来たよ来た!王道展開来た!学園編に突入!
「………………え。……りぴーと、あふたみー? 」
「…………りぴーとあふたみー? 何ですか、その言葉は」
「…………あ、ああ! 忘れてください! もう一度行って下さりますか? 」
って、あの(バカ)姫が僕「ら」に依頼? いや、この場合は一応「僕」に依頼、かな? あー、違うや。てかどっちでもいいや。僕がいたら啓太が来るとでも思ってる可能性も捨てきれないし。まぁ、事実、一緒にいるんだけども。
「…………えぇと。依頼内容を読み上げますね。
『勇者ユウキ殿、ケイタ殿にキリアナ姫が依頼す。魔法の演習及び戦闘訓練のためレーディ・クロス国立学園に途中編入し、名目上は私の護衛とすること。』
…………だそうですよ? 」
「(あー、テンプレだな、結城)そんなのあるんすか? 」
「(あるある。こんなの絶対、啓太に惚れたからだよね、リア充爆発しろ! )僕、すでに魔法使えますけどね。ドラゴン倒してきましたし」
「鱗ーー! 」
およ? 啓太も依頼に入ってたか…………まぁそんなことはどうでもいい。ただ啓太への執着心がわかった。ただし少しも羨ましくないね。ただし啓太がキラキラ笑顔で鱗をながめるのだけは許さん。ここに女性が居ないからいいものの、悔しい思いをするところだった。危ない危ない。
「(迷惑してるんだが…………って、あれは愛情表現なのか? 迷惑極まりないんだが)へぇ、断るのはどうなんです? 」
「止めておいたほうがいいですよ。勇者の力を持ちながら、国へ反抗心を持っていては消されますし。王命は絶対ですよ? 」
「(あの姫に惚れられるのは嫌だ。同情はするけどイケメンは爆発しろ)どうしてもですか? 」
「えぇ。王族の命令に反すれば神罰が下りますよ。」
ふぇー、酷いなぁ。って、僕は神罰なぞ落とさないけどなぁ。むしろわがまま姫さんの依頼を断るとか言う、真の勇者には祝福をあげたいぐらいだけどねーー。
「そう、ですか…………まぁ、僕らは元いた世界で中学生だったので学校…………学園は懐かしいです。ぜひとも行かせてもらいます」
「そうだな。せっかくこの馬鹿な脳みそでも充実した生活を送っていたのに……………」
「あぁー、リア充ない意味でだよね、啓太! イケメンは死滅だよ、顔面爆破! 」
「こ、怖っ! 」
・・・・
・・・
・・
・
「………………試験だってさ、啓太」
「………………泣いてもいいよな? 」
現実は甘いものではないって知ってたさ。さすがの姫も、入学さえしてしまえば同じクラスにするなんて造作も無いみたいだけど、裏口入学は出来なかった見たいだよ。まぁ、好都合かもしれないけど。
「はい。この時期に編入試験は無いのですが、姫様が曲げました………………そのかわり試験は筆記、実技共に高得点を取らなくては受かりません」
「…………………俺終了のお知らせだな」
「いや、そうでもないんじゃないかな」
異世界の試験だよ、どうせ啓太はレベルの低い算数とかでも引っかかるんだろうけど、そこはともかく、国語は転生チートでなんとでもなるし。それに魔学、だっけ。ここの勉強は。啓太の得意な厨二知識のオンパレードなんだからなんとでもなるよ。
「ここのテストは厨二な知識のオンパレード。啓太も80点は余裕じゃないかな」
「………………おぉ! 」
チッ、イケメンがキラキラしやがって。いいさ、入学したらリア充撲滅委員会を結成してやる。鈍感! 撲滅! リア充! 爆発っ!
「実技試験はいくらでも勝ってやればいいしさ。さ、行こうか」
僕らはそのままエリアスくんの「転移」で学園に転移した。
………………エリアスくんはいつから案内係になったんだろう。年齢的に生徒なのかな?