男性用【語り部亀八郎〜換金屋編〜】
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亀八郎
[あらすじ]《4分程度》
語り部の亀八郎は親も兄弟も居ない。毎日食っていく為に預けられた親類の家を飛び出し、自身の経験や又聞きした御伽噺を語りながら生を繋いでいた―――。
【亀八郎】
はてさて、あっしは亀八郎! 語り部なんぞやり始めて幾年…。今じゃ『天職だ』なんて言われやして。
……まあ、喧しいハエの声は気にしないのが吉でやすから、この辺で前置きは終わりやしょう。
今回語るのはあっしら語り部や旅人に欠かせない換金屋について。
彼らは大陸全ての金の通貨を知ってやす。
例えば田舎から出てきた旅人や語り部は大陸の大きな国や街で使われる公共の金、『共通通貨』を知りやせん。
逆に都会しか知らない語り部や大きな国や街にしか立ち寄らなかった旅人は田舎特有の独立通貨というものを知りやせん。
都会で独立通貨を使っても意味は無いし、田舎で共通通貨を使っても意味はありやせん。
そこで活躍するのが彼ら換金屋です。
換金屋は独立通貨を共通通貨に変えられやす。逆も然りでやすね。
金の数え方すら変わりやすから換金屋はそれも丁寧に教えてくれやすよ。
かく言うあっしは元々良家で育った過去がありやして。
主に外交に関わっていた家でしたから共通通貨やその他の通貨もよく目にしやした。
数え方こそ知らなかったものの、地域によって使う通貨が違うのだという知識はありやした。
家にも専属の換金師…あぁ、換金屋よりも高い知識を持ち、国に認められた者もよく出入りしてやしたね。
……まあ、“諸事情”で家を出た先にて語り部をしていた時もお陰で恥をかくことはありやせんでしたからその点は感謝してやすよ。
過去の環境を恨んだ事もありやすが、環境に助けてもらった事もありやすからね。
話を戻しやしょう。
彼らは大抵、街の外れや村の入口に居やしてね。大きな国では港の近くに居たりとか。
…っあぁ、忘れてやした!
彼らにも新参や古参、中堅という世代交代もありやすから簡単な見分け方を教えておきやしょう。
まず、赤旗を掲げているのは新参です。そういう者はあまり大陸の金を知りやせん。
まあ、語り部と違って『誰でもなれる』ものじゃありやせんからある程度の信用はありやすが…、道を急いている人にはお勧め致しやせんよ…?
次に黒旗。これは中堅です。
彼らの中にはあっしら語り部を贔屓してくれる者らも居ましてね、有難い限りでやすよ。
中堅になると辺境の村や小さな町へ定住したり、宿屋の一角に店をかまえたりしやす。
実はこの村にも居るんですよ。彼は村の外れに居やすから村人も知らないと思いやすけどねえ。
最後に白旗。
彼らはもう信用だとかそういう括りじゃあありやせん。『換金屋だから』。そういう風に分類される、玄人でやしてね。
“換金屋だから”、どんな金も変えられる。
“換金屋だから”、金が盗まれる事もない。
他の者だったなら心労や重荷になるであろう、それは。
古参の換金屋にとっては『褒め言葉』なんでやす。ここまで来ると仕事への心持ちが恐ろしくもありやすね。
彼ら古参は定住をやめ、店を閉じ、あっしら語り部と同じように大陸を練り歩きながら仕事をしてやす。
道中会ったらご贔屓に。
そんじゃあまぁ。語り部亀八郎、今回はこの辺で失礼致しやす、またどこかで!
STORY END.




