カテリーナ夜会に招待される
デビュタントを終え数日後、ノーマンがカテリーナの座っているソファの前にあるテーブルにどさっと封筒を置いた。
「お茶くらいゆっくり飲みたいのに」
ぶつぶつと文句を言う。侍女達と楽しくお茶会をしている時だった。
「女子会の邪魔しないでよ」
ぷくっと頬を膨らませる。
「お暇であるのなら、招待状のお返事くらいしたら如何ですか?」
ノーマンが招待状をちらっと見る。
「えっ……こんなに沢山招待状が……?」
何通かを手に取って送り主を見てみたが、どの招待を受けるのが正しいか分かりません。こう言う時はお母様に任せるのが一番ですね!
「あと、また殿下からお手紙です」
流石に王族からの手紙を他の手紙と一緒にしていないようで、シルバーのトレーに載せてすっと目の前に出してきた……
中々手を出さないので、受け取れ。目線で圧力をかけてきたので、渋々受け取りました。
「すぐに返事いるもの?」
開封前に確認すると、いつもの如く返事をすぐ書けとの事だった……めんどくさっ!
【デビュタントの祝いに食事をしよう。プレゼントを用意して待っている】
ん? 首を傾げる。なぜ殿下に祝われなければならないのでしょうか?家族でもありませんのに……
【お気遣いいただきありがとうございます。殿下のお忙しい時間を割いていただくのは心苦しく、お気持だけ頂戴致します】
これで失礼はないでしょう。婚約者候補から外れたのだから、私が出しゃばるわけにはいきません。プレゼントだなんて……以ての外です。物に釣られて殿下に会いに行くような、幼児ではもう有りませんよ?
またバカにされたような気がしました。
その後クラスで仲良くなった子達とお茶会をしたり、マドレーヌ様とお茶会をしたりと交流を深めています。学園生活は楽しいです。
同じクラスの伯爵家の嫡男である男子生徒の邸で、誕生日会が開かれると言う事でクラスの全員が招待を受けました。パートナーはもちろんブラッドです。
夜会には学園で交流のある先輩方も来ていました。
ブラッドとダンスを踊った後は、クラスの男子生徒からダンスに誘われたので、お受けして踊る事にしました。ブラッド以外と踊った事はなかったので緊張して、足を踏んでしまいました。
何人かと踊った後に、疲れてブラッドの元に戻ると、そろそろ帰ろうか? と言われました。いつもなら晩餐を取った後、お茶を飲み眠たくなる時間でした。
うん。と返事をして帰ろうとしたら、ウィルフレッド殿下が到着したとの事です。お会いして挨拶をするのも面倒だと思い、失礼ながら会場を抜け出し帰る事にします。
馬車に乗り込み揺られていると眠たくなってしまいました。そのまま眠ってしまったようで、ブラッドに部屋まで運ばれたのだとノーマンに言われ、朝からお説教を受けました。
「昨日はごめんね。眠たくなっちゃって、重かったでしょう?」
ブラッドに謝ると「いつもの事だよ……」
と呆れられているようでした。
姉としてしっかりしなければいけないなと反省しました。
夜会の後にまた招待状が沢山届いたらしいです。
ノーマンの説教の中には、ブラッドは家族だが、男性であるという事を忘れるな! ブラッドだから良いものの、他の男性の前で眠るなどあってはならない! どうなるか分かるか? とネチネチ………………言われ続けたので、暫く夜会には行かないことにします。
暗くなると自然に眠たくなるのですが、人が大勢いてキラキラ……ざわざわ……している会場って余計に眠たくなるんですね。