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一人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
96/197

女性用【語り部漆煇〜ローラ編〜】

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 ♂0:♀1:不問0

 漆煇

[あらすじ]《3分半程度》

 『王都の気狂(きぐる)い研究者』と呼ばれ人々に恐れられてきた彼女は(かた)()漆煇(しっき)と名乗り、各地で気狂った研究成果を語り継いでいた。(かたわ)らに二匹のキョンシーを(はべ)らせて―――。








【漆煇】

 やぁぁっほぉぉォ〜〜!! アタイは漆煇(しっき)! 語り部やってんだよね! この地方は初めてだよ。何つったっけ、ハルベシオ地方? すっげぇね、鬼張(おにばり)(やま)があ〜〜〜んなちっせぇの、めっちゃ面白いね!


 うん? ああ、横の二人はね、キョンシーちゃーん! まあ(ひら)たく言うと動く死体ってやつでね! 左がアレキサンドラ5世。右がヴァ・レドー。死にたくなったらおいでよ! すっげえ楽しく殺してやる!


 そんじゃあ、今日は王都の話でもしよっか! 王弟(おうてい)殿下(でんか)侍女(じじょ)、ローラについて!


咳払(せきばら)いをして)

 んん゛、よし。落ち着いたっ。


 彼女は真面目な子だったよ、アタイも何度か話した事があってね。

 女遊びの激しかった王弟殿下をどうにかしたいって去勢(きょせい)まで頼んできた程でね。まっ、それはアタイの部下が必死で止めてたけど〜。


 そんなローラには婚約者が居たんだ。

 まあ彼女も一応、伯爵(はくしゃく)()の次女だし当たり前っちゃあそうなんだけど。

 ローラにも、相手の婚約者にも、愛なんて無くてさ。


 でもほら、ローラは真面目な子だったから彼を愛そうとしたんだよね。それが婚約者として当たり前だから〜とか。そんな理由を並べ立てて。


 出来る限り、手を()くした。


 でも愛せなかった。

 真面目なローラはそれじゃあいけないと思ったのかアタイの所へ来た。わざわざ深夜に、見張りの目を()(くぐ)って怪し〜〜〜い実験をしてるアタイの所へ。


 ローラは言ったの。


『私を見た彼が、私を愛すように。

 彼を見た私が、彼を愛すように』


 ――そんなシロモノを作ってください。


 ってね?

 (さいわ)いにも、いや。残念な事にその場にいたのはローラとアタイだけ。アタイを止められる部下も騎士も王も、誰一人居なかった。


(ゾクゾクと興奮が()き上がるように)


 そこからは失敗の連続だった。

 ワクワクしたよ、高揚(こうよう)したよ。

 式を間違える度、調合を(たが)う度、

 ローラの(あせ)る顔が(にじ)み浮かんだ。


(静かに落ち着いて)

 …そして完成したの。

 世に出すつもりのない、使う用途(ようと)も一度きりのアブナイもの。


 出来上がったソレをローラへ見せれば彼女はそれを()(つか)んで王城を()けて行ったよ。


 ………。え? その後?

 ああ、そうそう。その後の話も気になるよね。


(物語を聞かせるように)

 どこかの王弟(おうてい)殿下(でんか)お付きの侍女(じじょ)は自分の婚約者へ怪しい液体を飲ませてこう言いました。


『これで貴方を愛せるわ』


 そうして婚約者へ飲ませた液体を自らも(あお)れば何故(なぜ)か侍女は倒れ込みます。


 …そして思い出しました、あの研究者の言葉を。


「いーい?

 死にたくなければ毒を飲むの。

 生きたくなければ薬を飲むの。


 飲む量さえ間違わなければ。

 毒も薬も怖くないんだよ」


 彼女はやっと気付きました。

 あの研究者は…最初から、薬なんて作らなかったのだと。




 ………ふふふ。

 あははっ♪

 楽しい、楽しいお話は終わりー! 今日は随分(ずいぶん)と昔の話をしちゃったねぇ〜!

 次は〜? 誰の死に(ざま)を話しちゃおっか!?


 ふふふ、聞きたくなければ耳を(ふさ)げばいいんだよ〜!

 見たくなければ…ふふ、目を取ってあげようか!?


 …なんてね。

 語り部漆煇、そろそろ旅立つよ。

 まったねーん♪












STORY END.

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