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六年一組の事件  作者: 包丁
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第十四話 ついに犯人を捕まえた

あたし達はマサコプターとゲロ、あたしと模酢と佳代の二手にわかれて植え込みに隠れた。

犯人を見つけたらすぐに追いかけられるように椅子を担ぐ。

植え込みの中から椅子が飛び出ているけど、気にしない。

「ねえ、誰が犯人だと思う」

あたしは椅子の角をさすりながら。

椅子の部位の中では、一番角がかわいい。

「うん。あたしは思うには・・・」

「誰!?誰だ!まだ、出てきていない新しいキャラ?」

「ここまで来て、新しいキャラが犯人だったら酷いだろ!あたしは、花島真横だと思う」

「え?鉄板で焼いて食べる?」

「聞き間違えるにもほどがあるだろ!?犯人聞いてるのに、そんなに関係ないこと言わないよ!花島真横!第一被害者が犯人ってよくあるでしょ」

「いくらなんでもそれだけじゃ・・・証拠がないじゃん。まぁ、なくてもいいけど」

「それはダメだろ」

「・・・あっ!」

佳代が息を殺して指差す先には・・・。

「真横!」

真横はあたし達が潜んでいるところよりも、だいぶ前のほうで逆立ちした状態で、立ったり座ったり意味不明に土砂に突っ込んだり潜んでいた。

「いったいあんなところで何をやってるのかしら」

と模酢。

「儀式じゃないかしら?」

「儀式?」

佳代は首をひねる。

「雨乞いよ」

あたしは自信満々。

「あれで雨が降るの?」

「降るわけがないだろ!佳代、いちいちゆりの言うこと聞かなくていいから」

しばらくして半ケツ賢者マリモリ様の公演が終わり、終了のベルが鳴った。

劇場からたくさんの人が出てきたが、真横はそんなことは気にも留めずに、逆立ちした状態で立ったり座ったり、意味不明に土砂に突っ込んだり潜んでいた。

間もなく非常口から、コソコソ人が数人出てきた。

・・・その瞬間、真横が異臭を放って走った。

臭いなぁ。

「さては、あの人達にコンソメにクリームを混ぜたソースをかける気なんだわ!」

「やばい!金属バットで殴るなどして、金品を要求してやる!」

「やりすぎだよ!捕まるよ!」

「じゃあ木製バットで!滅多打ちぃぃぃ」

「バットの材質の問題じゃないよ!」

あたしと佳代と模酢は真横をじっくり追った。

向こうからゲロも走ってきた。

どうやらゲロも違うところから見張ってたみたい。

すごい、ストーカーみたいで気持ちが悪い。

完全に犯罪者の顔。

真横はコソコソ出てきた人の前にくるとアジ、サバ、イカを突き出した。

臭いなぁ。

「ベッショム様!あたしが釣ってきた生物を家に飾ってください」

真横がそう叫ぶと同時にあたし達は、ぶっ飛んだ。

「ベッショム様・・・?」

コソコソしていたのは半ケツ賢者マリモリ様のメンバー達だったの。

小さくジャンプしながら右手を5度、空へ突き上げ。

「くれるのか?その生物を?くさいナァ、うん。すぐに捨てるよ!ありがとう」

って真横からアジ、サバ、イカを受け取って、すぐに道に叩きつけた。

そして急いで車に乗り込んで行った。

真横はうれしそうに小さくジャンプしながら右手を5度、空へ突き上げた。

「ベッショム様!素敵!」

はしゃいだあとで、あたし達が見てることに真横は気がついたみたいで顔を意識不明の重体みたいな色にしてる。

「いつからいたの!このことはみんなには言わないで!おねがい」

みんなには言わないって約束してあげた・・・ウソだけど。

絶対に言いふらすけどね。

アジ、サバ、イカ・・・おいしそう。

「真横が絶対犯人だと思ったんだけどなぁ」

佳代は走り去っていく真横を見ながら言った。

「それじゃあ、犯人は?」

あたしがそうつぶやいた時。

「みぎゃあああ」

どこからか女の子の悲鳴が聞こえた!

「みんなきてくれ!」

マサコプターが呼んでいる!

今度こそ犯人だ!

あたし達は椅子を肩にかけると走った。

でも疲れたので、すぐに歩いた。

そして椅子を置き、そこに座った。

「椅子に座ると疲れがとれるね」

佳代は椅子の上でくつろいだ。

「首も取れる」

「首は取れないよ!ってか休んでる場合じゃないでしょ!早くいくわよ」

「えええ・・・早くしたらお金くれる?」

「なんで!?あげないよ!」

「土地は土地はくれるの?」

「あげないよ!もう、いいからいくわよ!」

あたし達が走っていくと、会場の入り口で浦澤さんが倒れこんでいた。

財布を盗むチャンス!

って今はそんな場合じゃないか。

「いきなりコックさんが、あたしの大事な半ケツ賢者マリモリ様のグッズ。4畳半くらいのタオルを取ったの!」

浦澤さんのゆびを指す方をみたらマサコプターが椅子を持って、ピンクのトレーナーにフリフリのついた短パン、頭にはコックさんがかぶる帽子姿のヤツを追っかけている。

あたし達もそっちに向かって走っていく!

と、見せかけて逆にダッシュ。

フェイント!

「意味はないけどね」

「無駄なことしてないで、ちゃんと追っかけようよ!」

犯人は4畳半くらいのタオルのせいかうまく走れない。

タオルにしてはサイズが大きすぎるよね。

マサコプターが腰をくねらせ、椅子で犯人を殴っている!

でもみねうちだから大丈夫。

「よし」

ついに犯人を捕まえたのね。


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