6話目 適正・選考試験週間【花開く?】
すみません変な事になってしまって
「あっ! 巧・・・どうだった?」
生徒会室での記憶が終わった俺は、教室に帰ってきた。
この教室は生徒会室ほどではないが、一応高そうに仕上がっている。
「全く、余計なことを吹き込まれたよ
しかも覚えちまったからな」
「!? コウ! めちゃくちゃ必要なんだけど!」
「あっ! 覚えたのは、重要なファイルみたいな?
やっぱ凄いよなー巧の『絶対的』レベルの記憶力」
何か、あんまり会話になってねーな
そんな事を巧が考えてたときだった。 いきなり護が隼十を押さえつけた
「え?・・・ 何すんだよ護!」
「答えろ。何でファイルだと分かった!」
うっ・・・ 怖い時のマモルだ・・・
しかも俺、ファイルを隼人が知ってることに少しの疑問も持たなかった・・・・・・
「えっ・・・知らない人からから『ファイルを覚えるの大変だった?』ってメールが」
隼十は、ホラッ と証拠のメールを見せながら答えた
「え・・・」
「何で・・・・・・! ちょっと見せて!」
一瞬呆然とした護だったが、何かを思いついたように隼十の携帯電話を見た
「どうしたんだよマモル」
「コウ 思い出して。今起きてる事件はメールの混線でしょ?
つまりこのメールはコウ宛のメールだよ!」
そういいながら護は、巧にメールの差し出し主のアドレスを指差した
「このアドレスに見覚えない?」
「え? 巧と護は知ってるの?」
「・・・・・・! そうだ! 知ってる! このアドレスは今日交換した吾妻・・・先輩のアドレスじゃねーかよ!!」
((あっ 今、呼び捨てにしようとした))
護と隼十は、同じ事を考えた
とりあえず護は直ぐに立て直した
「その通りだよ。 つまり、犯人は今もこの犯行を続けているって事になる・・・」
「まあ あのファイルには、大して得することは載ってなかったけどな」
「犯人? 犯行? それってどういう事だよ!」
護と巧の会話を聞いていた隼十は、やっと気付くことができた
しかし、鈍すぎだ
「・・・・・・さっき言ってたじゃねーかよ・・・」
「うん・・・犯人は、メールの送り先を混線させてるんだよ・・・」
「え どーやって?」
「それが分かんねーから考えてんだろーがァァ!!」
巧は隼十の発言にキレて、殴りかかろうとした
それを護が止めて、話を続けた
「コウ! 話を聞いてね
で、犯人はどうやって混線させてるかってのはいい質問だったよね」
隼十が巧に向けて、ほら見ろとでも語ってそうな顔を見せた・・・
そんな事に耐えられないのが巧という男なので・・・またもや殴りかかった・・・・・・・・・のは、不発に終わった・・・ 理由は、護が睨んだ。ただ、それだけだった。
だが、それだけ? とも思える行為はしょうもない争いをしている2人には十分なようで、既に教室にもかかわらず、正座している・・・・・・
「でも、方法なんて、携帯電話の登録会社が何かやればいいんじゃねーの?」
「あー そっか」
巧の意見に隼十が返した。しかし、護はその意見を覆した
「確かにそれが妥当だと思うでしょ?」
「「違うのか?」」
「うん。コウが記憶した資料には色んなデータがあったけど、契約会社はバラバラで、被害がこのIEI機 関の地域で起きているんだ・・・」
「じゃあ違うのか・・・」
「てゆーか・・・コウ、ホントに記憶してたの?
普通あの情報さえあれば分かるよ・・・・・・」
「ウッ・・・・・・ ま、まーいーじゃん」
(ごまかした・・・)
(明らかに動揺してるし・・・)
「・・・でも、それだけ分かってもどうしようもないんだけど・・・
せめて少しでも手がかりがあれば・・・」
「例えば?」
「犯人の目的を特定できるのが一番良い・・・」
「・・・・・・あれ?・・・
護・・・オレ達、勉強してない・・・・・・」
「そうだね」
「あれ、マモルは余裕じゃん」
「試験寸前に慌てなくちゃいけないほど、僕の勉強は軽くないよ」
「えっ・・・ じゃあ、オレだけピンチじゃーん!!」
そう言って隼十は、机に向かって走り出した――――
カリカリ・・・
教室はペンが紙の上を走る音以外とても閑静で、厳格な雰囲気に包まれている・・・
俺こと海馬 巧は、テストの半分を終わらせたところでもうペンが止まっていた
まぁしょうがないよな・・・分かんねーし・・・
って言うのが続き、既に今日のラストだ
(しかし・・・手がかりって・・・何かあったような気が・・・)
そこまで考えたところで試験が終了した
(終わったか・・・こんなに長いのが続くと思うと億劫だ・・・)
巧は、普段こそ、ちょっとした馬鹿キャラでやっているのだが、こうして思考するときは真面目に考える。そんな誰も知らない事が、巧が天才ということを裏付ける・・・いや、もしかしたら護がいるからこそそう見えるのかもしれない。それならば、いつか、天才の一人として花開く時が来るかも知れない・・・来ないかも・・・しれない――――
「あ~、どうしようどうしよう」
「「なにが?」」
今の時間は昼休み、何故か隼十が心配そうにウロウロとしている
それをただ眺めていた2人もどうかと思うが・・・
ちなみに! 先ほどの巧に関しての事は、戯言なので御気にせずお願いします
「何がって!
そりゃー、テストのことに決まってんだろ!」
(いい加減うぜーな・・・)
「大丈夫! 隼十なら合格できるよ」
「護~~ ありがと~」
どんだけ不安だったんだコイツ、面白そうだから、茶化してやろう!
「大丈夫! 俺も保証するよ」
「巧まで・・・あり「絶対不合格って事をな!」・・・ウルセーー!!!」
「あ、今日の朝のメール見たか? 俺のお陰で、名前を書き忘れずにすんだな!」
「あー、あれ? 返信見なかったの?」
「え?・・・返信なんてなかったけど・・・
マモルは来たよな?」
「うん・・・来たよ
じゃあ、もしかして、今回の事件の影響で・・・」
巧はそうだなとうなずき、隼十は・・・・・・? 血の気が引いている・・・
「隼十! 何て送ったんだよ!!」
いきなり名前を呼ばれて驚いた隼十は、動揺した様子で言った
「べ、べ、べてゅに、たいしたコトは、お、おくってないよ」
(う、わ~バレッバレ・・・)
(べてゅにって・・・)
「はいはい、で、なんて送ったの?」
「言わなくちゃ駄目?」
隼十は、巧を見ながらおずおずと答えた
「当たり前だろ!
誰に届いたか特定できるかもしれねーんだぞ!」
「わかったよ!
え~とね~・・・『死ね』って・・・」
「ガキかよ・・・」
「悪気はなかったんです
つい魔が差して・・・
主人には言わないで下さい」
「万引きして、捕まったおばちゃんかよ・・・」
こんな状況でもボケを続ける2人とは対照的に護は少々危なげな顔をした・・・そして
「それって・・・他の人に送られたんじゃ・・・・・・」
サー
血の気が引く音がリアルに聞こえてきた・・・
「ヤッッッベーー!!
どうすんだよーー!!」
「良かったじゃねーかよ
テストのことを忘れられるぜ!」
既に、隼十はそれどころじゃなかった・・・
巧「何でこんなサブタイトルなんだ・・・
本編と関係ない・・・」
作者「思いつかねーからしょーがねーじゃねーかよ!
あっ 内容の変更は失礼しました
今後は、3000文字前後でやっていこうと思います」
巧「はあ・・・」