意外な組み合わせになりました
マドレーヌ様からの提案でランチは、殿下・ブラッド・マドレーヌ様・私の四人で過ごしましょう。と言われました。
マドレーヌ様とランチを取れるのはとても嬉しいので、はい!光栄です。と返事をした。ブラッドも嫌な顔をしていなかった。珍しい。
殿下とマドレーヌ様の会話をお聞きしていると、お二人から聞いていた通り友人そのものと言った感じだった。殿下が私に向ける顔とは違いました。
会話は今度マドレーヌ様の家で行われる夜会の話になり、招待を受けました。
殿下が私のパートナーを務めたい! お願いだから! とブラッドに頼んでいた。するとブラッドも渋々了承していましたが、そこに私の意見はあるんかい?
でもそうなるとブラッドは誰といくのでしょうか……いつもブラッドがパートナーだったのに、一人で行くのも寂しいでしょうに……それなら私も行けませんと言うと
「マドレーヌを誘えばどうだ?」
殿下が言った。
マドレーヌ様も
「ブラッド様が嫌じゃなければよろしいかしら?」と笑顔でお答えしました。
「それではマドレーヌ嬢のパートナーとなる幸運を私に授けて下さい」
などと言ったので、驚きました!
マドレーヌ様のお兄様はオーウェン様と言います。何年も前から領地でのお仕事を任せられていて、この度王都に戻り公爵様の仕事をする事になるそうなので、おかえりパーティーだと言いました。
マドレーヌ様のお兄様は、私の執事であるノーマンと同じ歳で、交流があったので何度も遊んで頂いたことがあります。
ノーマンの父と公爵家の執事長は親戚なのだそうです。
お父様と公爵様も交流がありますし、昔からマドレーヌ様もオーウェン様も大好きでした。
「オーウェン様とお会いするのはお久しぶりですね。覚えていないかもしれませんわね」
マドレーヌ様に言いますと
「それはしっかりと覚えてますわよ。実の妹の私より可愛いと言っておられましたもの」
パーティー当日は殿下が迎えに来ました。
ドレスをプレゼントしたいだのアクセサリーがどうのとしつこくて困りました。
要りませんとお断りをして、勝手に贈ってきても送り返しますからね! 一緒に行きません! とお断りをしたら、ショックを受けていました。
「そのドレスとても似合っている、とても可憐で美しいよ。カテリーナ受け取ってくれる?」
ドレスやアクセサリーのような重いものではなく、可愛らしいブーケだったので、喜んで受け取りました。ゴージャスな重い花束ではなくて、小ぶりのブーケのほうが断然可愛いですね。パステルカラーを基調としていて好みのブーケでした。
マドレーヌ様の邸に着くと公爵夫妻が出迎えてくださいました。そしてオーウェン様を呼んで下さりました。
「殿下、お久しぶりです。この度はわざわざこのような会にご参加いただきありがとうございます」
オーウェン様が挨拶をして殿下も会話を楽しんだ後こちらを見て
「もしかしなくても、カテリーナか?」
懐かしそうに嬉しそうに、再会のハグをしてくださりました。
「オーウェン様、覚えていてくださったのですね。嬉しいです」
頬に軽いキスを落とされたので、私も軽くキスを返しました。
小さい頃は気にしませんでしたけど、大きくなってからは、大人の男性にハグをされるのもキスをされるのもお父様以外は初めてでした。
「コホンっ。そろそろ離れたらどうかなぁ? カテリーナは私のパートナーなんだけど……」
言葉の端々が冷たく感じます、でも離れた方が良さそうですね、オーウェン様に失礼ですもの……
「婚約者候補から外れたと聞いていますが?」
オーウェン様の言葉がトゲトゲしています。マドレーヌ様のお兄様ですもの。殿下が候補から外したので怒ってらっしゃるのですね。
「私はカテリーナの暫定婚約者だよっ!」
え? それ本気で言っていたのですか? というか有効なんですか……?
「カテリーナ、無理矢理付き合わされているのなら私に相談すると良い。殿下の我儘に付き合う必要ないからね。あんなに小さかったのにこんなに素敵なレディになって……カテリーナのデビュタントの場に参加できなくて残念だったよ」
優しい眼差しを向けられました。
「オーウェン様、おかえりなさいませ。お会いできるのを楽しみにしてきました。ご招待いただきありがとうございます」
ようやくご挨拶ができました。
淑女の礼をします。
「ノーマンは元気か?」
「はい! 相変わらずです」
「今度連れてきてくれる? カテリーナはマドレーヌと仲良くしてくれてるんだって? 今度私ともお茶会をしよう」
「えぇ、是非お話を聞かせてください」
にこりと笑みを返す。
「……その茶会、私も参加、」
殿下が何かを言いかけましたが、オーウェン様とお話をされたい方が、チラチラこちらを見ていますので、場を離れなくては行けませんね。
「オーウェン様とお話をされたい方がお待ちですね。長く時間を取らせてしまってすみませんでした」
挨拶をして頭を下げた。
「また後でね、カテリーナ」