酷い発言をするようになった啓太と若干の腹黒属性を開花させたエリアス君が怖い。
何故か出来てしまうんです。
もう更新凍結をとこうかなと………勝手に指が書いてるんです。
馬鹿かと思った。最初はね。
「はっ、はっ! 」
「………よぉく、足元に気ぃつけろよ…………、エリアス」
あれーー。な、なんでかな。試験を「受けてる側」が試験を「受けさせている側」に手ほどきしてるのかな…………?
おいおい、そこでエリアスくんも素直に頷かない! 君、かなりの実力者なんでしょう?! かなり強い方でしょ?! いくら啓太が「帝」だからって、そこは強者のプライドで何とか無視してよ!
「…………駄目だこいつら、早く何とかしないと………もはや戦闘試験じゃねぇし」
「あ、先生もやっぱり思います? 」
さっきとはまったく逆に態度を一変させて、ただの「生徒」(まだ違うけどね)口調で話しかけたら、さっ、と先生が身を引いて、顔面蒼白でブルブルガタガタと震え出す。
…………なんだよ、ちょっと傷ついたよ。
「お、おま……、……破帝は決して敬語を使うな…………! あ、つ、使わないで下さい! …………、寒気がするもんで」
「あはは! はははは! 酷いや先生! 僕は『そんなに』偉い人間じゃないのにね。だって所謂『帝王』じゃないんだから、法的な立場で言えばトントン、全く同じだよ? 」
「……………特殊属性持ちが何を言っていらっしゃ、る………」
「お願いですから、敬語はやめて下さい、めちゃくちゃ怪しい変態に見えますよ、先生? 」
と、僕らの会話を完璧に無視していた啓太とエリアスくんの戦闘が激化してきた。
啓太が例のドラゴン戦で使った剣を空間から取り出し、思いっきりエリアスの腹に叩き込んだ瞬間、さっきまで僕とカクカクと不自然に話していた風帝先生がまさに「風」の如く飛び出した。
わぁお、凄い。あんな動きが人間に可能だったなんて初めて知った……じゃない、初めて見るや。さすがは風帝だよ。名に恥じない速さだね。
「おい、やめろ。闇帝…………ケイタの勝ちだ」
あぁ、そうだ…………誤解しないで貰いたいけど、剣をたたき込まれたエリアスくんには傷一つ無いからね? 思いっきり叩き込んでいた、あの、炎の剣だけど…………流石に啓太が取り出した時にまずいかな? って思ったから剣の刃をめっためたに潰して炎の出力を二十パーセントぐらいしか出ないように落としておいたから、弱い弱い。それにクティカルヒットする前に風帝先生が止めたしね。
「へいへい、分かったよ。
後! エリアス! ぜんっぜん、修行が足りないからな、お前は今、ただの雑魚だからな! 」
「はっ、…………転生チート、召還チートで経験と能力を得た人間が何を言うんだよ」
「それを言うなら…………勇者召喚と転生チート(と邪神チート)でもはや最強、神格化した結城が何を抜かすんだ? 」
「いつもどおり」の楽しい会話をしつつも、ぐったり倒れたエリアスくんに手を差し伸べる。
そして立ち上がったエリアスくんが服の裾をはらうのを見計らい、「風帝先生へ向けて」試験をやってもらいたいと伝えた。
勿論、エリアスくんはすっきりした素晴らしい、爽やかな笑顔で(ちょっとイケメン臭がしたけど、彼はちょっと格好いい程度のフツメンだ……と思いたい)すぐさま了承してくれた。
それどころか、僕に切りかかった時の毒の魔法を展開して風帝先生を脅してくれた。なんてエリアスくんって良い人なんだろう、説得が面倒じゃなくなったよ。
脅しは駄目だ? 疲れきったエリアスくんに第二戦を頼んだら可哀想じゃないか。
「エリアス……分かった、分かったから、破帝さ……ユウキと戦うから。
本当にお願いだから全帝と帝王様を易々と殺しかけた毒をしまってくれ、お願いだから、内申とか上げてやるから」
「全部、聞こえてますよ? 」
学園ちょ……ごほん、土帝先生に聞こえてるから迂闊なことは言えないっていうのに、堂々と言っちゃうんだから……ほら、物凄い目で睨まれているじゃない、考え無しだよなぁ、もう。
「たまに人間ってとんでもない馬鹿だと思うんだが、啓太はどう? 」
「安心しろ、お前が言ってもあの二人の名誉は守られるから、(お前人間じゃねぇし)いくらでも言っちまえよ、結城」
あれーー? あんなに昔は純粋素朴かつ平凡なメンタル……とややチキンビビりの(かなり酷いのは自覚してる)啓太が……若干、酷い気がする。僕が大分酷くてエグい発言してるせいなの、か……な。どうだろう。
「二人の心のライフが比較的簡単にゼロにしちゃえるから遠慮しとくよ」
「…………ちぇっ」
残念がるなよ…………。
ちなみにこの間二人はやいのやいの言ってたよ。
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