男性用【至極真っ当な狂人】
声劇タイトルは
【しごくまっとうなきょうじん】と読みます。
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とある台本書き
[あらすじ]《3分半程度》
「以上が貴方の問題点。反論はある?」そう聞かれて思わず笑った。彼女らは自分の言動に何一つも間違いがないのだと断言してしまっていたからだ。だから僕は僕の意見を言う事にした―――。
【とある台本書き】
反論っていうかそもそもが間違ってるんだよね。
君達の意見をまぁ端的に纏めるなら「彼の死を題材に台本を書くなんて最低だ」って事でしょ?
あのね、ひっじょーに申し訳ないんだけど。
僕は他人の死を材料に何かを生み出せるほど感受性豊かな人間じゃないの。
フィクションはフィクションだから面白いし、ノンフィクションもまぁ…うん。然りなんだけど。
僕は残念ながらノンフィクションが書けないんだよ。リアリティさを表現出来ないというか。どこか浮世離れした感じに書いてしまうというか。
だからね、君達が「彼の死」を書いたと思われる僕の台本は特別誰かを想って書いた訳じゃないんだよ。分かってくれた?
あー・・・、もう・・・。
面倒臭いなぁ・・・。
じゃあもし。もし仮にだよ?
僕が「彼の死」に何かしらの感銘を受けて台本を書いたとしよう。それの何が問題なの。
モラルが悪い? 倫理的に問題? そうだね、君達は金切り声でそうやって言うけどね、僕は何ら問題無いと思ってるんだよ。
何でかって。そんな作品は山ほどあるからだよ。僕が誰かの「死」を題材に作品を作ってそれが咎められるのなら僕以外の誰かの作品も咎めるべきだよね。
まぁそもそも僕は「彼の死」に関して何も行動を起こしてないんだけど。
は? 彼が死んで悲しくないのかって? もう論点がぶれぶれじゃないの。君達はどうしたって僕を非難したいみたいだね。
・・・まぁ、うん。悲しい事は悲しかったよ。突然だったもんね。居眠り運転だっけ? 彼も運が無いよね。だって直前の呟きが「近道するわ、間に合わない」でしょ? やり切れないよね。
・・・でも、だから何?
それが僕の創作意欲を掻き立てたとでも言うの? そうやって生み出した台本が君達が言う、「彼の死が書かれた」台本なの?
もうぶっちゃけこの件に関しては好き勝手に喚けばいいと思ってるし、これ以上何か話し合った所で僕は君達の意見を聞く気は無いし、君達だって僕の意見を聞く気は無いでしょ? 意味が無いことをしてる暇があるなら僕は台本を書いていたいよ。
・・・はぁ・・・。
だからさぁ・・・。
………………………………。
ああ、もういいや。こんな事言うとまたそれを餌に君達から非難を受けそうだったから言わなかったけど。
もう面倒だから言わせてもらうね。
彼が死んだから何だ。
僕には彼の死を気にしてる暇なんてないんだよ。ましてや彼の死を題材に台本を書く? 死人に影響されて台本を書くなんて発想がまず出て来ない。
確かに彼は僕の知人だったしそれなりに仲が良かったけれど、うん。それだけだ。
その彼が死んだ所で泣きはしてもその感情を文字に起こして台本にして誰かに読ませるなんて。そんなのもう、人間じゃないだろ。
僕には君達みたいな狂った常識人にはなれそうもないし、なりたくもない。悪いけれどコレでもうこの話は終わりにしてくれ。
君達は君達で彼の冥福を祈ってればいいんじゃないかな。
STORY END.




