お面の男
ある日、ある時、団地近くの公園にて
一人の男がベンチに座っていました。
その顔には狐のお面。
みんな怖がって、男の周りには誰もいません。
ある日、ある時、とある公園にて
お面の男に話しかけてくる者がいました。
近所に住んでいる女の子。
お転婆です。
女の子は聞きました。
「そこでいつも、何を待っているの?」
男は答えました。
「共に歩んでくれる人を」
諦観と、自嘲と、そして、切実な響きが籠っていました。
「なぜ、いつもお面をかぶっているの?」
女の子はさらに聞きます。
「それは――」
男が言い淀んだ時、金切り声をあげて女が飛び込んできました。
「近寄らないで!」
ある日、ある時、とある公園にて
一人の男がベンチに座っていました。
男の顔には狐のお面。
男の周りには誰もいません。
さっきまで、子供の笑い声が響いていたのに。
***
ある日、ある時、とある公園には
ある時さっぱりと、とあるお客が来なくなりました。
そう、あのお面の男です。
ですが、子供には関係がありません。
今日も元気いっぱい遊びます。
ある日、ある時、とある公園にて
子供の声が響き渡っています。
ベンチには奥様方が座るのみ。
男の影は、ありません。
ああ、ほっとした。
奥様方は談笑します。
ある日、ある時、とある団地の一室にて
一人の男が倒れていました。
でも誰も気づきません。
男の顔は火傷によって、醜く焼けただれ
傍らには、狐のお面が……。
女の子と話す部分をもっと工夫したいです。何か思いついたら改変します。