第12話 痛みレベル:★★★★★★★★★★★
【痛み、苦しみレベル】
表現方法:★☆☆☆☆
【目安】
★1=深爪、引っかき傷
★2=歯が染みる(虫歯C2レベル)、どこかに体をぶつけた、風邪
★3=虫歯(虫歯C3レベル)、捻挫、骨のヒビ、インフルエンザ、乗り物酔い
★4=骨折、麻酔無しの縫合、骨を折りながら殴る、帯状疱疹、バット折失敗
★5=新型コロナ、全身麻酔が切れた手術後、ギックリ腰、金的攻撃
【8/20(火)総合病院/内科】
9:00――
10時間ぐらい経過した気がした9時。
一瞬のスキを突いて、空いた椅子に座って待ちに待った9時。
もう常に顔面をぶん殴られ続けているかの様な『強烈』『熾烈』『猛烈』『激烈』――違うな。
痛みに対する適切な例え言葉が浮かばない。
人生において痛みランキングでブッチギリのNo.1に躍り出たこの痛み。
あえて言うなら『死ぬほど痛い』だが、実際には死んでいない。
もう『死ぬほど痛い』が陳腐な言葉に感じるほど痛い。
新しい言葉を作ろう。
小説家の端くれなのだから!!
『死なない程度に痛い』
何と言うセンスの無さか!?
だが、それ程までにクソ痛いのは理解して頂きたい。
そんな馬鹿な事を考えて痛みの胡麻化しつつ、永遠とも感じる時間の果てに救いの声が響いた。
「松岡さん。診察2番にお入りください」
キタ――(゜∀゜)――!!
このAAは最早死語らしいが、どう考えてもコレが適切な感情なので使わせてもらう。
俺は診察室に通され椅子に座る、と同時に内科の先生が一目見て言った。
「蜂窩織炎だね」
それは分かってる!
抗生物質をくれ!!
「皮膚科の領域なので、皮膚科に行って下さい」
「ふぁい……」
待ち時間より診察時間が短いのは当たり前だが、それにしても一瞬だったのは気のせいだったのか分からない――




