男女兼用【語り部瞳鏃〜蟻蝉編〜】
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瞳鏃
[あらすじ]《2分程度》
語り部瞳鏃は大嘘をこく事で有名な語り部だ。とは言っても嘘をつくのは営業時間外。語りをしていない時ばかりだ。だからこそこの語り部の語りは紛うことなき《本当》なのだ―――。
【瞳鏃】
………あ、ども。また会ったね。
今日は聞いてく? ああ、時間無いの。じゃあ短いのしてくから聞いてってよ。
今日はボクの師匠、蟻蝉について。まあそこまで有名でもないし知らなくても無理ないけど、同業者なら世話になったって言う人が多いんじゃない?
あの人、路銀無くて困ってる語り部見掛けるとすぐお金あげちゃってさ。修行期間はボクがお金の管理してたんだよね。
お陰で知らなくてもいい語り部の名前覚えちゃってさ。なぁんか聞き覚えあるなぁっていうのは大抵先生……あ、彼の事は先生って呼んでたんだけど、先生に金もらってた語り部だなぁって。
今、その人はどこにって? ああ、死んでるよ。天国か地獄かは知らないけどどちらにせよ楽しくやってんじゃないかな。自由な、人だったからね。
―――自由と、偽物を愛してた。
先生は語り部狩りとかいう胡散臭いのにまんまと殺されて結局墓も作られないままになっちゃってさ。……あ、ボクが作ったよ。面倒だったけどね。
あの人はさ、ボクを勝手に語り部にしたくせにボクが有名になる前に死んじゃってさ。修行を終えてから一度だって鉢合わせた事だって無かった。
ボクも良い歳だし寂しいとかは無かったんだけどね。ただ、あの人が死んだんだなぁってのを忘れない為に嘘をつくことにしたんだよ。
まぁ、その嘘でボクは瞳鏃として名を馳せたんだから皮肉なものだよね。
…………ふぅ、……ね? 本当に短かったでしょ? 今更あの人に関して語る事も無いからね。
それじゃ、また別の演目で会おうね。
STORY END.




