表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
39/197

男性用【語り部麒麟〜遭遇編〜】

台本ご利用前は必ず『利用規約』をお読み下さい。

『利用規約』を読まない/守らない方の台本利用は一切認めません。


※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。

 ♂1:♀0:不問0

 麒麟

[あらすじ]《4分半程度》

 (かた)()麒麟(きりん)は元傭兵。ガラの悪い喋りと腕っ(ぷし)の強さが人気の語り部だ。彼は今日も傭兵時代に聞いた話を豪快(ごうかい)に語り()ぐのであった――。








【麒麟】

 よォ、皆の(しゅう)。オレは麒麟。語り部だ。こう長いことやってっとオレを知らなくても名は知ってる奴が大勢居るもんでなァ。これを機に「オレ」を知ってってくれや。


 そいじゃあ今日は何を話すか。…ああ、お前らは一つ目巨人(サイクロプス)に出会った事はあるかぁ? オレは傭兵(ようへい)時代に一度だけあってな。いやあ、戦わなくて良かった。


 今日はその日の事を話すとすっか。 


 オレはその日貴族の護衛として(やと)われてた。何でも(あま)やかされのボンボンが不死鳥(フェニックス)を生で見たいとか言ってなァ。オレ以外にも王都(おうと)騎士団所属の奴も居たっけな。


 その森には名は無かった。ああ、いや。当時の話だなァ。今はなんつったか…あーっと……ああ、そうそう。「滅死(めっし)の森」だったか。


(森の名を聞いて顔を(しか)めた客を笑い見ながら)

 当時からも強い魔物がうじゃうじゃと居てな。不死鳥(フェニックス)なんぞに会う前にこっちが全滅(ぜんめつ)しちまうんじゃねぇかって思いすらあったなァ。


 そんな中で貴族のボンボンは呑気(のんき)なモンでなァ? あっちに行きたいこっちに行きたい、あれが見たいこれが見たい、魔物が出たどうにかしろ……()り倒さなかったオレの理性を()め殺してやりてぇ。今だったら間違いなくチョンだぞ、あのクソガキ…。


 っと、悪ィ悪ィ。

 ついいつもの(くせ)が出ちまった。昔の事を思い出してっとついそっちの感情に流されちまってなァ…、まぁこうして生きてっからボンボンにそこまでの(うら)みは無いがな。


 そんでまぁ、ボンボンに振り回されながらも森の中を進んでいた時だ。随分(ずいぶん)遠くの方からドシーン、ドシーンと地響(じひび)きが聞こえてきてな。

 ボンボン一行の一人である研究者が顔を()(さお)にしてっから聞いたんだよ、どうしたんだってな。


 研究者はブルブル震えながら「一つ目巨人(サイクロプス)」の名を(こぼ)したんだ。いやあ、任務放棄(にんむほうき)して逃げ帰ろうかと思ったわな。


 そんな事を考えてる間にも地響きは近づいてきてな。仕方なくオレは大剣(たいけん)(かま)えてその「一つ目巨人(サイクロプス)」とやらを待ったわけだ。

 後ろではボンボンがまた見たいだとか何だ叫んでたらしいが研究者が罵倒(ばとう)して連れてったとか何とか。オレ、一つ目巨人(サイクロプス)よりそっちが見たかったぜ…。


 ボンボンが消えて(しばら)くした後、どデカい身体した一つ目巨人(サイクロプス)がこちらに向かって歩いてきてた。一つ目巨人(アイツ)の目にオレ達護衛の姿は映ってなくてな。ボンボン達が逃げてった方向とも違う方へゆっくり歩いてった。

 正直、幾多(いくた)死線(しせん)(くぐ)り抜けてきたオレでも勝てねェと(さと)った程だった。


 その後街に帰ることにしたんだが、オレ達じゃ何百年掛かっても住めなさそうな豪邸(ごうてい)に着いた途端(とたん)、ボンボンは何で見せてくれなかったんだとか(わめ)()らし始めたんだが、ボンボンの兄貴……ああ、いやコイツもボンボンな訳だがな? まぁ、ボンボンよりかは良識(りょうしき)(じん)だったみてぇで、オレ達護衛に高額な金を(はら)って弟を(しか)りつけてたんだよ。いやあ、貴族ってのも大変だよなァ。オレはそういうかたっくるしいのは御免(ごめん)だな。


 そいで、まぁ…。そんな遭遇(そうぐう)から十数年か…。傭兵(ようへい)は辞めちまったが、こうして語りのネタに困らねぇのはありがてェな。


 っと、思わず長話になっちまった。すまねぇな、道中(どうちゅう)()いてる奴も居るだろうに。

 まぁ、オレはそろそろ次の街目指して旅立とうかね。


 そんじゃあ、麒麟が()く道が幸運に満ちますように……ってなァっ!














STORY END.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ