プロローグ
あまり音楽は詳しくないのでところどころおかしなところがあるかもしれませんが大目に見てください(>人<;)
突然だが俺の幼なじみ達の話をしよう。
1人目は藤堂玲斗。常に全国模試1位をキープし続け、校内では生徒会長。さらには人気急上昇中の5人グループアーティスト«SOLARS»のボーカルをつとめている。
2人目は神崎涼花。こちらも人気2人組ユニット«シャル»のギタリスト。そのギターの腕前は日本トップレベル。頭もよく、常に校内10位以内に入っている。
そしてこの2人、ものすごく容姿が整っている。玲斗は1度見たら忘れられないほどのイケメンだし、涼花は1000人中1000人がかわいいと言うだろう。
そんなふたりといつも一緒にいる俺もさぞハイスペックなんだろうと思ったそこの君。
待ちたまえ。
こんな素晴らしい人間がそんなにぽんぽんと産まれてくるはずがなかろう。
俺を一言であらわすとすればそう、モブだ。鼻先が隠れるほどに伸びた前髪。丸メガネ。白マスク。
どこからどう見ても陰キャである。教室の隅でラノベを読んでいるタイプの、真性の陰キャである。
加えてやたらとでかい斜めがけのカバン、少し猫背、ソーシャルディスタンスをガン無視すればギリギリ聞こえる位の声の大きさ、クラスで2人組を作れと言われれば必ず最後まで残るしぶとさ。
ふっ、完璧だ。
しかしそんな俺でも人より優れているところはある。
・・・・・・一応な。
例えばネット。ハッキングなども出来なくはない。あと音楽。幼なじみの本業だからな。俺も一応やっている。ちょっと有名だったりするのが密かな自慢である。
あとは・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
ま、まだ?もっとこう、いいところなんて?いっぱいあるし?
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・はい。
昔は3人で音楽をやっていたこともあった。ただ中学が別だったからすぐにグループは消滅したがな。俺がボーカル、涼花がギター、玲斗がピアノだったかな。
そして高校になって再会した訳だ。俺は中学時代陰キャ道を突き進んでいたが、2人はアーティストとして活躍していたらしい。
当然学校へ行けばすぐに人に包まれると思っていたが、案外高嶺の花みたいなもんで近寄ろうとしない。なので必然的に2人のそばにいる俺がものすごく目立つ。
あれだ。20カラットのダイヤふたつに挟まれた消しゴムの気持ち。
───我ながらものすごく分かりづらい例えだ。
つまり家を出てから家に帰るまでずっと
なんだアイツ
みたいな目で見られる。
おかげで精神力がものすごく鍛えられた気がする。
あと、2人には言ってないが俺の家には俺ともう一人いる。ちょっとというかかなり変人だが。やたらと俺の事をすごいすごいと持ち上げてくるがイマイチよくわからん。
というか今何時だ?深夜2時くらいか。セキュリティを改良してくれって依頼が意外と大変だったな。完成したのが今日で納期が3日後。三徹でもかなりギリギリだった。まあ明日?いや今日か。今日は学校だからそろそろ寝るか。
おやすみ。