本格的に動いておこう
~オーウェン視点~
「宰相、少しお話しよろしいですか?」
宰相が登城する時間より早く来て待ち伏せをした。
昨日の今日だから早めに話をつけておこう
「オーウェン殿か、どうしました?」
宰相の執務室で話をすることになった
「カテリーナ嬢のデビュタントを無事に迎えられたこと心よりお喜び申し上げます。昨日カテリーナ嬢と話をする機会がありまして、今度我が家でパーティーを行うのですがパートナーにカテリーナ嬢を誘いました、お許しをいただけますか?」
「娘は返事をしましたか?」
少し返答に困るような素振りを見せる宰相
「はい、良い返事を貰いました。宰相には私から話をするとカテリーナ嬢に言いましたので、お時間を頂いた次第です」
「……分かりました。オーウェン殿娘の事をよろしくお願いします、ところでオーウェン殿は娘の事を……その、」
言いにくそうに言葉を一つ一つ考えながら話をする宰相だった。
「殿下の婚約者候補から外れたと聞きました。少し歳は離れていますが、カテリーナ嬢のことを好ましく思っています」
ここはきちんと伝えておこう。宰相は有耶無耶にするような態度を取ってはならん。
「そうですか……実は殿下からもカテリーナを婚約者にと話をされておりまして、」
「私の妹からも話は聞いています。殿下のバカな行動によりうちも迷惑を被っていますからね……お互い大変ですね」
これは事実だ!
「ははは……そうですな。実はカテリーナに釣書がたくさん寄せられていまして……頭を悩ませておるんですよ。良い話もありますが、親としてどうして良いやら……っと。オーウェン殿に言って良い話ではありませんでしたな、申し訳ない」
頭を下げる宰相は聞かなかった事にしてくださいと言った。
「いや、良い話を聞かせてもらいました。宰相が良ければ、カテリーナ嬢に婚約を申し込んでも良いでしょうか?」
「はぁ……どうぞ。公爵家からの申し出を断れるわけもありませんし、オーウェン殿の人柄は存じておりますので……カテリーナを幸せにしてくださるとおっしゃるのであれば、こちらからもよろしくお願いします」
よし、宰相からOKは出た
 




