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ダンジョン

ダンジョン物語。残酷な描写あり。

俺はオトイウ。

そんな事は今はどうでもいいか。


俺達は薄暗い坑道の様なダンジョンを進むしかないんだ。

横幅はやっと両手を広げられるぐらい。

先頭はニト。前列2名はクネとシダ。中列に俺。後列に魔法使いのソレダト。

このクソみたいなダンジョンを探索させられているパーティの1つだ。

先頭を無鉄砲に進むニト、コイツはいくら注意しても、言う事を聞かない。剣を持つクネとシダもたぶんそんなには保たない。俺も死んでたまるかと思ってはいるが危ないだろう。魔法使いのソレダトもしょぼい。初級魔法のファイヤーボールを2回唱えられる様になったばかりだ。

初心者を抜け出して中級者に手をかけるあたり、ここで油断すると簡単に命を落とす。


だが、死んでたまるかよ。


ソレダトの持つ松明が皆の背中を照らしている。

坑道を吹き抜ける風で物音が聞きづらい。

ふと臭気が風にのり漂う。

と同時に、静かに忍び寄る鋭い突き。


ニトが脱力してボロ雑巾の様に崩折れる。


「きた」

「なんだ」

「敵か」


何も出来ずにいるうちに、次はクネが血泡を吹いて倒れた。


返事なんかしてる場合じゃない。

俺は急いで弓に矢をつがえる。


フュオーーーーー。吹き抜ける風。


敵の姿は無い。


ブツブツと呪文を唱えるソレダト。

後方からの魔法があっという間にゴブリンを火だるまにする。


タッ!

魔法の炎に照らされて浮かぶ敵。


シダが力いっぱい振り抜いた剣がゴブリンの頭を飛ばした。


振り向く間もなく。

右斜下からゴブリンが松明に照らされたぬらぬらとした大きなナイフで俺を突く。


完全に死角だ。こんなに接近されて弓で何が出来んだよ。


しかし、俺は思いっ切りゴブリンの顔面に弓を持った腕で肘鉄を打ち込んだ。


ドン。


小さな衝撃。

咄嗟に腰から抜いたナイフでゴブリンを返り討ちにする。

だが、冷えていく。

寒いな。

右足が震えて立ってられない。


どこだよ。

次のゴブリンは。


どこだ..よ



背後からの打撃。

「おい、なんだよ。動かねぇと思ったら死んでやがる」


俺は死んでない。そう思った、だが乾いて声にならない。


「ニト、クネ、オトイウは死亡。ゴブリン三体の討伐。以上」

「おい、コイツ生きてねぇか」

「シダ、こう言うのは生きてるって言わねんだよ。それとも、お前がおぶってくか」

そう言うとソレダトはフードを深く被り。俺に冷たい一瞥をくれる。

ソレダトがひざまずき、顔を寄せつぶやく。

「ほら、慈悲だ受け取れ。お前は前から気に入らなかったが、転がして行きやしねぇよ」

背後から熱い刃が俺の心臓をぬるりと貫く。


「こんな浅い階層にゴブリンが出るなんてお互いとんだ災難だったよな」


























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