お手紙攻撃です
【カテリーナ
最近君の顔を見ていないので、とても寂しく思っています。君に伝えたいことがありますいつでも良いので時間を作って欲しい。ウィルフレッド】
「これは……どうやらお断りできませんね。ねぇノーマンどうしよう…」
うーんと腕を組むカテリーナ。手紙をテーブルに置いた。
「お嬢様はウィルフレッド殿下の事をどう思っていらっしゃるのですか?」
ノーマンは断りもなしにソファに腰掛けます。私が怒らない事をいい事に……でもその方が楽なので座ってくださいよ。どうせ長くなるんです。
「殿下の事……?うーん。幼馴染のイケメン? あっ、でもイケメンならブラッドも負けてないわよね!」
「なんの話ですか……?顔なら私だって悪くないでしょうに」
ブラッドは同じ歳とは思えないほど大人びている。青みを帯びた黒髪に紫の瞳が落ち着いて見える。
ウィルフレッドはアッシュブロンドの髪に緑色の瞳で優しげな顔つきは王妃様譲りだ。
ノーマンはと言えば、学園の執事養成学科に入っていた。外向きは低姿勢で仕事もできる。学生時代は首位でモテていたと聞いた(本人談)
黒髪にブルーの瞳は神秘的で、あながち間違いではなさそうだ。
昔はお兄様のように面倒見が良くて、よく遊んでくれたのに……!
今では遊んでくれないし、口うるさい!
「なんだっけ……?あっそうだ。殿下にお会いします、ノーマンも一緒に来てくれる?」
面倒だが仕方がないでしょう。ブラッドに一緒に来てほしいって言えませんものね。
「もちろん行きますよ。ブラッド様にもご報告なさった方が良いと思いますよ。心配かけていますから」
紅茶を口に含むノーマン。仕えているお嬢様の部屋で寛ぐなんて……お茶会と思います。
「うん」
そして久しぶりに王宮へと行く事になった。
「本当に行くの?」
ブラッドに確認されますが、行くとお返事をしましたので、ドタキャンというわけにはいきません。
「うぅ……ん、行かなきゃね。ノーマンが一緒に来てくれるから大丈夫よ。行ってきます」
気乗りはしませんよ……
こちらに話などありませんから。
恋の相手でも紹介されるのかもしれません。
「ん。早めに切り上げてきて」
手を振り、邸を出た。