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硬さ比べー1分で読める1分小説ー

作者: 浜口倫太郎

「バカな、俺の方が硬いに決まっているだろ」

「ふざけるな、俺だ。俺の頭はダイヤモンドだ!」

 どちらの頭が硬いのか、エビとカニがもめていた。甲殻類にとって頭の硬さは、何より重要なことだった。



 その二匹の間で板挟みになったように、カモメがおろおろとしている。

 自分が一番硬いとカニが豪語していた。そうエビに口を滑らせてしまい、この騒ぎになってしまったからだ。



 そこでカモメが閃いた。

「そうだ。いいことを思いつきました。エビさんがジャンプして、カニさんの頭に頭突きをする。そうすればどちらが硬いかわかるんじゃないでしょうか?」



 それは名案だ、とエビとカニがうなずいた。

 早速二匹は対峙すると、エビが海老反りになってジャンプをした。凄まじい跳躍力だ。カニはグッと眉間に力を込めて、その衝撃に備える。



 ガツンとお互いの頭がぶつかると同時に、パカっと頭の殻が割れた。二匹とも即死だった。



 カモメは生唾を飲み込んでから、「いただきます」と二人の脳みそと身をうまそうに食べた。どちらも最高の味だった。



「エビもカニも俺の何倍も強いが、こうして頭を使えば食べることができる。頭は硬さではなく、中身が大事なんだよ」




 カモメは満足そうにゲップすると、上機嫌で飛んでいった。


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