男性用【愚かな男の話】
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酒乱の上司
[あらすじ]《2分程度》
とある酒場で部下は上司に『貴方の昔の話を聞きたい』と強請った。シラフだったなら絶対に聞き入れてくれないだろう彼は酒が入っているからか少し笑って話し始めた――。
【酒乱の上司】(笑いを混じらせて話す感じで)
俺の昔の話? ふはっ、何だそれ。そんなもん聞きたいのか。・・・いいぜ、聞いてて気分のいいもんじゃねぇから途中退席は認めてやる。
俺の家はなぁ、裕福じゃあ無かった。
貧乏ってほど金が無かった訳じゃねぇが。八つ上の兄が居た。そりゃあ優秀で跡継ぎになるのだって何の問題も無かった。
ある日な、学舎から家へ帰った俺は玄関を開けて腰を抜かしたさ。
あの優秀で、優しくて、喧嘩弱な兄が銀色の光る“なんか”を持ってこちらを見てやがった。
足元にゃあ血塗れの両親が事切れて倒れてた。恐ろし過ぎて腰抜かしたまま笑ったぜ。
感情のキャパオーバーでどうにかなりそうだった。でも兄が言ったよ。
“逃げろ。オレの気が変わらないうちに逃げろ。
跡継ぎなんてクソ喰らえだと思ってたさ。
優秀? 賢明?
自由になれるならそんな肩書き要らないと思ったさ。
お前はいい弟だった。でも不出来すぎた。
不出来すぎたが故にオレが更に優秀になった。オレの前で『いい弟』のお前を小馬鹿にするコイツらが許せなかっただけだ。
逃げろよ、オレの大好きな弟”
俺は逃げたさ。大好きなんて言いつつも銀色の光る“なんか”を振り上げた兄からな。
愛を紡ぎながら泪を流す兄からな。
な? 聞いても面白くもねぇだろ?
・・・おいおい、吐くなよぉ?
だから途中退席は認めるっつったろぉ?
まぁその兄も先月、死んだって親族から聞いたがな。
ふはっ、辛気臭い話は終わりだっ! さ、飲むぞ飲むぞぉー!
STORY END.