カラオケ店でのNG行為
友達とカラオケ店にいたナオヤは途中部屋を出た。そのままナオヤはトイレに向かった。用を済ませた時ふと壁を見た。そこにはご利用時の注意と書かれた紙が貼ってあることに気がついた。ナオヤはそこに書かれたいくつかの注意、いやNG行為を黙読した。
-共有スペースでの大声
この場合の共有スペースはフロントやドリンクバーがある部分、トイレや喫煙所などがあげられる。
今回ナオヤが訪れているカラオケ店には喫煙所がないため、共有部分は3か所だ。
大声をあげることは単純に周りの人に対しての迷惑行為である。本人達が大声で話していないと思っていたとしても周りが大声だなと思ってしまえばそれは大声になってしまう。
トイレでは話すことはないが、ドリンクバーやフロントでは話が盛り上がってつい大声になってしまう可能性もある。気を付けたいな、ナオヤはそう思った。
-故意な振動
歌っている時盛り上がって振動を起こすことはあるだろう。軽くジャンプするなどがその例だ。
まぁ歌っているからといってたくさん盛り上がって、他の部屋にまではっきりと聞こえるような振動は良くないよなと個人的には思う。ほどほどに盛り上がればいいのだ。
迷惑かかるだろうけど別にいいよなと思うような振動を起こすことは禁止ということだ。壁を殴ったり蹴ったりがそれに当てはまるだろう。特にハードものやロックの音楽では起こりやすいのだろうと勝手に偏見として思っている。
ナオヤの友達にはそのような人は今のところいないが、この先そのような人がいたなら止めなければなとナオヤは思った。果たして止めることはできるだろうか。俺はキーパーになれるのか?
-ドアや窓の開放
外に音をあえて漏れやすく聞こえやすくする効果があるのだろう。ナオヤはこれをやる意味、やりたい奴の心がよく分からない。
ドアを開けっぱなしにすれば、廊下を歩く他のやつに見られる。何を歌っているかもバレる。バレていいのか?ちょっと恥ずかしいとは思わないのか?もしドアの開放がこの先禁止行為から外れたとしてもナオヤ自身はやろうとは思っていない。恥ずいもの。
-ドアの窓に目隠しをする
これに関してはなぜダメなのだろう。先ほども言ったとおりナオヤは歌っているところを外から見られたくない人である。ドアの窓を目隠しにすることで外から見られる可能性も心配もなくなるのにと思う。
あれか、やはり犯罪リスクか。見えないようにすることで密室空間を生み出し、良くないこと、詳しくは言えないが18禁がらみのことが行われる危険性を無くすためか。
もしくはそのような行為が行われたときに発見しやすくするためか。いや、待てよ。ドラックの可能性もあるのか。見えないようにすることでドラックを吸うなんてことも起こるかもしれないのか。
まぁそうなら目隠し禁止は仕方がない。犯罪のリスクなら仕方がない。殺人や暴行なんてこともあるかもしれないし。犯罪のリスクなら仕方がない。
-他の部屋への入室や覗き
間違って他の部屋に入ってしまった。そういう経験はないだろうか。ナオヤの友達の一人は6と9を間違えてそういう経験をしていた。
この場合「すいません、部屋間違えました」と言ってすぐに出ればいいのだろう。おそらく相手も部屋間違ったんだなって思うから。何間違ってるんだろって怒る人も中にはいるかもしれない。人によっては会計時にスタッフにクレームをいう人もいるかもしれない。まぁでも間違ってしまったはしょうがないと捉えられるだろう。
この場合の他の部屋への入室はナンパ行為をする人がいるからだろう。昔放送されていたドラマでそのようなシーンがあった。なんていうドラマなのかナオヤは覚えていないが、大学生二人が部屋を順番に開けて中にいる女子をナンパして、お持ち帰るなんていうシーンだ。ナンパして失敗する場面もあった。いずれにしろそういう人がいたから禁止になったのだろう。
また、酔っ払って部屋が分からなくなって入ってしまった場合もあるだろう。これは酔っ払いが悪い。ダル絡みされるかもしれない。この場合はすぐに受話器を取ってフロントに連絡したほうがいい。酔っ払った知らない人が部屋に入ってきましたと。
フロントの人は受話器を置いた後ため息をつくかもしれない。めんどくさいなと思うだろう。スタッフが複数いる場合は誰がいくかジャンケンするかもしれない。その場合負けた人が行くことになるんだろうなとナオヤは思った。
酒を提供しない、持ち込みを禁止にしたとしても他所で飲んだ後に来られたら意味がない。しかし酒を飲んだ客はお断りとしたらカラオケ店の売り上げは減るだろう。カラオケは二次会で利用される場合も多くあるからだ。
覗きは怖いからするな。覗いて盗撮するやつもいるかもしれないから、覗かれないように出来れば目隠ししたいのだがそれができない。犯罪のリスクなら仕方がない。
-ペットの入室
よくあることだ。ペットを連れていい店はあまりない。籠に入れて外に出ない状態なら許可しているところはあるが、リードを繋いで歩いたり、抱いたまま入店できるといったカラオケ店はナオヤは見たことがない。
犬や猫に限らずインコなどの鳥や亀などもこのペット入室には当てはまるだろう。有名な推理ドラマにはリスを肩に乗せたまま現場に現れる刑事がいるが、彼がもし現実世界のカラオケ店でそのようなことをしたら出禁になるだろう。
-暴力団、反社会組織の入室
これもよくあることだ。禁止令に書かれている代表格と言っていいだろう。もちろんナオヤも今一緒にカラオケ店に訪れている友達も暴力団や反社会組織の人ではない。
-危険物や薬物の持ち込み•使用
これも当然だ。危険物には灯油も含まれるだろうし、ナイフやカッターなどのき凶器類も含まれるだろう。
ナイフの所持は、刃体の長さが6cmを超える場合、業務や正当な理由がない限り(この場合の正当な理由は、板前さんが店に包丁を持っていく、新しくナイフを買い替えて今家に帰宅する途中など)銃砲刀剣類所持等取締法で規制されている。これに違反すると2年以下の懲役または30万円以下の罰金となる。
薬物に関しても同じだ。使うことも所持も逮捕される。当たり前のことだ。もちろんナオヤも友達も薬物は所持していない。
ナオヤは全てのNG行為を確認した後洗面台に移動し手を洗った。その後ドアを開けトイレを出たナオヤは友達がいるカラオケの部屋に向かった。
部屋番号を間違えて違う部屋に入ってしまうとNG行為に当てはまった行動をしたことになる。ナオヤは3回部屋番号を確認してから部屋に戻った。
カラオケ後ナオヤは友達にカラオケ店でのNG行為がどのようなものか語った。語り終えた後一人の友達がナオヤに言った。
「ナオヤ、そんなこと今更知ったのかよ」と。