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1.前書き
実の父親には
お 前 な ん て
生 ま れ て こ な け れ ば よ か っ た
と言われ、置いて行かれた
母親はいない、どんな顔かも知らない
捨てられた、その事実が当時6歳の永翔には理解できなかった
きっと仕事が忙しいだけなのだと――――そう思っていた
一週間以上経っても帰ってこない父を、永翔は待ち続けた。だがそれから中学生を卒業しても、一度も父を見ることはなかった。
永翔の心は壊れかけていた。否、もう壊れていた。
彼は悲しむことはしない。嘆いたりしない。
ただただ、“笑う”だけだった。笑って、この世の全てを受け入れた。
平成二〇四三年の春。高校一年生になって三日目の帰り道。
永翔の日常は崩れた。
永翔は親に存在を否定されただけでなく、二人の“王”に命を狙われた。
彼を守るために現れた紅蓮の少女―――――璃音は悲しき現実を永翔に告げる
「お前がこの世の源である禁じられた書物、“森羅万象”をもっている」
真実を知った永翔は、何を思うのか―――――…?
まだまだ未熟者ですが、長い話になりそうです…;;
コメいただければ嬉しいです。