男女兼用【語り部紫狒々〜目標編〜】
台本ご利用前は必ず『利用規約』をお読み下さい。
『利用規約』を読まない/守らない方の台本利用は一切認めません。
※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。
♂0:♀0:不問1
紫狒々
[あらすじ]《3分程度》
語り部紫狒々は山奥の小さな集落の出身である。ある日集落へやって来た楽しそうな語り部に憧れて紫狒々は集落を飛び出したのだった―――。
【紫狒々】
やぅやぅ。アイは紫狒々。最近名の売れ出した新参デ、ここよりずっと遠い山奥に生まれ故郷を持つ語り部デス。
今日の紫狒々はあまり語る気分じゃありませんガ、人通りの多いところなので短いお話を一つしましょうカネ。
先も言った通り、紫狒々は遠い山奥の集落出身の田舎者デス。外部との交流はほぼ無いに等しいので紫狒々は集落を飛び出してから人の多さや、そこで暮らす人々の様子に大変驚いたものデス。
紫狒々の暮らしていた集落では、自分の名を言う際、自分を『アイ』と形容しマス。
いきなり自分の名前を言うのは《攻撃のサイン》なのデス。紫狒々の暮らしていた集落は戦闘の民が多かったデスから、間違った自己紹介の仕方は命取りデシタ。
そんな集落にやって来たのは大剣を携えた目つきの悪い男デシタ。
その男は集落の長の家へ行き、戻って来ると広場へ座り込んで自らを『アイ』と言いマシタ。
彼は自分を『語り部』だとも言いマシタ。紫狒々は彼の語る話に心を奪われマシタ。
彼は紫狒々の暮らす集落の出身ではなかったろうに集落での決まりを守り、とても楽しい話を毎日のように聞かせてくれマシタ。
そうして彼が路銀も充分に貯まったと集落を離れようとした時、紫狒々は彼に会いに行きマシタ。
彼はこちらを見てニヤリと、まるで猛獣が獲物を見つけたかのように笑いマシタ。
そうしてこう言ったのデス。
『お前の行く道が幸運に満ちますように…』と。
それから紫狒々は独学で語りを学びマシタ。二年後、集落を飛び出してこうして名の売れた語り部として生きていマス。
紫狒々が語り部になった切っ掛けの彼の名を紫狒々は残念ながら覚えていません。
デスが、彼を目標に生きようと紫狒々は日々奮闘するのデス。
それでは今日はこの辺で。
またどこかでおアイしましょう。
紫狒々の行く場所に、幸運あれ。
STORY END.




