第25話 痛みレベル:★☆☆☆☆
【痛み、苦しみレベル】
表現方法:★☆☆☆☆
【目安】
★1=深爪、引っかき傷
★2=歯が染みる(虫歯C2レベル)、どこかに体をぶつけた、風邪
★3=虫歯(虫歯C3レベル)、捻挫、骨のヒビ、インフルエンザ、乗り物酔い
★4=骨折、麻酔無しの縫合、骨を折りながら殴る、帯状疱疹、バット折失敗
★5=新型コロナ、全身麻酔が切れた手術後、ギックリ腰、金的攻撃
【10/2(水) 歯医者/さらば永久歯】
「問題なさそうですね。それでは抜きましょうか」
「は、はい……」
「それでは麻酔をしますのでちょっと痛いかもしれません」
「はい!」
良かった。
麻酔不足では無かった!
ただし、麻酔は少し痛かった。
針を刺す痛みは無かったが、麻酔薬の注入は、即ち歯の根元の圧迫であり、歯周炎の再現と同義。
とは言っても、あの激烈な痛みに比べれば些細なモノで、あの地獄の痛みに耐えてきた我にとって臍が茶を沸かすレベルよ!
フハハハハ!!
「では抜きます。痛かったら言ってください」
「は、はい……!」
ペンチか何かの抜歯道具が私の歯を掴む。
グラグラと揺すると同時に、内部でミシミシ、ミリミリと音が聞こえる。
相当苦戦しているのか、すっぽ抜けて別の歯に抜歯器具が当たるが、まあいい。
親知らずを抜いた時は、短時間だった気がするが、歯並びの悪い場所だけに難易度が高いのだろう。
この程度、どうって事ない。
私は長期戦を覚悟して瞑想する――
「はい、抜けました」
えっ!?
抜けたの!?
全然感触が無かった!!
「暫く違和感があるでしょうが、歯が抜けた歯茎は自然に塞がります。炎症防止のために抗生物質と痛み止めをお渡ししますので、それを飲んでもらうのと、何か異変があれば直接来てください」
「はい」
舌で抜けた歯の周辺を触ると、ポッカリと穴が開いている。
抜けた歯が治療テーブルに置かれており、血だらけの歯だった。
親知らず以外の永久歯を抜くのは初めだが、一抹の寂しさが残る。
アバヨ永久歯!
できれば私が死んで火葬される時まで一緒に居たかったが、どうやらココで別々の道を歩む様だ。
お前とは長い付き合いで、歯並びが悪いばっかりに苦労させられたが、これでお別れと思うと寂しいけど、今回の小説13,160字分の価値はあったゼ――
「では、ガーゼを暫く噛んでいて下さい。止血です。目安は30分ですが、暫く出血は続くと思います。一週間後、抜歯後の確認をしますので、もう一度来てください」
「ははひはひは」
実はこの文章を書いているのは抜歯2時間後なのだが、出血は止まらない。
大流血ではないが、何回ガーゼを交換しても血が付着する。
親知らずを抜いた時は、こんな感じだったっけ?
大丈夫だろうか?
あと、今日こそ、この小説(?)を投稿するつもりだったのに、またお預けだ。
私は一週間後を待つ事にした――