先生! 」
「問題しかねぇよ! 」
啓太は叫ぶようにリア充撲滅委員会の委員ナンバー十の少年を怒鳴りつけると、目を輝かせて破壊の精霊神を眺めるクロウと、見つめられて照れているフィーちゃんに歩み寄る。
「クロウにしろ、カタストロフィーにしろ………………なんで結城は勇者らしくないんだぁぁぁぁぁ! 」
「理由はご察しの通りで! 」
「なるほど、フツメンは世界の理すら変えると」
そう思ってくれていて間違いないよね。実際、僕が鈍感属性を持っていないのもそのせいだし。まぁ、全ては「邪神だから」なんだけど。
「まぁ、ケイタ様。私は精霊神という種族ですの。精霊、を束ねるという宿命を持った神ですわ。ですが、世界神や、邪神様とは力が違いまして………………」
「そんなこと、聞いてねぇよ………………まぁ、破壊属性の破壊神、ということで納得する。無理やりなもんだ、全く」
奇遇だね、啓太。僕もそう思ってたよ。使い魔ぐらいは王道である、風とか光とかの精霊さんが良かったなぁ。まか、フィーちゃんは可愛いけど。人外? 僕も人外。