女性用【バラくさい庭園にて 中編】
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うすら笑みを浮かべた女
[あらすじ]《2分半程度》
貴方は庭園の散歩を終えると女の元へ戻った。桃色のバラへ水を撒いていたはずの不気味な女はバラの花びらでローズティーを作っていた―――。
【うすら笑みを浮かべた女】
あら、おかえりなさい。庭園はどうでした? えぇ、そうでしょう? 私、頑張って育てましたもの。
……ところで、ご自分がどうしてこの庭園にいらっしゃるのか思い出せましたか? ……あら! 奥様がいらっしゃるのですね! …あらあら、お顔が分からない…それは困りましたね。
どうしてここに居るかはまだ、分からないのですか………へ? ああ、私は貴方が誰かという事はちゃーんと分かっておりますよ。
でも駄目。
貴方自身が気付いて分からなければならない事ですのでヒントも答えもお教えする事は出来ませんわ。
しかし悩み過ぎても疲れてしまうでしょう? ローズティーを作ったのですが味を見て頂けませんこと?
(ローズティーを飲んだ途端、涙を流した相手に)
…っあらあら!? どうなさいました? 涙が出るほどお口に合わなかったかしら。
……え? 『どこかで飲んだ事のある味だ』? ……まぁ、それはそれは…。
私はヒントも答えも言えませんのに、無意識に手助けしてしまったようですね。
……いえいえ、謝る事はありません。
……それでは、貴方に新しいバラの花束を差し上げましょう。そちらはこのテーブルにでも置いておいて下さいませ。
…えーっと、どこに置いたかしら。
ああ、ありましたありました。
にー、しー、ろー、はー…。うん、確かに25本ありますわ。持ちにくいかもしれませんがこちらをどうぞ。
……どうして25本なのか? ……ふふ、さあ? 私には何のことやら…。
それでは私、暫くビニールハウスの方でバラを育てておりますので何かありましたらお呼び下さい。
それでは、失礼します。
良かった…少しですが、思い出してくれたのですね…。私は、何もお教えする事が出来ません……ああ、心苦しい…心苦しいです…。
貴方が思い出してくれるもの、全てが…私の宝物……。ああ、どうか……。
………………いいえ、縁起でもない事を言うものではありませんわね…。
……そろそろ、私も……覚悟を決めませんと…………。
STORY END.
25本のバラの花言葉
「あなたの幸せを祈っています」




