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夜会でオーウェンに会ったが…

 

 クリーム色とピンクのドレスにちょこっとついたフリルと腰回りのリボン

 髪にもリボンをつけて……せめてリボンだけでも贈らせて欲しかった。


 そのリボンを解きた……いかん!



 素顔でも十分可愛いのに、今日は化粧をしているのか? ピンクのリップを付けて……艶々した小さな唇がなんとも言えん……



 成長したと分かる隠していても主張してしまう、柔らかそうな胸元……だめだ、隠し切れていないじゃないか! 鎖骨のくぼみも色っぽい……。


 こんなに可愛いのに色気まで……


 あれだ! カテリーナは私の心を掴んで離さない、小悪魔だ!


 そうだ! そうだ。カテリーナが悪魔なら命も差し出しそうだ!


 いかんいかん……現実に戻ろう。




 ……やっぱりドレスも贈りたい……


 胸元を飾る首飾りも贈りたい……


 贈らせてくれよっ! それくらい受け取ってくれても良いじゃないかぁ…!!


 小悪魔への捧げ物だよっ!





 カテリーナの手を取ろうとしたが、あまりの可愛さに見惚れてしまい、私としたことが花を渡すのを忘れていた。小さなブーケを渡したら、喜んで受け取ってくれた。大きなものより適度なものが良いとマドレーヌにアドバイスされたのだ。


 サンキューマドレーヌよ。



 馬車に二人きりに……なるわけもなく侍女が居たが、カウントに入れないでおこう!向かいに座るカテリーナが美しい。


 馬車の中がカテリーナの香りで充満すれば良いのに! そうなれば送って行って別れた後も、カテリーナを感じられるのに!

 近くに寄らない限りカテリーナの香りが感じられないではないか…!



 公爵家の嫡男オーウェン、カテリーナと親しすぎないか! 挨拶にしてはハグする時間が長い……胸を押し付けるな!

 カテリーナのピンクのリップがうっすら頬に付いて……羨ましい……


 イライラが隠せない……せっかくパートナーなのに……でも嫌われたくないから、言えないよ。



 マドレーヌとブラッドと合流した。マドレーヌにオーウェンのことを尋ねる。


「お兄様ね、カテリーナ様のこと可愛い可愛いと昔から言ってますから、頑張ってね」


 と笑顔で答えられた。



 カテリーナをダンスに誘い、初めて公式の場で二人で踊った。はぁ……良い匂いがする、強く抱いたら折れそうな腰を支えるように抱く。

 決してこれ以上、下に手をやってはいけない!! 自制心との戦いだ!



 夢のような時間はあっという間に過ぎてしまった。カテリーナの元にダンスの誘いをしようとする男達が待ちかねている。


 よし、テラスに避難だ!


 そっと進路を変えテラスへ夜風を浴びに行った。

 風が心地いいですねと、カテリーナに言われて、そうだねと答える。


 ブラッドに言われていたことが一つ、カテリーナはそろそろ寝る時間だからきっと電池が切れたように眠たくなるはずだ。早めに切り上げてくれと、再三いわれている。約束を破ったらもう二度とエスコート役はあり得ない! 時計を見て、そろそろお暇しようか? 挨拶もすませたからね。送っていくよ。と声をかけたら、うん。と返事が返ってきた。



 もしかしてもう眠いのか? うん。だなんて……そんな返事……可愛いじゃないか!!!私の自制心が持つか心配だ! 侍女がいるから襲うことはないだろう……


 セーフ!!



 肩に触れるようにそっと手をやった。エスコート役ですから、やましい気持ちはありません。えぇ。一切ありません。


 エントランスへと向かって歩いていたら、オーウェンが急いでやって来た。


「カテリーナ、もう帰るのか?」


 オーウェンめ! 私の事は無視か……!



「はい。オーウェン様、本日はお招きいただきありがとうございました。再会できて嬉しかったです」


「バタバタしてあまり話ができなくて残念だよ、殿下も本日はありがとうございました」


 私が居たのに気づいたか…


「あぁ、それでは私は彼女(カテリーナ)を送ってくるから失礼する」


 先ほどと違いカテリーナの細い腰を抱いて歩き出した。

 カテリーナは少し眠そうで、あくびを堪え、目尻に涙が溜まっていた。


 子猫のようで可愛い。あぁ、その涙を啜って味わいたい……またもや変な思考が巡らされた……。




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