4.キシング・タスコ、君は名ばかりセクシーだ
今朝、私たちは街を出でて後、荒れた野の上を歩いている。
「タスコ~。チリホ共はこれまでにどのていどを歩いた?」
「分からない。だがかなりになっただろう。」
「タスコはバイトへはよいの?」
「朝起きてからバイトは飛び去ると決めていた。」
風が砂塵を上げる。周辺には私共その他には乾燥した地面が拡大しているだけであり、些細には人々の記憶から忘れられた旧線路が途切れつつ伸びやかにある。遠く過去の蒸気機関車の盛況がイメージの中にだけ騒がしく愛せる。先頭から煙を巻いて花の園を駆け巡る。お嬢さんがハンカチーフを抱いて涙する。日が隠れるほど駅にシルエットが半端になっていく……。私はその線路を目視でつないでいくと普通に足が追いかけるようだった。チリホは私の背中を追っている。
「疲れるなら言うの。オウケ?」
「うむ。」
この状況でチリホの馬鹿げた面が少しでも私をヘルスしてくださる。ああ、そこまで口を開けたまま笑顔で砂塵が入らない? あなたは砂塵から水分を吸収する新手のサボテンですか? しかし実際に彼女はゲットバック・チリホだ。
「ゲットバック・チリホ。」
「ええ?」
「はい、変な名前だ。私は今までこれに気づくことがなかった。」
「チリホの名前は一般的だ。キシング・タスコ、君は名ばかりセクシーだ。本当にあなたは全くセエクシーじゃない。そして誰かの所有がない。」
「所有なしはあなたも……。おい、あれを見て。」
その方から三頭の馬とそれらを運転する三人の男たちが来る。三人は端の沿った帽子を頭の上に着ている。チリホは突然叫ぶ。
「西部開拓時代の残党!?」
「いいえ、違います。」
「我々は西部開拓時代同好会のメンバーです。」
「こんにちは。面白い女子たち。」
「はん? 違いのか。」
「チリホ。失礼でしたよ。」
私はチリホの頭を下げて三人に詫びを差す。男共は優しく笑う。
「気にしないで。」
「ところで二人はここで何をしている。」
「ここは女子たちが楽しいところだろうか。」
「まあ、それはですね……。」
「タスコがバイトを飛び去るの! チリホはタスコの共に。」
三人の男は顔を見合わせ、三頭の馬は知らぬ存ぜぬ。男共はなんだか合点した様子。
「あははは。バイトを飛び去る。了解した。よいと思います。」
「ああ。そういうエナジーもあるよね。」
「後ろに乗りなさい。あなた共を連れて行ってあげよう。」
「えっと、どこに連れて行くのですか?」「アイスクリーム。」
「タスコ。あなたはあの先へ行くのでしょう。」
一人の男が太い指を向けた何もない荒野の地平線……そこには街があった。私の出でた街とは別の街。私は目を信じれなかった。砂塵は薄く変わっていた。
「街が一つということはない。街を出でれば別の街がある。それが球形と文明の相乗効果なんだ。さあ、乗るがいいだろう。女子たち?」
五人は三頭の馬を乗馬し、地平線の街を目指す。到着までの間は西部開拓時代同好会メンバーによる西部開拓時代のテイルを楽しんだ。好き者の語っている歴史は活力がある。タスコもチリホもとても満足していた。時間は無視、地平線の街へ降り立つ。
「ありがとうござます。」「ござます。」
二人で感謝を口にする。
「ええんで。」「元気しろや。」「どこかいつか。」
西部開拓時代同好会メンバーの三人は各馬に乗馬し、走り去った。別れると一気に、新しい街に肌を抱かれる感覚。私はチリホの方角を見る。
「タスコ~。チリホは疲れた。それによってアイスクリーム!」愛せるバカ面。それに免じて私は気持ちよい応答を。
「……もち。あなたが喜ぶならそれでよしよ。」
これにてシーズン0『Don’t call me PROTOTYPE』終わりです。はい。そんなものはありませんでした。しかしこれからはあります。これからもタスコとチリホ、そしてしばらくで開始するだろうシーズン1『狒々』をよろしく。