女性用【他人の心餓鬼知らず】
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達観した少女
[あらすじ]《２分程度》
少女は青年の物言いに眉を寄せた。そうして静かにため息を吐いてから何が彼女の機嫌を損ねたのか分からない様子の青年を睨み付けた―――。
【達観した少女】
アナタの自虐は聞き飽きたわ。親が虐待？ そう、そうなの。でもそんなのは私には関係ないわ。
当然でしょう？ アナタが親に虐待されてきたから何よ。私の人生に何ら影響は無いのよ。
それを不幸だと薄ら笑いながら言うのは構わないけれどね。限度ってものがあると思うのよ。
私はアナタの話なら少なくとも十は話せるわ。アナタは？ 私の事で知っている話はある？ 私の好きな物は？ 苦手な物は？ 好きな音楽は？ 好きな異性のタイプは？ 家族構成やどんなタイプの人間なのかは？ 分かるのかしら。…………分かる訳ないわよね。アナタは自分の話ばかり。ずっと私がうんうんと頷いて何も言わないとイイ気になって。
私の気持ち考えてないでしょう？
聞き飽きたのよ、私の話だって聞いてちょうだいよ。私はアナタの話を聞く機械じゃないのよ。
もうね、話を聞いてと暴れる事だってしたくないのよ。したくないけれど、行動を起こさないとアナタは絶対に分からないでしょう？ アナタは絶対に私を理解しようとはしないでしょう？
親身になって聞いたって、聞く振りをして聞かなくたって。
アナタは変わらなかった。アナタは気づかなかったわ。
結局アナタは吐き出したいだけ。不幸を、憂いを、不遇さを。
じゃあそれはもう聞く相手なんて私じゃなくていいのよ。ペットでも人形でも、それこそ機械でも構わないの。
もう、いいかしら。
親の心子知らず、なんて言葉があるけれどアナタに当て嵌めて言わせてもらうならこうね。
他人の心餓鬼知らず。
これに懲りたならもう少し『お友達』は大切になさいね、さようなら。
STORY END.
