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第一章 ひび割れ(4)

週明けの月曜日、朝からミーティング

2月末の閉店に向け、これから各自引継ぎや得意先への挨拶と動くことになる。

支店全員の次の行先も支店長と副支店長がある程度決めてくれているので

明日からの個人面談でほぼ決まる。

他支店へ異動になるのがほとんどだから、営業さん達は3月の1週間前には

使える備品や私物などの持ち出しをする為、実質営業は2月20日までに決まった。

持ち出しの出来ない机や諸々の備品は事務所専門買取業者へお願いする事にした。


スムーズに決まっていくミーティングの内容をなんだか他人事のように私は聞いていた。


私は家へ帰ると、その日の夕食時に家族に今日までに決まった事を話した。

夫は自営業。収入が安定しないので、次も仕事は探す事だけ決め

面談が終わってから再度話をする事になった。


月曜のミーティングからさらに1週間が過ぎ、ようやく私の面談が行われた。


「お疲れ様。ごめんね東藤さんの面談遅くなっちゃって。」


だいぶ疲れが見える支店長が私の前の席に座った。


「お疲れ様です。大丈夫です。それよりお疲れのようですけど大丈夫ですか?」


「いつもの業務プラスだからね。みんなの行先が決まれば落ち着くよ。」


難航しているようにはみえなかっけど。そのことに触れるのは今はやめておいた。

私がうなずいたのをみて支店長から私の今後についての話が始まった。


「東藤さんに前に話した本社の新事業の話覚えてる?」


「はい。なんだか社長だけがやる気で社員が反対してるとか。」


前に支店長と副支店長が社長から新事業について愚痴られ困っていると聞いていた。

社員が反対して手伝ってくれないから新たに社員を募集し始めたが問題が山積みだとか。


「そうなんだ。あれだけうまくいかないって言ったのに。はぁ~。」


盛大なため息をつく。


「で、どうしても成功させたい社長が社員から名ばかりの空席だった副支店長をたてた。

あとは事務員を探してるみたいで本社の松井部長から東藤さんの名前があがったんだよ。」


「えっ!?私ですか?」


松井部長とは本社の女性で唯一の部長職。総務部経理部長だ。

仲が良いというか研修時の教育係でお世話になってからのお付き合い。

事務員1人で仕事をしていたので、子供の事で休みの時には私の仕事を変わって下さりと

とても良くしてもらっていた。


「松井部長と仲良かっただろ?新規事業部は本社ビルの中にあるし

これ以上、知らない奴にかき回されたくないってのが本社の考えでもあるらしい。」


「・・・はい。」


「すぐに返事はいらないよ。近いうちに松井部長から東藤さんに連絡あると思うから

話聞いてみて。断っても大丈夫だから。」


「わかりました。」


私の引継ぎは元々本社にする事になっていたので、

これからの事も含め、松井部長と話す事になり面談を終えた。





















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