第6話 痛みレベル:★★★★★★★
【痛み、苦しみレベル】
表現方法:★☆☆☆☆
【目安】
★1=深爪、引っかき傷
★2=歯が染みる(虫歯C2レベル)、どこかに体をぶつけた、風邪
★3=虫歯(虫歯C3レベル)、捻挫、骨のヒビ、インフルエンザ、乗り物酔い
★4=骨折、麻酔無しの縫合、骨を折りながら殴る、帯状疱疹、バット折失敗
★5=新型コロナ、全身麻酔が切れた手術後、ギックリ腰、金的攻撃
【8/19(月)地獄5日目 不眠5日目】
歯医者の予約は11:00。
ずっと起きっぱなしなので、時間の経過が異様に遅い。
だが、それでも午前中に見てもらえるのだ。
あと少し我慢すれば何とかなる!
その一心で、俺は10:00に歯医者に行った。
何か奇跡が働いて、キャンセルが出たりするかもしれないと思ったのと、家に居ると気を失いそうになるのだ。
その失いそうになる意識を、痛みで覚醒する悪循環と戦っていた。
ならば『1分でも早く歯医者で見て貰える様に動くべきだ』と判断したのだ。
朦朧とした頭でこれはナイス判断だった。
何故なら、たまたま受付に来た先生が言った。
「うわッ!? 大丈夫!?」
そう言えば、鏡を見ていなかったので、顔の正確な状態は分かっていなかった。
目は半分以下しか開かないので、腫れているのは何となく理解していたが、まさか『うわッ!?』と言われるとは思わなかった。
「少し待ってください! なるべく早く見ます!」
ラッキーな事に、重症患者として診てもらう事になった。
俺の判断は正しかったのだ。
だがこの後に痛みから解放される所か、増す事になるとは夢にも思っていなかった。
「まず麻酔をして、原因の歯が他の歯に干渉しない所まで削ります。……最初に言っておきますが、地獄の痛みを覚悟して下さい」
「えっ」
「レントゲンを見る限り、やはり明らかに歯周炎です。ここまで顔が腫れる歯周炎の場所に麻酔を打ちますので、一時的に周囲がより圧迫されます。また、削る振動は耐え難い痛みになるかもしれません。覚悟してください」
「……はい」
俺に選択肢は無い。
一時的に痛くなろうとも、その後の天国が待っているなら『何でもしてくれ!』と願っていた。
そんな俺の覚悟を嘲笑う地獄の治療が始まった――