とても……平和だと思う。それってとても重要だよね、なんか幸せ。
「さぁて…………馬鹿は黙った。で、馬鹿共も黙って席についた。エリアスは最初から座っている。ケイタは頭痛を訴えた。姫様もおとなしく座っている…………で、カイト、お前だけが立っている。座れ? 」
「は、はいっ! 」
うん、カイトって…………頭は馬鹿ではないと思うけど、どこかが抜けているんだな…………。
「では連絡だ。
明日、使い魔召喚と魔武器を生成する。いつもどおりの時間に登校してくれて構わないが、使い魔召喚では指を少し切るし、魔武器生成では多量の魔力を使う。心の準備と、今日ははっちゃけて疲れないことだな。そのこともあるから今日はこれだけで終わりなんだ、わかったか? 」
使い魔召喚、魔武器生成。これは、知識だけではどうにもならないから…………エリアスくんに教えてもらおうかな。知識があっても、歴代邪神はそれをやったわけではないからなぁ…………、よく分からないし、せっかくだからエリアスくんに全部説明を頼もうか。
「なんか、寒気がするので…………先生、勿体を付けずにさっさと話してくれませんか? 」
「おうおう、エリアスは平常通り辛辣だなぁ」
………………おっ? エリアスくんってデフォルトでSだったんだ………………僕らがあんまりにもふざけるから、新しい扉を開かせちゃったのかと思ってたよ………………。まぁ、うん。いいんじゃないかな。
「でだ、体操服で登校してくれ。明日はその二つで授業を終わるからな。で、カイトは使い魔召喚と魔武器生成について予習してこい。わかったな? 」
「先生は………………ボクをあてる気まんまんなんですね………………」
「黙れ。たいていはエリアスにあてるだろうが」
「放っといて下さい、明日は是非、是 非 と も カイトにあててくださいね」
あれ? エリアスくんもリア充撲滅委員会に入りたかったりするのかな? カイトに、なんか…………そういう、憎悪っぽい感情が、ある、ね………………?
「お、おう。明日はカイトが全部の質問を答えてもらおう。異論はないか? 」
「ちょっ……………やめ…………」
「カイト、無いですよね? 」
「アリマセン、エリアス様、アリマセン、ありませんから、お願いですから、職権濫用でギルドランクを下げるのは止めて下さい! 」
あぁ、そうか。エリアスくんはギルドの受付の人だし、ギルドマスター、ルレイサルドさんの信頼もあるから、子供のギルドランクぐらいは下げれるんだね。だって、カイトは大貴族の息子と言えども………………エリアスくんよりは弱い。エリアスくんは多分平民の子供だろうけど、Sクラスでは一番、「強かった」よね。だから、平民の子に負けてるカイトには親はきつく当たるよね………………。あぁ、親は腐ってる。記憶を読んじゃあ居ないけど、ちょっとばかり世界に干渉するだけでいろいろと腐った部分が浮き彫りだ。
「へぇ? 僕はカイトのギルドランクを下げたりしませんよ? 」
「エリアス様が神格化なされた………………! 」
「ギルドに在籍していた事実から消し去ってやろうかと」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! やめてぇぇぇぇぇぇぇぇっ! 」
「冗談ですが」
勿論、エリアスくんは本気じゃない。あーー、これは……………カイトが悪いんじゃないね。カイトの親がエリアスくんか、エリアスくんの知り合い、もしくは親になんかしたのかな。カイトは腐った大貴族の家に生まれた割に幸運者だったから、エリアスくんは救われているの、かな。
「さてと。カイトが白い灰になったところで終わりだ。自由解散にしろ」
先生は諦めて溜息を吐くとカイトを憐れむ顔で見て、教室から出て行った。
「さて…………僕は今から姫サマの警護だよ。Aクラスからリア充撲滅委員会の入会を募ろうと思ってたけど………………カイトが引き伸ばすもんだからもう居ないみたい。廊下にはもう誰も居ないよ。だからリア充撲滅委員会の会合はまた明日ね! 」
「おう! 」
「了解だ、委員長! 」
その間カイトは主にリア充撲滅委員会の委員にボコられていた。ただし、今回は物理的にではなく、終わるのが遅くなったことについての言い訳を話させている。終わるのが遅くなったことについてだから、リア充撲滅委員会に所属していない人もカイトを非難。だけど、カイトはなんだかんだ言って、嫌われては居ないから普通にその後は遊ぶ約束をしていたみたいだよ。いじめに発展させる気はさらさらないからね、良かった。
でも………………、明日先生に沢山質問されるのに図書館へ行ったり、教科書を読んで予習しておこうとは思わないのかな。これじゃあ…………明日もいびられるのにね。
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