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一人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
58/197

男性用【語り部蟻蝉〜偽物編〜】

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 ♂1︰♀0︰不問0

 蟻蝉

[あらすじ]《2分半程度》

 (かた)()蟻蝉(ありせみ)。彼の名を聞けば世話になったのだと苦笑う同業者で溢れる。そんな彼はもうこの世には居ない。これは(わず)四十(しじゅう)で殺された自由な語り部の話である―――。







【蟻蝉】

 ちょいとそこのお嬢さん。悪い事は言わないから俺っちの語り聞いてかねェ? なぁに、(そん)はさせねェ。

 俺っちは蟻蝉(ありせみ)。自由を愛する語り部さ!


 今日話すのは俺っちが愛するものについて。勿論(もちろん)俺っちが好きなのは自由さ。でも二番目に好きなものがあってな。「偽物(にせもの)」さ。

 まぁ偽物ならなんでもいいんだがなァ、一番好きな偽物は、言葉だな。


 簡単に言えば俺っちは『嘘』が好きでなァ。(だま)されてる感覚ってのは分かってても分からなくてもゾっクゾクするんだよなァ。


 あァ? だぁれがマゾだって? 俺っちはなァ、本物に興味なんぞねェのよ。だってそれは誰もが求めるモンだろう? 誰もが『正解』だと声高(こえたか)らかに言うモンだろう? つっまんねェよ、そんなの!


 だから俺っちは偽物を求めるのさ。

 言葉に混ぜ込まれた『ウソ』。それが俺っちの好物でなァ。偽物の言葉ってのは(かざ)らなくていい。気取(きど)らなくていい。それを聞いて(かた)られようが、腹が立とうが出ちまったウソは戻らねェ。

 そんな当たり前で、頭を抱えたくなるような事実がとてつもなく(うま)そうに見えちまうのさ。


 ただなァ、嘘をついて後悔するような奴は好みじゃアねェな〜…。だってよ、「偽物」を抱える余裕(よゆう)のない奴が「本物」を愛せると思うかァ?

 俺っちは息をするようにウソを()ける。そんな奴が………居ればなァ。ま、無いモン強請(ねだ)りしても仕方ねェんだけどよ。


 あん? 他の語り部と違う? 馬鹿言うなよ、俺っちは自由を求める語り部だぜ? 他の語り部と同じ形式で語る訳ねェだろうが。俺っちは俺っちの語りをするのさ。だってそっちの方が俺っちが楽しいからなッ!


 さァてと、そろそろ俺っちは自由に歩き回ろうかねェ。まァ、どっかで偽物を(つか)まされたら俺っちの所に持ってこいよ、アンタらん所に居るよりずっとシアワセだと思うからなァ。


 そんじゃあ、また別の演目(えんもく)で会おうぜ、またなァ!










STORY END.

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