男性用【紅茶の滲む空色】
声劇タイトルは
【こうちゃのにじむそらいろ】と読みます。
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♂1︰♀0︰不問0
スーツ姿の青年
[あらすじ]《1分半程度》
パリ、と音の鳴る真新しいスーツ姿の青年は来訪者に驚きを示した。しかしすぐに微笑んで良い木の香りがする椅子に案内するのだった――。
【スーツ姿の青年】
紅茶、飲める?
ああ、珈琲もあるけれど・・・あっ、紅茶でいい? そうか、じゃあ湯を沸かすから少し待っていて。
(椅子を引いて)
此処に座っておいて。
何も無い所だけれど、机と椅子は良い木を使ってるんだよね。うん、良い木の香りだろ?
(椅子に座った相手を見て)
そう言えばこの前君を訪ねてきた騎士のおじさん、亡くなったって。
(少し間を持って、笑う)
・・・・・・何かした?
(相手に睨まれてたじろぐ)
疑ってるわけじゃないさ! でも君を訪ねてきた騎士のおじさんはこう言ってたから。
“触れるだけで命を奪う白髪の女を知らないか”ってね。
(目を伏せる相手に少し笑って)
まぁ、そんなに落ち込まないで。
湯が沸いたから紅茶を淹れよう。
これね、僕のじいさんも好きな茶葉だったんだ。
(紅茶を相手に差し出して)
紅茶を飲んで一度落ち着こうよ。
でも驚いた。君は“触れるだけで”何でも“奪える”からさ。・・・綺麗な白髪をそんな血塗れにしてしまって、最初から赤色の髪だったんじゃないかって自分の記憶を疑ったよ。
で? どうしてそんなに血塗れなの?
まるでこの紅茶みたいだね。
(紅茶の色に驚いた相手に少し説明口調になって)
実はそれね、僕のばあさんが作った茶葉なんだよね。ミントとかよく作ってた人だったけどまさか茶葉まで作っちゃうとはね。
・・・ね? 少し大袈裟な夕暮れみたいに真っ赤だろう。
さあ、それを飲んだらお風呂に入っておいで。
少しの間だけど君の綺麗な白髪が恋しいから、ね。
STORY END.