男性用【語り部茂木〜鉢合わせ編〜】
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茂木
[あらすじ]《3分程度》
語り部の茂木は容姿端麗で年頃の娘等によく囲まれる。彼は今日も今日とて娘等の襲撃より逃げ仰せながら語りをしている―――。
【茂木】
初めまして。オレは茂木。
語り部を始めてあまり時は経っていませんが、ベテランの師の元で三年の修行をしましたので語りの腕はお任せ下さい!
そ、れ、で、は・・・。
今日は何を語りましょうかね。
あ、そうだ。
今日初めて語り部を見たってお客さんも何回か見たってお客さんも居ると思いますが、語り部達はあまり鉢合わせしませんよね? オレも語り部始める前はすごく不思議で師匠に聞いてみた事があるんです。
今日はその時の事を語りましょう。
師匠とオレはその頃、南の暖かな海に沿って語りをしていました。冬国出身の師匠は暑い暑いと言って上着を脱いでたっけな・・・。
そうして比較的陽射しの穏やかな場所へ座り込み、客引きを始めた時の事です。
オレ達が歩いてきた方向とは逆側から別の語り部がやって来ました。途端に師匠は慌てました。慌てると言っても語り以外ではあまり感情の起伏の無い人です。大変だ、調べておくんだった、などとボソボソ呟いて立ち上がりました。
そこでオレがどうしたのか、と聞くと自分よりも語りの年数が長い語り部と鉢合わせた場合、若い語り部は道を開けるのが暗黙の了解、だと言うのです。
それ以外でも語りの近場に他の語り部が居ないかどうかを調べるのは必要な事のようで、弟子であるオレに色々教えるのに手間取って近辺を調べる事を怠っていたようです。
向こうから歩いてきたのはどんなベテランでも道を開けなきゃならない、昔の世代より語り部を続けている千輪という、見た目は若い女の語り部でした。
師匠は商売道具…銭の入れ物や客が座って聴く用の敷物を回収して呆然と突っ立ってるだけだったオレの襟を掴んでその場を後にしました。
その後に師匠はその鉢合わせの事をネタに一つ語ってましたから、そういう所はまだまだ敵わないなと思いました。
オレは語り部としてあまり名も売れてませんし、遠目から見た師匠のお客さんの数にはとてもではないけど・・・ははっ・・・。
だけれどいつか、師匠が生きてるうちに彼を越えたいと思うのは弟子の性ですかね。
おや、そろそろ時間です。
それでは、またどこかでお会いしましょう。語り部の茂木はこの辺で失礼致します。
STORY END.




