表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
41/197

女性用【死なせるも無罪】

台本ご利用前は必ず『利用規約』をお読み下さい。

『利用規約』を読まない/守らない方の台本利用は一切認めません。


※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。

 ♂0:♀1:不問0

 微笑む淑女(しゅくじょ)

[あらすじ]《2分半程度》

 「貴方は知らないと思ったので知らせに来て差し上げました」そう言いながら目の前に立つ女が信じられない。だって彼女は、彼女は―――。









【微笑む淑女】

 私ね、死んだんです。知らなかったでしょう? 知らないと思ったので知らせに来て差し上げました。ごめんなさいね、死んでしまって。

 あの有名画家の展覧(てんらん)会に行こうって言っていましたのにね。

 どうやら私は死んでしまったようなのです。


 あら、どうしてそんなに驚いてらっしゃるのかしら。


 “どうしてここに居るのか”?


 ふふ、おかしなお方。だって私は死んだんですよ。私は死んで私の物語は終わったんです。私は色んな方達に()しまれましたね。良い終わり方だったと涙も流れました。


 ですが。

 それだけです。


 私の物語は忘れ去られましたし、新たな物語の(つむ)ぎに皆様、心を(うば)われておりました。


 でもね、貴方だけは違うと思っておりました。貴方だけは私を忘れないと思っておりました。


 …………、それすらも貴方はとても斬新(ざんしん)に裏切ってくれましたね。貴方にとって私はその程度でしたか。


 私、首を()ねられました。

 それも最愛の人に。何度も愛を(ささや)きあった人に。彼の目に躊躇(ためら)いなどありませんでしたね。


 ……私は貴方を(うら)んでいませんし、(のろ)ったりも出来やしません。


 ただね、知って欲しかったんです。


 私、死んだんですよって。

 貴方が、






 殺したんですよって。



 でも罪には()われません。当たり前です。

 だって私は存在しませんもの。ねえ?


 私は創造(そうぞう)のもの。

 貴方が(つく)った「悲劇(ひげき)乙女(キティ)」。


 所詮(しょせん)私は、死んでしまった「キャラクター」。


 これで、充分(じゅうぶん)知り()ましたか? では、もう一度だけ教えて差し上げます。



 私、死んだんですよ。

 首を()ねられました。最愛の人に。


 私、死んだんです。

 貴方が殺したんです。


 私、死んでしまったんです。







 もっと、生きたかった…な、










STORY END.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ