第一章 ひび割れ(3)ー4
ここから少しオカルト的な要素が入ってきます。
今日は休日。夫と子供達は朝から遊びに出掛けている。
昨日の忘年会であった話は月曜日の会議で2月の閉店までの流れの説明があるので
その後に家族に伝え相談しようと考えていた。
1週間の溜め込んだ家事を終えて時計を見るとちょうどお昼。
1人なのでコンビニで昼食を済ませて録画してあったドラマをみながらウトウトして昼寝。
本当に久しぶりのゆったりとした休日を過ごす。
やっと生活も安定して自分の時間も少しずつ持てるようになってきていたのにな・・・。
のんびり出来たせいだろうか、久しぶりに田舎の夢を見た
私の実家は東京から北へ車で3時間程の田舎町にある。
小さな山、歩いて15分もすれば山頂に着いてしまう麓、その山を中心に本家、分家
ほとんどが住んでいる場所。
ちなみに夫は次男で私が1人っ子であったため婿にきてくれ東藤の名を継いでくれた。
山の山頂には東藤家を守るご先祖様と神様が祀られていて
そんな環境のせいなのか、東藤家の家系には霊感がある子供が産まれてくる。
霊感がある者は5歳ぐらいまでに山頂でご先祖様を見る事が出来る。
私も幼稚園に入る前にご先祖様が見えてしまったのだが、その後私は山へ登らなくなった。
なぜか子供心にとても怖くなったのだけは覚えている。
そのせいだろうか、私の霊感は弱く「私、霊感があるよ!」とも言えない微妙なモノ。
微妙な力でも不思議な事に人だったり、場所によっては近づけなかったりと拒否反応が出るし、
関わる人達によっても私の力は左右されてしう。
こんな私だから正直友達も少ないし、生きづらい事がある。
私が夫と結婚を決めたのは、見えないものは信じないという彼に霊感の話をしても良いと思った
初めての彼氏であり、付き合っていた時に2人で不思議体験を経験して私の話を信じ理解して
くれる人になったから。
懐かしい夢をみたからか、田舎に住んで居た時の事や椎名さんには話さなかったが
最近少しだけ戻って来た霊感の事を考えながら
お腹を空かせて帰って来るだろう夫と子供達のために夕飯の支度を始めた。
心が壊れるきっかけになるのが私のこの中途半端な力が関係してくるとは全く予想も
していなかった…。
・・・・・警告も受けていたのに。