女性用【死なせるも無罪】
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微笑む淑女
[あらすじ]《2分半程度》
「貴方は知らないと思ったので知らせに来て差し上げました」そう言いながら目の前に立つ女が信じられない。だって彼女は、彼女は―――。
【微笑む淑女】
私ね、死んだんです。知らなかったでしょう? 知らないと思ったので知らせに来て差し上げました。ごめんなさいね、死んでしまって。
あの有名画家の展覧会に行こうって言っていましたのにね。
どうやら私は死んでしまったようなのです。
あら、どうしてそんなに驚いてらっしゃるのかしら。
“どうしてここに居るのか”?
ふふ、おかしなお方。だって私は死んだんですよ。私は死んで私の物語は終わったんです。私は色んな方達に惜しまれましたね。良い終わり方だったと涙も流れました。
ですが。
それだけです。
私の物語は忘れ去られましたし、新たな物語の紡ぎに皆様、心を奪われておりました。
でもね、貴方だけは違うと思っておりました。貴方だけは私を忘れないと思っておりました。
…………、それすらも貴方はとても斬新に裏切ってくれましたね。貴方にとって私はその程度でしたか。
私、首を刎ねられました。
それも最愛の人に。何度も愛を囁きあった人に。彼の目に躊躇いなどありませんでしたね。
……私は貴方を恨んでいませんし、呪ったりも出来やしません。
ただね、知って欲しかったんです。
私、死んだんですよって。
貴方が、
殺したんですよって。
でも罪には問われません。当たり前です。
だって私は存在しませんもの。ねえ?
私は創造のもの。
貴方が創った「悲劇の乙女」。
所詮私は、死んでしまった「キャラクター」。
これで、充分知り得ましたか? では、もう一度だけ教えて差し上げます。
私、死んだんですよ。
首を刎ねられました。最愛の人に。
私、死んだんです。
貴方が殺したんです。
私、死んでしまったんです。
もっと、生きたかった…な、
STORY END.




